渡辺先生へ:そういえば、先週のアエラに、オプジーボの薬価の記事が出ていたことを思い出しました。原価:45万9778円、+営業利益で標準(16.8%)に6割加算で17万55円=約73万円とか。ご参考まで。もり。
もりくんへ:オプジーボの薬価は、100mgで73万円ですね。体重1kgあたり3mgを2週間に一度点滴となると体重60kgの場合、180mgを月に2回で360mg、ということは、400万円ぐらい、毎月かかることになりますね。新薬の薬価は、薬剤の原価がいくらで治験開発にいくらかかり、それに、売り上げ経常利益率を20%程度乗せ、さらに、新規薬加算として上乗せされ設定されます。ということで、新規加算に「6割もつけた」というあたりが、薬価の日米逆転の原因ですね。厚労省も「日本で開発された世界の薬、ノーベル賞が当たったときに恥ずかしくないように!」みたいないけいけどんどんの乗りで、高薬価がつけたのかも知れませんね。このような「危険な暴走」は、イレッサの時とそっくりです。イレッサの場合、熱病に近いこのような雰囲気で、高い薬価がつき、異例の早期承認という道筋をいたり、承認から発売までの期間も保険外の自費診療で販売して良いといった特例を設け、そのあげく、歯医者さんでも処方できるようになってしまって適応のまったくないがん患者に使用され、死者がでて、間質性肺炎騒ぎとなったのです。オプジーボも、なにか重篤な副作用が出てその対応を誤って死者が出たりすれば、マスコミはここぞっ!とばかり大騒ぎして、悪魔の薬みたいな扱いをしかねませんね。アメリカの薬局から個人輸入することもできますが、その場合、100mgは40万円弱です。オプジーボでは、米国の薬価は高いというのはまるで都市伝説ですね。基本的には、京大が心血を注いで作り上げた抗体を、小野薬品はぱくっと横取りし、開発にはあまりお金をかけず、熱病の余勢で高薬価を設定できた、ということではないでしょうか。オプジーボ100mgの適正薬価は、アメリカの四分の一、10万円でどうでしょうか?