ナイチンゲールは泣いている(1)


  • 日本国際ギデオン協会という団体が医療者向けに無料で配布している新約聖書があります。この最初のページに「ナイチンゲール誓詞」が印刷されています。しかし、ナイチンゲール誓詞を多くの反体制看護師はその最後の条文が気にくわない、といって頭っから否定しています。国立がんセンター病院に赴任した年に新人看護婦の中沢静香さんという活発な女性がいて「ナイチンゲール誓詞は間違っています」と息巻いていたことがきっかけでそれ以来、私はナイチンゲール誓詞を折りを得ても得なくても読んで我が成長とともにその解釈を深めているように思います。時どきの問題意識を持ってナイチンゲール誓詞を読むと、やはりいいことが書いてある、医療者は心にとどめておくべき誓いの言葉だと感じます。
  • 反体制看護師が気にくわない最後の条文とは「われは心より医師を助け、わが手に託されたる人々の幸のために身を捧げん 」というところ。看護師は医師の下働きではない、看護と医療は別物だ、など、いかにもあの手のおばさんたちが言いそうなこと、しかしそれはあまりに了見が狭すぎると思います。看護師は医師を助け、医師は看護師を助ける、それぞれの専門性を尊重しあうことがチーム医療の原点である、と考えれば、ナイチンゲール誓詞の本質が見えてくるでしょう。

投稿者: 渡辺 亨

腫瘍内科医の第一人者と言われて久しい。一番いいがん治療を多くの人に届けるにはどうしたらいいのか。郷里浜松を拠点に、ひとり言なのか、ぼやきなのか、読んでますよと言われると肩に力が入るのでああそうですか、程度のごあいさつを。

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