大鵬に聞く
アブラキサンは「より安全なパクリタキセルである」ことは間違いありません。自分の姉をはじめとしてパクリタキセルのアナフィラキシー反応で厳しい局面を繰り返した経験からアブラキサンの登場は朗報でした。また、癌種に関係なくパクリタキセルもアブラキサンも週1回投与の方が3週1回投与法よりも薬剤特性を正しく引き出せる方法であることは肺がん、乳がん、卵巣がんなどで検証されています。乳がんでは「Dose Dense Chemotheray」の有用性がmeta-analysisでも検証されています(The Lancet 2019;393:1440-52)。ですから、アブラキサンの添付文書にB法として記載してある週1回の投与方法 (:通常、成人にはパクリタキセルとして、 1 日 1 回100mg/m2(体表面積)を30分かけて点滴静注し、 少な 2くとも 6 日間休薬する。週 1 回投与を 3 週間連続し、これを 1 コースとして、投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。)は、何も非小細胞肺がんに限定して推奨する投与方法ではないはずです。今般、乳がんを対象にテセントリクとの併用において使用されるアブラキサンはこのB法ですから、乳がんでアブラキサンを使用する場合には週1回の投与方法が既に海外では標準とされているわけです。疾患毎に認められる投与方法が異なる、ということが果たして正しいことでしょうか? また、週1回投与方法が優れているパクリタキセルを、より安全な剤形であるアブラキサンとして投与することを禁じて、パクリタキセル裸剤形で投与させる、あるいは、効果が減弱する3週1回投与方法をアブラキサンで強制することは果たしてサイエンスとしてレギュラトリーとして倫理として正しいことでしょうか。大鵬の高木さん、教えて下さい。