抄録から見えてくるもの


乳癌学会を1か月後に控え、抄録の電子版が完成、ホームページにアップロードしました。字数の制限された抄録で研究、主張のすべては語り尽くせないでしょうが、その制限区域を如何に有効活用するかというのも発表者の知恵の見せ所でしょう。制限字数は800字。800字というスペースを与えられたら、何が何でも800字にする、799字まで書いて最後の1文字で「。」を打つ、それぐらいの気迫とがめつさがなければだめだぞ!と、恩師阿部先生には、抄録締め切り直前に、何度も何度も書き直しを命じられたものでした。なので今でも字数制限ぎりぎりの挑戦を弟子たちにも求めています。その目で抄録をみると与えられた字数をめいっぱい使っているがめついひとはあまり多くありません。100字ぐらいでさらりと書き上げている子もいます。また、評価されない抄録の代表は「発表ではさらに検討症例を増やして報告する。」って書いてあるけど、増やしたからといって何が変わるの?というもの。また、発表の際に「発表は内容が一部抄録と異っていることをお断りいたします。」というので、抄録と発表内容を比べてみると、ぜーんぜん、結論がちがうじゃん、というのもあります。今回は、ポスターもオンラインでのアップロードという形をとりました。ポスター討議の対象となっている演題では、レビューワーがポスター内容を検討してレビューに使うデータを投稿ポスターからコピペしなくてはいけないので、はやめ、はやめにお願いします、とメッドおやまだから言われており、最終的に締め切りすぎても40演題のアップロードが確認できませんでしたので、メールで確認しました。そしたら、「私は仕事も子育ても忙しくなかなかポスター作成などしてられませんから演題は取り下げます、という強烈な逆ギレにあったり、なかなか思うようなデータがでないのでポスター作成が遅れていますって、おいおい、抄録を送った時点で、差があるって、書いてあるんじゃないの? というのもあったりで、抄録からからいろいろないきざまがみえてくるもんですな、と感じ入っております。

投稿者: 渡辺 亨

腫瘍内科医の第一人者と言われて久しい。一番いいがん治療を多くの人に届けるにはどうしたらいいのか。郷里浜松を拠点に、ひとり言なのか、ぼやきなのか、読んでますよと言われると肩に力が入るのでああそうですか、程度のごあいさつを。

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