ASCO、青森出張、ミラノ乳癌カンファレンス、熊本乳癌学会とほとんど出ずっぱりの1か月でしした。通常の忙しさに加え、ドタキャン演者のピンチヒッターの役回りが二つもあり、これで随分と消耗しましたが、いままでにない勉強をすることもできました。ASCOでは、AVADO trialのDavid Milesが虫害の日本人向けセミナーをドタキャン、急遽、司会の戸井先生と私の掛け合いでやってくれないかという山口青年からの強引な依頼がありました。戸井先生も細かいことに動じないので、どうにかなるでしょう、ということでそのようにやることにしたわけですが、そもそも今年のASCOの目玉は、アバスチンではなく、抗HER2療法だったわけですから、1998年のASCOでのDenis Slamonによるtrastuzumabの発表から、今回のEMILIAまでの抗HER2療法の歴史をまとめて話をしましたところ、思いのほか評判がよかったようで虫害の山口青年からは来年もやってください、なんていう虫のよい依頼がありました。興味のあるかたは、がん情報局のウェブにスライドを載せておきますからご覧ください。もう一つのドタキャンは、乳癌学会でのNSABPのNorman Wolmarkの体調不良によるものでした。体調不良の連絡は、少し前に入っており、今回熊本にきたGabriel Hortobagyiが代役を務める、ということになっていました。ところが、Gabriel Hortobagyiは、土曜日の朝には帰国する、ということだったそうで、これも直前になって、Genomic Healthに移ったばかりの玉岡さんから、急遽、代役をやってほしい、ということでした。OncotypeDXがもともとNSABPで開発されたので、彼が選ばれたのでしょうけど、Dr. Wolmarkは、外科医であり臨床試験の研究者ですから、送られてきたスライドも、あまり出来の良い物ではなく、みてもよくわかりません。私も、いままで、OncotypeDXや遺伝子発現解析に基づく予後予測にかんしては、ほぼ、漏れなく学習していたので、予後因子、予測因子の話から、OncotypeDX開発の経緯を振り返り、今後の展望を少し語るようなストーリーで話をしました。これも、思いのほか評判がよかったようで、Genomic Healthの神様から、こんなにわかりやすいOncotyoeDXの話は正直言って初めて聞きいたよと、この上ないお褒めのお言葉を頂き、恐縮至極に存じている次第です。興味のあるかたは、がん情報局のウェブにスライドを載せておきますからご覧ください。そのほか、乳癌学会では、もうひとつ、アバスチンは本当に効かないのか? というタイトルで虫害のランチョンで話しました。これは、壮絶な山蛾プレッシャーの中で真実を正しく伝えなくてはなりませんので、事前のスライドチェックを回避し、スポンサーお仕着せのスライドは全く使用せずにお話しいたしました。そこは虫害の懐の深いところで、リストラマダカ社や、イライラリンリン社では、とても考えられない対応だと厚く厚く感謝している次第です。興味のあるかたは、がん情報局のウェブにスライドを載せておきますからご覧ください。熊本が終わり、1年後に控えた浜松での学会を充実させるべく、さらにパワーアップして準備を進めていくぞ!! ミッション、パッション、ハイテンション!!!
渡辺先生 侍史 相変わらずの先生のエネルギッシュなお姿を久々に拝見して、私もモチベーションが上がりました。次回、8/3の「最新情報カンファランス」でお会いできるのを楽しみに致しております。
乳癌学会でのOncotype DX ランチョンセミナー、本当に、本当にすばらしいお話をありがとうございました。このように解りやすく、お話の内容が「す~っと頭に入ってくる」プレゼンは、これまでに聞いたことの無い、ある種の感動を覚えるものでした。ツボと勘所を聴衆に確実にインプットして行きながら、随所に見られるユーモアでさらに印象づけるプレゼン術、今でも個々のシーンが頭によみがえってきます。同様の感想が、当日会場におられた、いろいろな先生から寄せられており、感謝とともに改めて最敬礼させていただきたく存じます。ありがとうございました。