痴呆会にならないために


乳癌学会が終了して、夏休みも終わり、あらたな活動シーズンに入りました。昨日、本日と乳癌学会中部地方会がありました。我思うに、地方会の基本はエビデンスレベル4、5の研究、つまり、症例報告とか、後ろ向き研究の発表を基本として、徹底的に討議して、どうすればレベル3,2,1への足がかり、勉強のとっかかり、研究のヒントが得られるか、と言うようなことの示唆が得られることが、最も重要ではないでしょうか。そういう観点からは、座学であっても教育講演として、EBM入門、とか、臨床研究の進め方、とかはあってもいいと思います。フロアーからの質問、コメントも、やっぱり低調です。まあまあ、穏便に穏便に、という風潮はやっぱりだめでしょう。実際、漢方#48が効く、という思い込みとバイアスの固まりのような最悪のケースシリーズ4例の報告もあり、「漢方薬はランダム化比較試験に向いていない」というセピア色の情けない主張がスライドに出ていて、これは指導者が悪いのではないだろうか?、発表者は多少、今後に期待できるような若者ではありましたので、思い切り突っ込んでしまいました。また、今のような教育セミナーも学会(学術集会、地方会)からは切り離して、年1-2回、別会場、別オケージョン、有料でやるのがいいでしょう。あるいは、企業スポンサーのしゃんしゃん大会をチューンアップして、薬剤よいしょではないように複数社相乗りで、実臨床の達人シリーズのようなケースカンファレンスを深めればいいのではないだろうか。ランチョン、モーニングなども、最近の傾向として企業太鼓持ち的な方向に、激しく傾いており、しかも、演者もそれに気づいていないような哀れなセミナーが増えています。また、MMG ECHO読影の技術講習も学会(学術集会、地方会)からは完全に切り離すべきでしょう。学会の時間を使ってのついでの技術講習に意義を主張する人もいますが、見ていると自己学習でも十分できるような内容なので、あれは、インターネットでやってもいいでしょう。同一会場に同一時間帯に集まる意義は、討論を通じた「情報、知識、理解の共有」にほかなりません。痴呆会を地方会にするには、いろいろと考えるところ、思うところがありまする。

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投稿者: 渡辺 亨

腫瘍内科医の第一人者と言われて久しい。一番いいがん治療を多くの人に届けるにはどうしたらいいのか。郷里浜松を拠点に、ひとり言なのか、ぼやきなのか、読んでますよと言われると肩に力が入るのでああそうですか、程度のごあいさつを。

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