肺腺がんの患者さんで60過ぎのやせた男性、腹痛もあって、食欲もない、回診の度に、みぞおち(心窩部)の辺りを抑えて、ここに痛みがある、背中もいたい、と訴えました。オーベンのつねた先生と相談して、胃のバリウム検査、膵臓にも膵がんとか、膵炎とかあるかもしれないから、血液検査でアミラーゼを調べる、などの計画を立てました。胃の検査は問題ありませんでしたが、アミラーゼがべらぼうに高い、という結果でした。当時は腫瘍マーカーもほとんど普及しておらず、CTはどこでもいつでもできる、という状況ではありませんでした。