北方領土から医師派遣??


週末は北見に講演に行きました。毎年、この時期の定番として、7年前から行っています。大学の同級生の須永先生が翌日の道東ツアーもアレンジしてくれるので昨日は摩周湖の裏側を訪ねてきました。肝心の講演ですが、低調な道東地区、乳がん診療で言えば、日本でいちばん遅れた地域になってしまった感じがあります。ひょっとしたら国後(クナシリ)、択捉(エトロフ)の方が進んでいるかもしれない。同じように定番で例年、訪れている沖縄が同じ期間で大幅にレベルアップしたのに比べると、残念ながら日本一低調なまま、という感じです。乳癌診療に専門的に取り組む医師がいないことが最大の原因でしょう。消一くんたちが乳がん診療に携わっていることは携わっているのですが、やはりカタテマールなので、頑張っている、情熱を傾けている、とは、とても言えないのです。残念だけど。がん診療に情熱を傾ける薬剤師とか、乳がん看護認定看護師とかはいるのですが、彼らとチームを組める医師がいない。乳腺外科も腫瘍内科もいない。これは小田原も同じですが。。須永先生は、北大第二外科の系列なのだけれど、今回は一外、二外も関係なしに、北大も札幌医大も旭川医大も関係なしに声をかけてもらいました。しかし、緊急の用件があったりとか、なかなか都合のつく医師がいないらしく、ドタキャンの連続で、結局、北見以外からは、網走厚生病院の西川眞先生がきてくれ、かなり熱心にポイントを突いた質問をしてくれました。沖縄とか青森とか、それまで低調地域のレベルがぐいぐい上がったのは、宮良先生とか、橋本先生とか、がいて、乳腺診療の中核として活躍しているからです。なので、消一地域では、なかなかレベルはあがらないのです。しかし、乳癌学会の専門医育成制度が消一育成の方向に向いていることから将来の展望は霧の摩周湖なのです。思い切った乳癌診療専門外科医を育成するプログラムを作らないと、そのうち、国後島から医師が派遣されてくるようになってしまいます。危機感満載の夏の一日でした。

投稿者: 渡辺 亨

腫瘍内科医の第一人者と言われて久しい。一番いいがん治療を多くの人に届けるにはどうしたらいいのか。郷里浜松を拠点に、ひとり言なのか、ぼやきなのか、読んでますよと言われると肩に力が入るのでああそうですか、程度のごあいさつを。

“北方領土から医師派遣??” への 1 件のフィードバック

  1. 原です。昨日は最高の夜をありがとうございました。沖縄がグイグイ上がった理由を肌で感じられました。今後共よろしくお願い申しあげます。

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