NSAS 物語⑤ + Ω


様々な工夫と努力の結果、NSASBC01試験への登録症例数も安定し、1997年夏ごろには毎月20-30名の患者が参加してくれるようになりました。そんな明るい兆しが見え始めた頃、忘れもしないあのイデアフォー事件が起きたのでした。ある日、患者会イデアフォーの者と名のる方からNSASBC01試験のことを勉強したいと面会の申し込みがありました。そこで、国立がんセンター病院の医局で、1時間ぐらい話をし、試験計画書(プロトコール)も渡し、試験への協力もお願いし、患者会イデアフォーの者と名のる方2名は笑顔でお帰りになったのでした。それからしばらくして、今度は朝日新聞の記者と名乗る方から、NSASBC01試験について取材の申込みがありました。そこで、時間を設定し、その時は、確か、私一人で取材に応じたのでした。(この内容は続きがあります)。

ところで、先日、地元大学でひどい人事があったそうです。教授会の総意も無視されてワンマン学長が先代の教授への恨みをはらすごとく、自分の言うことを聞く、思い通りに動かせそうな候補を強引に裏取引で決めてしまったそうです。対立候補の先生は、学問的にも人間的にも誠実な人で、学生の評価も高く、地元の医師会にも、大変協力的でしたので、こんなやり方だと禍根が残ります。波紋が広がります。同様なことは過去に何回も何回も繰り返されているようで、実際、医師会を通じて見えてくる大学の姿は激しく劣化しています。数名の愚かな人間が権力を持つと、こんなとんでもない組織へと転落していく典型的な事例です。そのような悪行に対してはソドムとゴモラのようにやがて正しい裁定が下るでしょう。これも、利己主義 vs. 利他主義、で考えると、利己、利己、利己では、絶対にうまくは行かないはずです。この問題については続きがないようにしたいと思います。

投稿者: 渡辺 亨

腫瘍内科医の第一人者と言われて久しい。一番いいがん治療を多くの人に届けるにはどうしたらいいのか。郷里浜松を拠点に、ひとり言なのか、ぼやきなのか、読んでますよと言われると肩に力が入るのでああそうですか、程度のごあいさつを。

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