電子渡航認証システム(Electronic System for Travel Authorization: ESTA)をまた忘れた話
米国行きの飛行機に乗るにはASTAで認証を受けないといけない、というのは2009年から始まっていてあたりまえだろ、と言われます。確かに旅行会社を通じて航空券やホテルの予約をやってもらうと今年で更新しないといけません、と言ってくれるのですが、私はホテルも航空券も自分で直接取るので、2年ごとに更新すべきESTAをいつも失念します。今年もANAのカウンターでESTAの記録がありませんと言われ、あるはずです、と言ってはみたものの、ありませんは正しくて2年前に申請したものがちょうど3日前に失効していました。それで、そういえば、2年前もASCOに行く時にカウンターで指摘されてその場で、ネットにつないで汗だくでESTA認証を受けたことを思い出したのです。それで、今回も全く同じ、まるでデジャブ現象のように、おーんなじように、「ここでパソコンで手続きしていいですか?」とANAのお姉さんに聞いて、いいですよと言われつつも迷惑そうな顔をされながらESTA認証を受けたのでした。2年後だから忘れないようにしないといけません。
ASCOの内容を、とりあえず簡単に:
やはり高い薬剤という話題は多いですが、その話はその通りですが、「値ごろ感」を逸脱して常識外れの薬価がついているものが多いですね。ipilibumab daratumumab.. 以前から言っているように、大間のマグロには5000円払ってもBigMacが5000円と言ったら誰も買いませんね。そのような消費者側の「値ごろ感」が機能しない領域ということです。今年は、しかし、しばらく開発品がなく停滞してた企業もnivolumabやipilibumabで大もうけして、10人、20人といった社員を大軍でASCO観光に送り込んできて、夜の街でも大活躍ですね、よかったよかった異型度くん。また、一時北朝鮮のデパートみたいになっていた企業展示ブースも、かつての分厚いじゅうたん、天上に届くほどの華麗なセットといったなんとゴージャス「元の木阿弥」現象が見られます。喉元過ぎれば熱さわすれる、ということで、効果は長続きせずだれのどんなお仕置きもOSに貢献してませんね。
レトロゾールはやはり10年、15年の使用が、反対側乳がん予防という意味でも今後、スタンダードになりそうです。半年に一回注射薬で骨粗鬆症は予防できるし、関節痛もオメガ3不飽和脂肪酸製剤である程度防げるようだし、15年内服、でも効いていれば積極的に使えばよろしいのですが、効いていることを、どうやって確認するのかね? それが問題です。
TC6サイクルは、タキサン4サイクル-AC4サイクルに劣ってしまいました。これは6サイクルと8サイクルの治療期間の比較だからでしょうか? TC8サイクルという議論は公にはなっていませんね。NSASBC02では、Docetaxel 8サイクルを検討しました。これだと、AC4-Docetaxel 4と同等の効果が認められましたが・・・。浮腫もかなり強く出ました。
カペシタビンを術後治療でドセタキセル、ACに加えてみてはどうだろうか、というFINXX(ふぃんぺけぺけ)試験では、カペシタビンの追加効果乏しいと言うのが一応の結論。しかし、カペシタビン内服の完遂率が75%と低いとか、トリネガでは効果ありそう、というあたりは、今後の活用につながるポイントだろうと思いました。とりあえず、そんなところです。あと、緩和医療のランダム化比較試験とか、スピリチュアリティが満たされているかを客観的に測定するといった、ものすごく興味深い話も、緩和医療のセッションで聞くことが出来ました。
次号「舛添先生と呼ばれたい」の巻