病診連携のこころ


そもそも医療は社会保障の一部であるので医師は社会貢献を通じて自己実現を図るのが当然である。大学にいられなくなった、勤務医生活にいやけがさした、金が必要になったなどの個人の都合で診療所を開業した、しようとしている医師をたくさん知っているが彼らの動機を批判はしないが評価もしない。そんな都合で診療所を開設したのでは三流病院の下に位置づけられて20世紀型いや、ひょっとすると19世紀型のピラミッド型の組織に組み込まれてもしかたなかろう。組み込まれるだけありがたいと思わなくてはいけないだろう。社会保障の一翼をになうべき診療所が継続可能な形態を模索せず一代年寄りパタンが許容される現在の仕組みにも問題がある。死にゆく個人にかわり継続可能な法人形態をもっと真剣に追求するべきだ。東京でTKD社が後押しをして病診連携懇談会が開かれたそうだ。そこに参加した人から伝え聞いた話では、それはまるでやくざのあつまりのようで、おまえはだまっていろ!みたいな怒号が飛び交う恥ずかしい集会だったそうだ。誰が言ったのか、だいたいのところは想像がつく。正しい思いは正しい行動を生み、正しい行動は正しい習慣をつくる。正しい習慣は正しい人格を築き、正しい人格は正しい環境をかもし出す。正しい環境は正しい思いを育み、そして継続可能なしくみの維持につながるのだ。思い、志し、こころが大切であるというのは、ジェームスアレンも松井秀喜も言っている。正しいこころを失った病診連携は何の役にも立たないことをあらためて考えてもみてはどうだろうか?
 
 

投稿者: 渡辺 亨

腫瘍内科医の第一人者と言われて久しい。一番いいがん治療を多くの人に届けるにはどうしたらいいのか。郷里浜松を拠点に、ひとり言なのか、ぼやきなのか、読んでますよと言われると肩に力が入るのでああそうですか、程度のごあいさつを。

“病診連携のこころ” への 1 件のフィードバック

  1. はじめまして。医療関係者ではなく、まったくの一般人、時には一患者としての意見を述べさせてください。日頃から渡辺先生の見識の高さに敬意をはらい、ブログを拝見しております。そして先生にエールを送りたいと思います。間違っていることには「間違っている」と大きな声でもっともっと言ってやってほしいのです。麻生総理がつい口を滑らせた「医者には変人が多い」とかいう話、あれは本当だから医師会からクレームをつけられたんですね。実は私も同じ意見でした。もちろん素晴らしい先生も数多くいることは承知しております。ほんの一握りのおかしな先生がことさら目立つのでこんなことを言われるのでしょう。先日の記事で先生は若い医師の教育もされているとのこと、また全国を講演で飛び回っていらっしゃるとのことで、大きな影響力をお持ちだと思います。あらゆる機会を利用して、一人でも多くの若い医師を良い方向に導いていただきたいと切に希望いたします。昨今の心を病んだ日本を憂い、とりとめのないことを書き連ねてしまいました。お許し下さい。

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