ただしいちしきはあんしんのともしび
昨今のマスコミ報道を見ていると、有名人が乳がんになり間違った情報、間違った知識、間違った理解に基づいて、とんでもない、いかがわしい、あきれた治療(治療とは言えないような民間施術)をうけ、あげくのはてに同じ病気の多数の人たちを不安と混乱にに陥れている、という現象が見受けられます。有名人の状況についてTwitterやFacebookなどのSNSで不用意に発言すると血祭りにあげられたりブログが炎上したりと、ろくなことがありません。私は頑なに「有名人の病状公開は単なる売名行為でありいちいちコメントするに値しない」という立場を貫いています。
それにしても抗がん剤治療にしても術前薬物療法にしてもホルモン療法、分子標的療法にしても手術や放射線の意義にしても、「有名人の病状公開」の内容はどうかと思うような内容が大変多いです。しかし、これを真に受けて、同じ病気であってもまったく関係の無いような症状であっても多くの人々がかえって不安に陥っている現状は本当にかわいそうに思います。全ての患者が正しい知識を持てとは言いませんが、もし、正しい知識を提供できる医師に巡り会えれば、それは、不安に迷える人々にとっては安心に導く灯(ともしび)でありましょう。難しいことはわかりません、という人も多いと思いますから、そんな場合は少なくとも「有名人の売名行為」の報道などの間違った知識や情報に振り回されないよう、冷静に安心の灯を探してほしいと思っています。