今日の夜は国際臨床試験の独立モニタリング委員会(Independent Data Monitoring Committee:略してIDMC)がありました。この委員会はIDMCメンバー(腫瘍内科医、統計家)数名と、製薬企業開発担当社数名と、データマネージメントを委託されているCRO(Clinical Research Organization)会社から数名が参加します。最初のオープンセッションでは、これらすべてが参加し試験進捗状況とか、FDAとの審議状況とか、今後の予定とかを話しあい、そのあと、IDMCメンバーだけが部屋に残り試験の比較群別のデータを見て、効果、副作用を検討して、試験継続なり中止なりを決めます。この独り言でも、IDMCに関する様々なエピソードを紹介してきましたが、今回も、うーん、なるほどということがいくつかありました。オープンセッションでは、CROの担当者(とても利発そうに見える)がFDAとのやりとりを報告する際には、かならず、「discuss with FDA」とか、「talked with FDA」という表現を使います。つまり、FDAと対等の関係で協議する、というニュアンスです。negotiateとか、explainとか、時にはpersuadeという表現も使われることに気づきました。 一方、日本の製薬企業開発担当者(とても間抜けそうに見え卑屈に振る舞う)のように「当局のご指示を頂きまして」とか「当局に御願いに上がろうと思っています」とか、聞いただけで腹がたつような表現を定型句のごとくに使います。ここに、文化の大きな違い、民主主義の成熟度の違いが感じられます。我が国では、江戸時代から脈々と続いている「お上」意識が未だに続いていて、遠山の金さんや大岡越前のお白州判決言い渡しのような感覚で、裁定を伺う、という感じ。当局はお上だから偉くって、それには何も逆らえなくって、ただいいなりになって、何も考えようともせず、私たちは弱い立場にありますから、といった、間抜けな反応しかしません。能力がない、というのではなく、対等な立場で相談しよう、という意識がないのです。治験に関する意味のわからない膨大な書類や決め事、過剰な手順規定など、「なぜそれが必要なの?」と聞いても、「当局の指示ですから」としか答えられない、なぜを考えようともしない思考停止状態で仕事をすることになんの疑問を感じない担当者、CROの姿に最近、遭遇したので、ことさらなおさら、「discuss with FDA」という表現が印象深く、なるほど〜〜〜、と深く関心したわけです。ちなみにFDAは、Fuji Dream Airlines(鈴与) ではありません。
先日、お返事を頂きました 杏林大学の井本先生チームで お世話になっております 高橋 雅子です。その節は、お返事ありがとうございました。
今回の先生の お話しの中で、出てきました、治験を翻訳してまとめて、データとして活用する為 製薬会社から委託された仕事をする、医療翻訳データ会社に、私の次女が 契約社員として勤めております。今の時期、正月前で、残業続きでかなり バテ気味ですが、先生のブログを読んで、私は やっと 次女の仕事の全容と、重要性を理解しました。次女は、契約社員で、時給制ですので、学会など連れて行って頂ける立場ではありませんが、 外語大の英米学科を出ていても、医療翻訳は特殊だからと、医療専門書店で、生理学の本を買ってきて学び、休みの日は自宅でも 医療翻訳の通信講座を受けて勉強しています。 以前は、畑違いの仕事をしていましたが、私が、抗がん剤治療で アブラキサン投与を受けることになった時、3週間に一度 7万円 という価格について 色々調べ、新しい薬だから高い、新しいと何故 高い? 高いと効くのか?新しい薬を先生が勧めるのはデータが欲しいからか?いや、効果に期待が持てるからだろう。家族会議で、アブラキサン決定し、投与にいたりましたが、
調べた事が きっかけとなり、次女は医療翻訳の世界へ転職しました。
医者や薬剤師に、今からなるのは難しいけれど、自分の学んだ英語を、少しでも、癌や、難病の人の薬の開発に役立てることができれば、 との思いからの転職だったようですが、実際は、委託である自分たちのお客様は
製薬会社様。 その上下関係のさまは、平成の世に育った若者の目には、
いったい 何時代? と映る事も有るようです。 ともあれ、癌患者と家族としては、癌の再発、転移時には、家賃のような値段でなく、副作用で3週間シャワー浴びる事もできないほど、へろへろにならないような薬がいいな〜。と望みますが、勝手に癌になっといて、治療に文句いっても、筋違いですよね。