癌医療にもとめられること(7)


EBMを重視したがん医療

 

Evidence Based Medicineは、がん医療でも極めて大切な問題解決手法を提供してくれる。目の前にいる患者に対してどのような治療を行なうことがもっともよいことか。これは、すべての医療者が日々遭遇する命題であろう。EBMの手法では、この命題をまず、PECO形式の疑問文に作りかえるところから始まる。P(patient:どのような診断、病状の患者に?)、E(exposure:どのような治療を行なった場合?)、C(comparison:どんな治療を行なった場合と比べ?)、O(outcome:結果、効果はどうなのか?)。PECO文を作ることができれば解決すべき問題点が明確にできたことになる。さらに、PECO文に解答を出すように、過去の臨床研究や、基礎研究の論文を検索すればよい。抗がん剤治療の場合、治療の効果をすぐには実感できないことが多い。たとえば、初期治療での再発抑制効果を目指した治療をするにしても、治療を受けている患者一人一人にとっては、今、受けている治療の効果があるかないか検討がつかない。ただただ、副作用に苦しむばかりの日々を送るなかで、どの程度の治療効果が、科学的に確認されているか、という情報は、治療を継続する上での励みになるだろう。医師も、検証されたその効果を根拠として、つらい治療かも知れないけれどがんばりましょう、と患者を励ますことになる。がん医療においては、科学的な根拠を尊重する姿勢はとりわけ意味のあると思う。

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投稿者: 渡辺 亨

腫瘍内科医の第一人者と言われて久しい。一番いいがん治療を多くの人に届けるにはどうしたらいいのか。郷里浜松を拠点に、ひとり言なのか、ぼやきなのか、読んでますよと言われると肩に力が入るのでああそうですか、程度のごあいさつを。

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