第4条  治療の理屈を理解しておこう


治療の理屈を「薬剤の作用機序」と言います。外科医の説明のように「わるいところをとってしまいましょう」というような猿でもわかる理屈とは違って薬剤の作用機序、つまり、どのような仕組みで治療が効くのかを自分でも理解しておく必要があります。

たとえば、ホルモン受容体陽性の乳がんの場合、女性ホルモンを「餌」としてふえるので血液中の女性ホルモンを減らすような治療(アロマターゼ阻害剤とか、閉経前ではリュープリン注射)やタモキシフェンの様に女性ホルモンががん細胞に取り込まれるのを妨げる治療を使います、とか、トリプルネガティブ乳がんの場合、細胞毒性抗がん剤がよく効くので、点滴と点滴の間隔を縮めてしっかり治療しましょう、とか、HER2タンパク陽性なら、がん細胞表面のHER2タンパクに手錠をかけてがん細胞の息の根を止める治療です、とか、自分が受ける治療の仕組みを知っておくのがいいいでしょう。

投稿者: 渡辺 亨

腫瘍内科医の第一人者と言われて久しい。一番いいがん治療を多くの人に届けるにはどうしたらいいのか。郷里浜松を拠点に、ひとり言なのか、ぼやきなのか、読んでますよと言われると肩に力が入るのでああそうですか、程度のごあいさつを。

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