先祖返りのシャンシャン大会


シャンシャン大会華やかなりし時代には品川あたりの1.5流ホテルに全国から数百名の医師が集められ、檀上のシャンシャン芸人の皆さんはここぞとばかりに発売記念薬品を持ち上げていた。毎回、実に上手に会を仕切る先生にその秘訣を聞いてみたところ「こんなのはサイエンスじゃないからね、まじめに考える必要ないよ、ご祝儀、ご祝儀」と割り切ることと楽屋で教えてくれた。上京した医師と同人数の随行MR(むかしはプロパーと称していた)は、シャンシャン中何をしているかというと、ロビーにたむろして、銀座のちーままが、お店を出しただの、裏のシャンシャン情報交換会をしているのも、私がまだ顔が売れていないころにプロパーに成りすましてロビーで収集した情報である。一時期、シャンシャン大会に借り出されたこともあったが、あまりに馬鹿らしく、また、よいしょする気にもなれないのでだいぶ前からお断りしておりそのせいか最近ではあまりお呼びもかからなくなったのはうれしい。うれないお笑い芸人のように、家電芸人とか、筋肉芸人など、それなりの得意分野もあるようで、しゃんしゃん大会を実にうまくもりあげる先生方もたくさんいらっしゃるけど、やはり馬鹿らしいからとシャンシャン大会には絶対出ないという知性派や、メーカー関係なくなんでもありの清濁併せ飲む天秤派など、様々な人間模様が織りなされていた。すべて過去の話だと思っていたら、大震災の反動だろうか、今年は、品川シャンシャン大会がメジロ押しのようだ。演者ラインアップは相も変わらぬシャンシャン芸人である。シャンシャン大会は、健全な商行為ですから盛大に行きたいと考えていますと豪語するメーカーもいて、それはその品性の貧しさの素直な表現として前向きの評価したい。しかし、今日、持ってきた品川シャンシャンの華美な案内状には三丁目の夕日のようなタイムスリップを感じる。

投稿者: 渡辺 亨

腫瘍内科医の第一人者と言われて久しい。一番いいがん治療を多くの人に届けるにはどうしたらいいのか。郷里浜松を拠点に、ひとり言なのか、ぼやきなのか、読んでますよと言われると肩に力が入るのでああそうですか、程度のごあいさつを。

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