浜松オンコロジーフォーラムのご案内


4月21日に開催する第22回浜松オンコロジーフォーラム 今回は、私と 國頭英夫先生が演者です。ともに「やや社会派的」ネタ、今日(こんにち)のがん医療の問題点の指摘、改善策の提言になっています。参加希望の方は添付の案内状のように、お申し込みください。主催はニュートラルなNPO法人ですので、どんなお立場の方でも講演の部、懇親の部にご参加頂き、社会派的問題について、いろいろと意見交換をしようではあーりませんか。

講演内容

高機能がん診療所のすすめ
2001年に提唱されたがん診療拠点病院は今や401病院が指定されている。その理念は質の高いがん医療、特に薬物療法の普及であった。しかし未だに多くの患者に不便を強いる状況は改善していない。一方、分子標的薬剤数の爆発的増加、副作用対策の進歩により内服治療や外来化学療法といった入院不要のがん治療が標準となった現在、チーム医療を分断する院外調剤薬局のあり方に様々な問題が露呈している。この間、がん薬物療法の担い手である腫瘍内科医の育成が進み、40歳台を迎える医師が自らの将来を模索する時期に来ている。同時にがん診療に強い関心を持つ薬剤師も増えている。私は2005年「街角がん診療」を目指し50歳で診療所を継承、外来薬物療法、がん患者の包括的内科診療、介護との連携を基盤とした終末期医療を実践し手応えを感じている。その経験からがん診療拠点病院では限界に達しているがん診療の今後のあり方として、がん患者を対象とした全人的医療を提供する高機能がん診療所を提案したい。

沈みゆく船の上で想うこと
医療費は爆発的に増加し、国家財政そのものが危機に瀕している。原因は医療の高度化(=医学の進歩)と人口の高齢化であり、誰のせいでもなく、誰にも止められない。「急性期病院」は当該疾患もしくは病態の治療に専念し、「さしあたりやることがなくなった」ら慢性施設へ転院させる。慢性施設は、「急変」したら急性期病院に戻す。我々はみな、「人間はみな、死ぬのだ」という事実を忘れているかのようだ。癌治療も例外ではない。そこにあるエンドポイントは、overall survivalのみである。その過程でかかる莫大な費用は、すべて次の世代に先送りされる。医療者はコストのことなんか、全く考えない。「人命は地球より重い」からである。政治家は、ひたすら逃げる。票を失うのが怖いからである。医学生は、このようなことに関心がない。「試験に出ない」からである。日本経済は金が底をつき、日本医療は志を見失い、滅亡は近い。希望はあるのか。一つだけ残っている。

第22回_HOF案内状_180310

投稿者: 渡辺 亨

腫瘍内科医の第一人者と言われて久しい。一番いいがん治療を多くの人に届けるにはどうしたらいいのか。郷里浜松を拠点に、ひとり言なのか、ぼやきなのか、読んでますよと言われると肩に力が入るのでああそうですか、程度のごあいさつを。

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