すでにデータは十分だ、厚労省よ、早急に承認せよ!! お願いしますだ、お代官さま


2013年のSt.Gallen Consensus Conferenceで、遺伝子発現解析に基づく治療選択は妥当か、という質問に、世界の専門家の大部分は妥当だ、と答えました。そのとき、私は、スライドに映し出された4つの検査名について、これらのひとつも日本では承認されていません、と発言しました。すると、まわりのパネリストたちは、驚いて、「えっ、本当か?」と言いました。遺伝子発現解析とは、具体的に言えば、「Oncotype DX」、「MammaPrint」、「PAM50」などです。そんなこともあって、2013年の日本乳癌学会でのコンセンサス会議では、遺伝子発現解析を一日も早く、日本でも実施できるようするにはどうすれはいいか、という議題があげられ、すでに日本人でも検討されたデータはあるわけだから、あとは手続きだけだ、行政的手続きを急ぎましょう、というようなコンセンサスが形成されました。一年後の今年、2014年の日本乳癌学会でのコンセンサス会議では、しかし、あまり進展はなく、返って、難しい問題ですね、というような雰囲気に逆戻りしていました。いったいどういうことでしょうか? 先日、Oncotype DX」の会議で聞いた話では、(1)日本人を対象とした予後因子としての検討は既に行なわれ論文にもなっています。(2)医療経済学的検討も日本の状況に即して行なわれており、必要のない抗がん剤治療を行なわない事で、医療経済効率も良好である、つまり、節約効果が十分に証明されているという研究結果が論文にもなっています。(3)また、Oncotype DXの検査結果を知る前と知った後で、医師がどれぐらい、化学療法を行なわないというふうに判断を変えるか、という検討を、実症例をモデルに行なった検討も論文になっています。この三つの研究がすでにおこなわれているのだから、このデータをもとに、厚生労働省は、なぜ、OncotyoeDXを承認しないのか、それが疑問だったわけですが、会議での説明で、その謎も少し解けました。つまり、厚生労働省の担当者によって、言う事がころころ変わり、この三つのデータで十分だといった担当者は突然退職して、きちんと引き継いでいないとか、別の担当者は(3)と同じ研究をもう一度実施しなくてはならない、と言うなど、行政の無責任な対応が決定遅延の原因であろうということが浮かび上がってきました。こんな行政の気まぐれに私たちはいつまで振り回されなくてはいけないのでしょうか。データはもう十分にあるのだから、無用なお作法論でこれ以上、患者に迷惑をかけるのはやめなさい。もうひとつ、この会議で学んだことですが、「先進医療B」として当局(たんとう部署不明)」に認められた場合、アフラックだとか、日本生命だとか、ジブラルタ、などなどの民間保険で月々の掛け金に150円程度を上乗せすれば、40万円のOncotypeDXも民間保険でカバーされるという仕組みがあるということです。そういえば、テレビのコマーシャルでも、先進医療をカバーします、と言っていますね。厚労省の担当者の中には、健康保険で償還の対象となるようにするのが目的であって、先進医療Bの状態は、一時的な、過渡期的な段階ととらえるベキだ、と言っている人だか部署もあるそうです。しかし考えてもご覧なさい。40万円もする検査、これを健康保険で償還できるほど、健康保険支払い基金は裕福なんでしょうか? 国は裕福なんでしょうか? 国民医療費40兆円を超え、今後ますますの高齢化社会で医療費が膨らんで行く事は確実なのに・・・。受益者負担の原則で、個人個人が自分の将来を考え、民間の保険に加入し、それに、先進医療Bとして、OncotypeDXをカバーしてもらえばいいのではないでしょうか? なんでもかんでも、お国に負担してもらう、という時代でもないのです、原発もなくなって電気代の値上げもいやだ、というのなら、その分、国が電気代を肩代わりしなくてはいけないのだから、公助ではなく、自助でまかなうことも考えて行かないといけないと思います。

いずれにしても、すでにデータは十分あるのだから、厚生労働省は急いで遺伝子発現解析を先進医療Bとして承認してくださいませ、お代官様、お願いしますだ。

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投稿者: 渡辺 亨

腫瘍内科医の第一人者と言われて久しい。一番いいがん治療を多くの人に届けるにはどうしたらいいのか。郷里浜松を拠点に、ひとり言なのか、ぼやきなのか、読んでますよと言われると肩に力が入るのでああそうですか、程度のごあいさつを。

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