注:診察に基づき紹介された患者が、別に厚生労働大臣が定める開放利用に係る施 設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関(以下 この表において「開放型病院」という。)に入院中である場合において、当該開 放型病院に赴いて、当該患者に対して療養上必要な指導を共同して行った場合に、患者1人1日につき1回算定する。区分番号A000に掲げる初診料、区分番号A001に掲げる再診料、区分番 号A002に掲げる外来診療料、区分番号C000に掲げる往診料又は区分番号C001に掲げる在宅患者訪問診療料は別に算定できない。通知:(1) 開放型病院共同指導料(Ⅰ)は、開放型病院に自己の診察した患者を入院させた保険医が、開放型病院に赴き、開放型病院の保険医と共同で診療、指導等を行った場合に1人の患者に1日につき1回算定できるものであり、その算定は当該患者を入院させた保険医が属する保険医療機関において行う。(2) 開放型病院共同指導料(Ⅰ)を算定した場合は、区分番号「A000」初診料、区分番号「A001」再診料、区分番号「A002」外来診療料、区分番号「C000」往診料及び区分番号「C001」在宅患者訪問診療料等は算定できない。
(3) 診療所による紹介に基づき開放型病院に入院している患者に対して、当該診療所の保険医が開放型病院に赴き診療、指導等を行った場合において、その患者について、区分番号「B009」診療情報提供料(Ⅰ)が既に算定されている場合であっても、開放型病院共同指導料(Ⅰ)を算定できる。
(4) 開放型病院共同指導料(Ⅰ)を算定する場合、当該患者を入院させた保険医の診療録には、開放型病院において患者の指導等を行った事実を記載し、開放型病院の診療録には当該患者を入院させた保険医の指導等が行われた旨を記載する。
(5) 開放型病院共同指導料(Ⅱ)は、当該患者を入院させた保険医の属する保険医療機関が開放型病院共同指導料(Ⅰ)を算定した場合に、開放型病院において算定する。
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5周年記念独り言 父の背中と友の声
浜松オンコロジーセンター開設5周年をむかえる2010年5月も春らしい穏やかな一日から始まった。街角がん診療の理念の下に、患者の声に耳を傾け、出来ること出来ないことを仕分けて、出来ることに対してBest Effort Principleで臨むという基本姿勢は、スタッフの間にも浸透してきた。地域のがん医療の在り方も、少しづつ変容してきており、重厚長大なメガホスピタルにすべてをゆだねる現行の「がん診療拠点(きょとん)病院ピラミッド構想」は国立がんセンターの崩壊とともに過去の遺物となり、医療と介護が一体化された地域がん診療へと目標が再設定されたように思う。あらたな目標は、街角がん診療の方向性と合致するもので、さらに「がん介護」の在り方を模索する必要が生じてきた。浜松でも、青森でも、そして東京でも、「在宅がん介護」っていうのをどのように、安心、安全、安楽系の社会保障として実現していくか、を具体的な課題として取り組んで行きたい。
地域医療を考える上で県西部浜松医療センターのオープンシステムについて紹介したい。医療センターは、強烈な赤字にあえいでいるがいい病院だ。前身の浜松市医師会中央病院時代から、診療所医師が院外主治医として診療に参加する「オープンシステム」を採用している。これは、父、渡辺登ら、浜松市医師会の当時の若手が、地域医療の新しい形態として、その実現に取り組み、全国的にも注目されていた時期があった。しかし、院内の医師にしてみれば外部の医師が、それもしろうとが診療につべこべと口を出しわずらわしい、という意見があった。また、院外主治医も、忙しい診療の合間に時間を割いて回診しても、患者には感謝されるけど病棟の看護師や医師には、どこのおやじだ、みたいな顔をされるためだんだん足が遠のく。現在ではこのオープンシステムを利用している院外主治医は30名前後らしい。私は医学部学生のころの夏休み、帰省し父の診療を見学したり往診について行ったり、医療センターの回診について行ったことがあった。父は9階まで階段で昇るのが自慢であった。そして入院患者のいる病棟を順番に回るのだが、顔見知りの看護婦が多くいて笑顔で迎えてくれた。その都度、言わなくてもいいのに「これ息子で、今、北大の5年目」と私を紹介した。ずっと歳月が流れて10年前に姉が手術のために入院した時にも、父と一緒に病室に見舞いに行った。その時も父は、右手を挙げてナースステーションの看護師に、じゃ、あとよろしくう、と挨拶をしたが、父を知る看護師はほとんどおらず、だれ、あのひと、という顔をされた。だから、手を挙げるの、やめなよ、と言ったことが何回もあったが父は知らん顔だった。そして今、私が、父と同じように医療センターに入院している患者を回診している。毎日、とにかく金曜日以外は毎日、必ず回診するように心に決めている。一番の理由は顔の見える病診連携を模索しつつ、がん医療-がん介護連携の足がかりも作れないかと可能性を探っているのだ。血液疾患の病棟やら、消化器疾患の病棟やら、乳癌の病棟やら。乳癌病棟に行けば、天野さんとか、マスクをしていても識別できる看護師がいるが、他の病棟では、マスクの似合う看護師は多いが、ひとりひとり識別できないし、書類の在りかを聞いても知らん顔されたりだが、かまわずめげず、じゃ、あとよろしくう、と父のまねをして回診を続ける。この話を静岡の高木正和先生に先日したら、「静岡県立病院でも院外の先生がきているけど、病棟で会うとかならず、『こんにちは、お疲れ様です。お世話になります。』って大きい声で挨拶して、研修医たちにも紹介するようにしてるんだ。そうすると開業の先生も来やすいし、しょっちゅう連絡くれるし、退院後も気持ち良く引き受けてくれるし、若い奴らもちゃんと挨拶できるようになるからね」と、親友のすばらしいことばに胸を打たれる。とかく、形ばかりの病診連携だが、院外医師も、院内医師も、それぞれのミッションを正しく理解し、パッション、ハイテンションで取り組めばうまくやれるのだ。挨拶もろくにできない研修医が増えているが、それは、教える側にも問題がある。父の姿を思い浮かべながら今日も医療センターに行ってきた。