がんのひみつ


小学生、中学生にどうやったら「がん」についての正しい情報を提供することができるか、ということが厚生行政の一つのテーマになっています。そのための研究もいろいろと行われていますが、国立がん研究センター研究所の山本精一郎先生たちの取り組みはとても興味深いのです。彼は、幼少の頃から「学研の○○○のひみつ」シリーズを読んで育ったそうです。なるほど、それであんなに探究心の強い行動力のある人間に育ったのだと推察しています。彼が研究として取り組んだのはこのシリーズでがんについて、小学生ぐらいを対象に情報発信できないか、つまり学研と協力して「がんのひみつ」を出版したのでした。これは、非売品で全国の学校図書館などには寄付されていますが、アマゾンドットコムでは買えません。それで山本精一郎先生に頼んで数冊、わがNPO法人がん情報局にも送ってもらいました。読んでみるとがんの疫学や生物学、診断、病理学、そして手術のみにフォーカスを当てた治療学、そして、サバイバーシップまで、とてもよく書かれています。抗がん剤治療はあっさり。それで当院職員や患者さんのお子さんで小学生以下の子どもたちに読んでもらい、感想文を書いてね、と伝えておきました。先日、当院の忘年会で子どもたちも沢山参加し、そのときに、依頼した子どもたち全員が、しっかりと感想文を書いてきたではありませんか!! 「がんはこわい病気だと思っていたけれどきをつければだいじょうぶだということがわかりました。」「がんがどうしてできるかということがわかりやすくかいてありました」「ぼくはおとなになってもぜったいにたばこはすいたくありません」「わたしのおとうさんはたばこをすっていますが、ぜったいにやめてもらいたいです」・・・などなど、ポイントを捉えた素晴らしい感想ばかりです。山本精一郎先生の研究としても、どのようなアウトカムが得られたか、ということは重要なエンドポイントでしょうから、子どもたち、保護者たちの感想文を送ることにします。がんについての対話、交流がとても大事なことですが、がんになってはじめてがんに関心をもち、ところが、不適切な情報に振り回されてうろたえる患者たちを見ていると、予めの基盤として、ある程度の、常識的、がんのひみつ的、ためしてガッテン的知識は、身につけておいた方がよさそうだと思いますね。近藤誠的な話は要りません。

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投稿者: 渡辺 亨

腫瘍内科医の第一人者と言われて久しい。一番いいがん治療を多くの人に届けるにはどうしたらいいのか。郷里浜松を拠点に、ひとり言なのか、ぼやきなのか、読んでますよと言われると肩に力が入るのでああそうですか、程度のごあいさつを。

“がんのひみつ” への 3 件のフィードバック

  1. 亨先生こんにちは。
    がんの教育のセッションはとても面白かったです。
    「がんのひみつ」は子供に図書館で借りてきてもらう予定です。がん教育がもっともっと広まると良いですね。
    そして先日の先生の講演会に参加できずとても残念でした。来年またお願いします。

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