-ologyとは ○○学ということだけど、-ologyの区分の不可思議さについてマツヌマール・ジェニング君といろいろ話しました。ジェニング君の大学には「イキョク」という組織があるそうです。何事も「イキョク」単位で活動するので、毎朝、「イキョク」の集まりで、心臓外科の手術、乳がんの手術、肺がんの手術についてケーススタディをするそうです。しかし、心臓外科医は、俺がやる手術は世界で一番うまいから患者はつべこべ言わずに俺にまかせておけとインフォームドコンセントというコンセプトがありませんが、確かに昨日まであっぷあっぷしていたおじいちゃんが、心臓の2弁置換術と冠動脈バイパス術を一回の手術でやってもらって今では元気に山登りしてますから、たいしたものです。乳がん外科は、術前薬物療法でがんはすべて消えているだろうから、手術は検査としてやりますとあっさりしています。肺がん外科医は、俺がやる手術はがんの手術では難易度が超高いから、乳がん外科の連中もよく見ておきなさい、しかし手術は難しいけど治る治らないは別問題だからそこんとこよろしくと、責任あるんだかないんだか。とにかくみんなまったく違うことをいいます。こんなヘテロな集まりで朝の忙しい時間を費やすのにどんな意味があるんでしょうか、とジェニング君はかたことの英語で尋ねます。たしかにヘテロだけど、そのヘテロぶりを毎朝体験することが「イキョク」をまとめる接着剤なのか、それとも、そろそろ異なる-ologyのへんな束ね方を解消し、-ology再編成が必要なんじゃあ、ないだろうかと。だから、ジェニング君も国に帰ったら、ひとつ、-ologyの業務仕分けをしたらどうだろうかとアドバイスをしたわけです。