サンアントニオ day1  ①


BIG 1-98 試験、すなわち、閉経後ホルモン受容体陽性患者を対象に、タモキシフェンとレトロゾールを比較して、無病生存期間も全生存期間も、レトロゾールに軍配のあがった大規模な比較試験を覚えている人も多いでしょう。全体で8000人ぐらい対象として、最初はタモキシフェン5年とレトロゾール5年の比較で始まりましたが、途中からタモキシフェン2年後レトロゾール3年に切り替える群と、その反対にレトロゾール2年後タモキシフェン3年に切り替える群が加わり、4群比較の試験で継続した、ということを忘れた人もいるでしょう。それで、今回、5年同志の比較の部分で対象とされた浸潤性小葉癌324症例にフォーカスを当てて、のこり2599症例の浸潤性乳管がんと比べて、レトロゾールの効果はどうか、と言うのを検討した結果をのっぽのMetzgerくんが発表しました。見たことも名前も聞いたことがありませんが、しっかりした発表でした。結果は、なかなか興味深いもので、浸潤性小葉癌の方が浸潤性乳管癌よりも、レトロゾールの相対的効果が良好であったと。つまり、無病生存期間も全生存期間も乳管癌は、ハザード比が0.8~0.7ぐらいなのに対して、小葉癌では0.4~0.5ぐらいであったそうです。しかも、小葉癌のうち、Ki67が高い方が、ハザード比が高かったとのことです。会場からの質問で、閉経前で術後2年間、ゾラデックスとタモキシフェン使っている浸潤性小葉癌患者がいるのですが、レトロゾールに変更した方がいいでしょうか、という思い切った質問がありました。さすがに、これには、今回の解析がサブセットの後付け解析であるし、閉経後での検討なので、何とも言えない、というのがのっぽのMetzgerくんの回答でした。それにしても、あれだけののっぽなら、林先生のように、今までも会場の人ごみのなかで、頭ひとつ、ふたつ目だったはずなのですが、名前も聞いたことがない、謎の新人でした。

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投稿者: 渡辺 亨

腫瘍内科医の第一人者と言われて久しい。一番いいがん治療を多くの人に届けるにはどうしたらいいのか。郷里浜松を拠点に、ひとり言なのか、ぼやきなのか、読んでますよと言われると肩に力が入るのでああそうですか、程度のごあいさつを。

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