箱もの行政の最たるものとして批判を浴びてきた癌診療拠点病院が来年4月をめどに見直されることになり、帳尻を合わせて癌診療拠点病院のふりをしている全国のキョトン!病院は、指定取り消しにおびえ、さらなる帳尻合わせにやっきになっている。病診連携で癌診療を地域に普及しています、という張りぼて看板を掲げているところは、その実態があまりに偽善的、手前勝手的であるがゆえに、指定取り消しは避けられない。また、緩和医療をやっています、緩和医療の専門家がいます、と急遽、別の部署の内科医を緩和ケアチーム医師にしててたけれど、診療科間での協調が全くとれておらず、逆に患者、家族は不安、心配、失望の中で涙を流しているという現状もいたいたしい。こんな、名ばかりの、羊頭狗肉的ながん診療拠点病院は、当然、指定取り消しである。そもそも旧態依然とした20世紀型組織論に基づく、がん診療拠点病院構想自体、無理があり、非才浅薄小役人の浅知恵では、もうどうにもならないところに来ている。安心、安全のがん医療を提供できる体制を整えるには、「街角癌診療の考え方」に基づく「高機能がん診療所」の発展の方が、ずーっと素晴らしいと思うのだ。