セカンドオピニオンのクレーム


今まで、セカンドオピニオンについて、後になってけしからん、とクレームがついたことが二回あった。二回とも本人からではなくって近い家族から。もっと言うと患者と一心同体のような姉妹からだ。いずれもセカンドオピニオンにはその姉妹は同席せず、しかも患者一人での受診である。一人は「高すぎる。何も診療していない、薬の一つもだしていないのに。」というもの。セカンドオピニオンはそういうものだし、お見当違いな気がする。もう一人は「言葉づかいに気をつけろ、本人がおちこんでいるじゃないか」というもの。確かに患者の状況は厳しいのだが、治療の目標はきちんと理解してもらわなればならないし、できることと出来ないことがあるのだから、それはきちんと話さなくてはいけないと思っている。その患者は帰る時には納得した様子ではあったが家に帰って妹といろいろと話したのだろう。本人から電話が来るのならわかるが家族からというと、場合によっては伝言ゲームのようになってしまう。クレ―ムがついたら、以降、そういうことがないように全力を尽くさなくてはいけないのは確かだ。阿部薫先生からも「例外を作るな!」と厳しく指導を受けた。もうひとつの解決策としては、かならず家族、友人など患者と近い立場の人も同席してもらうこと。何人でもいいので同席して、その場で、患者―医師間の微妙なやり取りを感じてほしいと思う。診察室での会話はとても繊細だし、言った、言わないという話でもめるような状況でもない。家族を愛する気持ちはだれも同じだし、がんが転移しても希望をもって中腰で臨む、ということは大切なことである。中腰という微妙な感覚もその場にいると意外とすんなり伝わるものである。

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投稿者: 渡辺 亨

腫瘍内科医の第一人者と言われて久しい。一番いいがん治療を多くの人に届けるにはどうしたらいいのか。郷里浜松を拠点に、ひとり言なのか、ぼやきなのか、読んでますよと言われると肩に力が入るのでああそうですか、程度のごあいさつを。

“セカンドオピニオンのクレーム” への 1 件のフィードバック

  1. 先生の【がんになったらすぐ読む本】を読ませていただきました。真面目な癌治療の本なのに、痛快で面白い!と感じるなんて不謹慎かもしれないし不思議でしたが、読み終わると同時に、いえ読んでいる最中も、気持ちがどんどん楽になってくるのがわかりました。今まで私が目にしてきた癌治療の本は、どれも読み終わった後「怖いことがいっぱい書いてある。私の身の上にも、この『怖いこと』が起こっているんだ…」と、決まって暗い気持ちになったものです。ところが先生の本は違いました。特に印象に残ったのが「慢性疾患として上手につきあう」というところです。それから「将棋のように局面を見ながら、持ち駒を大切に使う」というところです。先生がよくおっしゃっていた『流動的に』という意味が自分なりにきちんとわかったように思います。私にはまだまだ持ち駒があるんだ!と思ったら、なんだか元気が出て来ました!日常の楽しいことをたくさん見つけて、明日も元気に仕事に行ってきます!

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