読めない紹介状


大学病院婦人科の先生から紹介状を頂いたが、これがまるで読めない。以前神戸で起きた小学生殺人事件の犯人さかきばらなんとか、みたいな、変に癖のある字で本人はうまいと思っているのかもしれないが、少なくとも相手に読んでもらおうという字ではない。「字は下手でもいいからていねいに書け」と、研修医のころに指導をうけたことがある。最近はワープロ印刷が一般的になっているので、内容が頓珍漢というのはあるが、判読不能というのは久しぶりなのでブログに書くことにした。最近では、面白いネタがあっても、「先生、ブログに書かないで下さいよ」と言われる。しかし、判読不能、悪筆、なぐり書き、にはいろいろと思うところがある。(1)なぐり書きパターン 「先生にセカンドオピニオンをお願いしたところ、『そんなところに行っても無駄です』と言われたのですが、どうしてもとお願いして書いていただいたのです。」と患者がいうとおり、明らかに不機嫌(激怒)というような紹介状をもらうこともある。往々にして大病院、名門大学病で、プライド傷ついた、みたいな憤りが書面から沸き立っている。(2)スター気取りのサインパターン、自分がよほど有名人かと思っているのか知らないが、紹介状の署名欄に、ぐじゃぐじゃと。いくらサインといって乙葉や王貞治は読める。ぐじゃぐじゃサインはもともと字が下手、ということが多い。以前、どうしても読めない名前だったので、手書き入力で似たように書いたところ「颸」という漢字があったのでそれを当てた。正しいかどうかわからない。(3)もともと字が下手パターン 手術がうまい外科医は字もうまい、という話をきいて、大筋で納得することは多い。国立がんセンターにいたころ、13A病棟医長をしていた。月に一度ぐらい、院長回診というのがある。えらい外科医は回診に出てこないので、病棟医長が患者の前で、院長に「この患者さんは、診断○○で、昨日3回目のTAE実施しまして軽い発熱がある程度で、経過は順調です。明日退院予定です。」という風にプレゼンを代行する。今副院長をしているK先生の字が下手くそのなぐり書きで小学生以下だ。記載もろくにしてなくってカルテを読んでも外来での経過などを読み取ることができない。それを見たKKZE院長は「元気のいい字ですね」と。とほほのほ、どっちもどっちの人材不足を痛感させられた。
死亡診断書は、死亡を確認した医師が記載する。あるとき、私の部下であったK先生が、

投稿者: 渡辺 亨

腫瘍内科医の第一人者と言われて久しい。一番いいがん治療を多くの人に届けるにはどうしたらいいのか。郷里浜松を拠点に、ひとり言なのか、ぼやきなのか、読んでますよと言われると肩に力が入るのでああそうですか、程度のごあいさつを。

“読めない紹介状” への 1 件のフィードバック

  1. 字自体が判読できない。カーボンコピーの為、薄くなって判読できない。書かれていることが理解できない。等々あると思います。当方のかかりつけ医の方が書いた紹介状が、ほぼほぼこれに該当します。複数回紹介した病院宛なら、通院歴ありとか書いてくれれば、紹介先が電子カルテを導入していれば過去歴からの判断で無駄な時間が無くなると思われます。紹介先の医師と一緒に紹介状を見て解りませんねと相手医師と話をして、自分で説明しなければいけない患者ってどうなんでしょうか? 電子カルテを導入しているけど、薬剤でDOして前回に外した薬剤を再度投入する困った医師もいますけど、かかりつけ医に電子カルテの導入等電子化を指導すべきでしょうか? 内心は指導したい。改善して欲しいです。

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