出げいこのすゝめ


青森勤務の最中に友人から電話がかかってきて、こんな時は抗がん剤必要なの、ホルモン療法だけでもいい? というコンサルト。説明し終わって、ところでどう、最近は? というので、うん・・、今日は青森で外来なんだ、というと、あぁ、そうなんだ、バイトか、そんな田舎に行ってるんだったら、随分稼いでるんだ、東京も行ってるんでしょ、稼ぎまくりだね、じゃな、と彼は勝手に電話を切った。一応、友人なので、よくこういう電話がかかってくるんだけど、言っていること、そうじゃないんだけどと思いつつ、わからん奴はわからんのだな、と電話をしまった。青森では腫瘍内科の家庭教師と言われ、お前が来てくれて本当レベルがあがったよ、と吉田院長からは、毎回毎回、過分なお言葉を頂く。確かにいろいろと指導はしているけれど、空いた時間に、手術見学をしたり、院内感染症対策の話を聞いたり、大病院ならではの院内の仕組みなど、良きも悪しきも学ぶことができる。また、東京の杏雲堂病院も腫瘍内科部門を立ち上げて河野先生や、薬剤師森君、川端さん、看護師下田さん、佐々木さん、伊藤さんが、よいチームワークで疲れを知らず外来、入院診療をこなしており、大分レベルの高い腫瘍内科が出来上がってきた。海老原院長にもいつも感謝の言葉を頂くが、こちらも125年の歴史を持つ老舗がん研究機関の気風や、入院患者一人ひとりから注文を受け付け毎日の食事を準備する栄養科とか、病理医がいないのにやけに充実した病理検査室とか、特別個室病棟の完璧な接遇とか、学ぶことが多い。浜松オンコロジーセンターという一つの環境にてじっくりと仕事をするのではなく、異なった環境に身を置き、刺激を求めることが大切だと思うので、あちこちに出向いているのだ。他流試合で腕を磨くようなもの、関取が他の相撲部屋に出げいこに行くようなもの、である。

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投稿者: 渡辺 亨

腫瘍内科医の第一人者と言われて久しい。一番いいがん治療を多くの人に届けるにはどうしたらいいのか。郷里浜松を拠点に、ひとり言なのか、ぼやきなのか、読んでますよと言われると肩に力が入るのでああそうですか、程度のごあいさつを。

“出げいこのすゝめ” への 1 件のフィードバック

  1. 『一つの環境にてじっくりと仕事をするのではなく、異なった環境に身を置き、刺激を求めることが大切だと思うので、あちこちに出向いている…。他流試合で腕を磨くようなもの…。』

    とても心に響く文章でしたので、コメントさせていただきました。
    私のこれからの教訓にさせていただこうと思います ^o^/

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