社会保険の患者さんのレセプト審査で、オキシコンチンを1日400mg使ってくる患者さんについて、「多すぎる、他の手立てはないのか?」との査定がきた。解説を加えると、患者が加入している健康保険により、勤務者なら通常社会保険、自営業の経営者などでは通常は国民保険に加入する。昭和36年以降、日本が誇る国民皆保険である。患者は医療機関で診療を受けた時、その医療費の3割を会計窓口で支払う。高齢者の場合は1割。残りの7割(高齢者の場合は9割)は、社会保険または国民保険の支払い基金が医療機関に振り込む。もちろん、支払基金の元となっているのは、保険料としてみんなが毎月払っているお金だ。支払基金は医療機関に7割(高齢者は9割)を支払う以上は、医療がきちんとしたルール(療養担当規則)の則って行われているか、を月々のレセプト(診療報酬明細書)を審査しなくてはならない。オキシコンチンが使用されていたら「がん性疼痛」という病名がないと、それは認めるわけにはいかないだろう。病名が落ちていて、保険が通らなかった、ということが時々あるので、そのようなチョンボはしないようにしなと、病院が倒産する。使用量が不適切、とか、併用は認められない、という判断がなされると「査定」といって、その分、「これは認めません」と言ってくる。今回、オキシコンチンが多すぎる、という指摘には、丁寧にお答えしたが、それにしても、がん性疼痛で、オキシコンチンが多すぎるという指摘は、不勉強極まりないものだと思う。薬剤師の宮本くんも、そんなことを言う審査員の顔が見てみたいですね、とあきれていた。内心は、お前、分かっているのか、勉強して出直してこい、という感じだったが、弱い立場にある私たちは、御無理ごもっともと、従わなくてはいけないことが多い。審査する側も、よっく勉強しなくてはいっか~ん!