CLEOPATRA試験、すなわちHER2陽性転移性乳がんを対象とした、ドセタキセル+トラスツズマブにペルツズマブ(商品名:パージェッタ)を加えるか、加えないかのダブルブラインド・ランダム化比較試験の結果は、昨年のサンアントニオで発表されました。今回は、それに関連したバイオマーカー研究で、ホセバセルガの発表、あまりぱっとしない発表だったけど、とくに、どのような症例でペルツズマブを加えて効果が高まる、という結果はでなかったようです。ただ、PIK3CAに変異があると、PFSは短いという結果は報告されていました。昨年のサンアントニオでも、パクリタキセルとラパチニブの併用で、PIK3CAの変異があると生存期間が短い、という報告がありましたので、そういう場合に抗HER2療法がよく効くということになるのか、今後、エビデンスの構築が必要です。
5時からのポスターでは、CLEOPATRA試験の全生存期間の決定版の発表がありました。昨年の発表でも、全生存期間は有意に延長しておりましたが、まだ未熟、ということでした。しかし、E-2100のようなこともあるので、1年後のコンファームということで、ハザード比0.66(95%CI 0.53-0.84)P=0.0008でした。よい結果でこれは害虫たちも喜んでいました。
午前中にはHERA試験のトラスツズマブ1年と2年の比較結果が発表され、1年でOKという結果でした。続いて、発表されたフランスのPHARE試験では、HERAと同じような対象にトラスツズマブ6か月と12か月を比較。その結果は、ほぼ1年でよろしいというものです。ER陽性、でケモとトラスツズマブを同時に投与開始した場合には、とりわけ、6か月で結果が劣っており・・という結果も報告されましたが、それはサブセット解析だし、つべこべ言わなくて、1年できまり、ということでいいと思います。ただ、術後の場合も、PIK3CAワイルドだぜ、のほうがいいのかもしれません。PHARE試験は研究者主導の試験ですが、その理由はもし6か月でいい、ということなると、売り上げは半減するわけで、そんな試験に親虫ロッシュがスポンサーをするはずがありませんね。まあ、1年で十分、ということで落ち着きました。 それと、もうひとつ、害虫には悲しいお知らせがあります。