水無月の想い(1)それなりの週末


ASCO帰りのこの週は時差の関係で深夜の活力が高い。プレナリーセッションの演題が自然と蘇ってくる。広範囲骨転移、他臓器転移のある前立腺がんでは、ホルモン療法だけよりドセタキセルを併用した方が長生きするとか、KRAS野生型の転移性大腸がんでは抗がん剤との併用はアービタックスでもアバスチンでもPFSもOSも変わらないとか、ホルモン感受性閉経前乳がんではLHRHアゴニスト+AIの方がTAMよりよかったとか、HER2陽性乳がんの術後にはラパチニブは無意味だとか、それなりにガイドラインを書き換えるぐらいのインパクトのある演題が発表されたASCOだったので、それなりに腫瘍内科プラクティスも変わって行く、という話を、今日の、聖路加国際大学の、生涯教育部の、がん化学療法認定看護師のコースで話してきた。帰りは、通いなれた「はしご」でダーロウダンダンメンを味わって来たのでそれなりに充実した一日だった。でも、なぜか釈然としない感じで、このブログを書いているのだが、その理由が二つ思い当たる(つづく)。

投稿者: 渡辺 亨

腫瘍内科医の第一人者と言われて久しい。一番いいがん治療を多くの人に届けるにはどうしたらいいのか。郷里浜松を拠点に、ひとり言なのか、ぼやきなのか、読んでますよと言われると肩に力が入るのでああそうですか、程度のごあいさつを。

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