街角がん診療の日々
セカンドオピニオンを聞きに来る患者が受けている治療内容、地域で開催される症例検討会、カンファレンス、地方会、学会などで提示される、がん治療の実態を見るにつけ、今まで私が、国立がんセンターなどで学び、経験して得たものとは、あまりにかなりかけ離れたがん医療の実態にふれ、正解はどこにあるのか、ひょっとしたら、自分が間違っているのか、わからなくなってしまうこともあった。大腸がんが肝臓や肺に転移しても、手術すれば治りますよ、と言って無茶な手術をしたり、乳がん患者に抗がん剤は副作用が強いからやめときましょうと、やたら弱腰の取り組みをしたりする外科医とはなかなか意見が合わす、これではまるで「四面楚歌」ならぬ「四面外科」だと思った。しかし、父が設立に尽力した浜松医療センターのオープンシステムを活用し、乳腺外科、徳永祐二先生らと効率的な病診連携も構築することができた。(以下次号)