ASCOが終わった。木曜日から木曜日までの出張なので休診の傷手は少なからずあるが、それ以上にASCOは楽しい。1988年からずっと来ているのでもう20年にもなるのかぁ。楽しい理由はいろいろあるけど、会場で旧知の仲の知人にたくさん会うことができることも理由のひとつ。Daniel Hayesは、かならず、Toruはいるか、と、今回も私のポスター発表を調べ、会場に来てくれた。「前から聞いてた試験だが、やっと結果がでたか、エクセレント! これなら症例数も多いし結論もしっかりしているから、JCOにいけるんじゃないか。こんどはいつ会えるか?」と、うれしいことをいっぱい言ってくれる。来年、再来年と日本に講演や学会に来てくれるようにたのんだら快諾。あと、St.Gallenでおなじみ、おそるべしDr.Goldhirschも、例のtable4のことをお礼をいったら、こちらこそありがとう、と。また、日本人でも、国立がんセンターの同窓会みたいにいろいろな先生と会うことができた。埼玉の佐々木先生やがんセンターの大江先生とも、お互いの近況を語り合い楽しい時間を過ごした。西條先生には会えなかったが、いろいろお忙しく、また、いろいろとこれから大変みたいな話も聞いた。最終日の火曜日、各種疾患(肺癌、大腸癌、乳癌、リンパ腫)のバイオマーカーのセッションを聞いた。これがシグナルトランスダクションパスウエイの話やら、バイオマーカーのアッセイの話やら、何がなんだか、ちんぷんかんぷんで、理解不能!! 困ったね。昔は、自分でも関わっていたようなことだけど、20年の歳月はずっしりと、私の気持ちを暗くした。ちんぷんかんぷんとんちんかん。一列前に座っていた筑波大学の坂東先生は、スライドをデジカメでしゃかしゃか写しつつ、すらすらとメモをとっており感心した。帰りがけに思わず「先生は、本当によく勉強されますね。」と声をかけると、「いえぇ、まだまだですぅ。」と、はにかみながらにこにことおっしゃっていた。そういえば、だいぶ前に私がASCOで質問をしたら、東海大学の田島先生が、「渡辺君、よく勉強してるねぇ。英語もうまいねぇ、Toru Watanabe from Tokyoなんて、え~、かっこいいじゃない。」とお褒め下さったことを思い出した。♪そんなぁ時代もおあぁったけどぉ~♪、ASCOは勉強するところなので、わからないことがたくさんあった方が刺激になっていい。ちんぷんかんぷんをバネによく勉強して、来年もまたシカゴに来ようと思う。来年はNSASBC02を発表できるだろうか。ASCOは楽し。