2013年乳癌学会in 浜松 準備進捗状況(1)


2013年、浜松開催予定の乳癌学会のテーマとしては、「情報・知識・理解の共有」みたいなものにしようかな、と考えています。 今までの乳癌学会を振り返ってみますと10前後の会場で、シンポジウム、パネルディスカッション、一般演題口頭発表、ポスター掲示などが並行して進みます。そうすると、第一会場でのシンポジウムを途中まで聞いて、自分の発表や座長があると、会場を移動しなくてはいけません。学会スケジュールを事前に細かくチェックし、「何時何分に第1会場から別の施設にある第7会場に移動し、教室の若いもんの発表を聞いたらすぐに第5会場に移動し・・・」というようなことができるような緻密な人は今までの学会スタイルでいいでしょう。しかし、事前に予習していく暇もないので、学会場について会場をうろうろして、たまたまあった同僚に、次、どこ行く、とあとをついて行ったり、移動しているうちにめんどうくさくなり、まあ、いいかっていう感じで、ロビーで休憩したり、機器展示ブースでコーヒー飲んだり、久しぶりで会った同門の先生と、喫茶店でお茶飲んだり、早めに町に繰り出したり・・・、こんな感じで学会を過ごすことが、結構多いように思います。また、参加者が、一堂に会して同じ演題を聞き、共通の認識を持つ、というプロセスが持てません。共通の思い出は、朝まで飲んだ、とか、青木功の話の時の秋山先生のスイングは、結構鋭かったね、というような、場面のみ、ということになりかねません。
そこで、2013乳癌学会では、思い切って、主会場三つに絞り、治療(手術、放射線治療、薬物療法、および関連する病理、遺伝子診断などの話)、診断(検診、診断、病理診断、遺伝子診断などの話)、看護(薬物療法の看護、外来化学療法の看護、心のケア、皮膚ケア・・)、のプレナリーセッション(全体会議)会場として設定します。ASCOやサンアントニオ、ザンクトガレンなどの国際学会をご存じの方は、あんな方式と思っていただければいいと思います。参加者は、ほぼ終日(朝9時から午後の3時頃まで)、その会場にいればすべての勉強ができる、というような方法です。セッション数は、各会場、一日あたり3つぐらい、各セッションは90分から150分ぐらいを考えています。一般演題のうち、優れたものはプレナリーセッションでの口頭発表とし、それ以外は、すべて、ポスターディスカッションとします。午後4時頃から5時30分までの1時間30分をディスカッションに当てます。ディスカッションは、ASCOのように、まったく別の会場で、レビューワー(評議員中堅クラス)が、一人15分から20分の持ち時間で、20ぐらいの担当演題をレビューします。演題の演者は会場にいて、会場からの質問があれば答え、そのやり取りの司会は、レビューワーが担当する、という形で考えています。類似の演題はまとめて評価、基本的に、ポジティブに評価して、次につなげるようなレビューになるといいなと思います。仙台では約2000演題だったそうですから、一人のレビューワーが20担当したとして、100人のレビューワーで、1日33人が、一人15分かけるとすると、6会場、同時並行してレビューが進行するということになります。多少、あっちもこっちも聞きたい、ということになるかもしれませんが、どうにか、バーチャルミーティングのような形で、あとで復習できるようにできないかとも考えています。全体会議(プレナリーセッション)方式での開催は、まさに、乳癌診療に関する情報と知識と理解を参加者が共有できることをめざすものです。このような形式で「情報・知識・理解の共有」というテーマにふさわしい内容にできれば、と考えております。

また、サブテーマは「駅前学会」。会場も懇親会も、すべて駅前の施設で事足りる、ということです。名古屋や大阪、福岡の国際会議場も、1会場で開催できていいけど、最寄駅から大変遠く、移動が大変です。その点、浜松は、駅から雨にぬれず、歩いて行ける距離にすべて配置されているので便利だし、繁華街も歩いて行ける距離ですからそれも重宝します。 以上、準備進捗状況をご報告いたしました。

投稿者: 渡辺 亨

腫瘍内科医の第一人者と言われて久しい。一番いいがん治療を多くの人に届けるにはどうしたらいいのか。郷里浜松を拠点に、ひとり言なのか、ぼやきなのか、読んでますよと言われると肩に力が入るのでああそうですか、程度のごあいさつを。

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。