オンコロジストの生い立ち (10)


病棟医長のみやもと先生は、新しい入院患者が決まると、病棟の黒板に、患者氏名、年令、診断、オーベン名、ネーベン名(注:研修医のことをネーベンといいます。オーベンが「上」でネーベンが「下」とか「近く」とか「副」を表すドイツ語から来ているらしい)を書き込みます。「肺がんに興味のある渡辺くん」は、かならず「肺腺がん」とか「小細胞がん」の患者さんが当てられます。肺がんの患者が当てられることに何の違和感もありませんでしたが、あとで考えると、みやもと先生は、第一内科の「肺がんグループ」に私を引きずり込もうとしていたに違いありません。でも、肺がんの患者さんを私に担当させてくれたこと、そして、会う度に、「渡辺くん、よく診ているね、しっかりやってるね、遅くまでたいへんだね」と褒めて、おだててくれましたから、それはそれはとても嬉しかったのです。

投稿者: 渡辺 亨

腫瘍内科医の第一人者と言われて久しい。一番いいがん治療を多くの人に届けるにはどうしたらいいのか。郷里浜松を拠点に、ひとり言なのか、ぼやきなのか、読んでますよと言われると肩に力が入るのでああそうですか、程度のごあいさつを。

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