新型コロナウイルス感染症の緊急事態が解除されたけど東京、小樽ではノー天気な人たちの遊興により感染者が再び増加しています。静岡県ではとりあえず、そんなノー天気な人はいないようなので、まずまず、日常業務が再開されています。製薬企業のMRくんたちも医療機関訪問が解禁となり以前のように必要よりも不要な情報、good news よりもbad newsを届ける仕事を再開したようです。
そこで今日、良いニュースが一つ、ひどいニュースが一つ、舞い込んできました。
ニュース その一 よいニュース
ハーセプチンが初の分子標的モノクローナル抗体として日本に登場したのが2001年6月のことでした。当時、私は国立機関に勤務しておりましたのでハーセプチンが効果的かつ安全に使用できるようにという開発企業の相談に乗る立場にあり、良い薬を正しく使うための方策として、「使用はHER2陽性症例に限定しなくてはいけないからHER2陽性の検査日をその都度、記載することを義務付けましょう」と品川さんに提案し、それが受け入れられ医師が処方する際に検査日をその都度、診療報酬明細書に記載するという、面倒くさい取り決め事が現在まで守られてきました。自分で提案しておきながら、誰だこんな面倒くさいことを決めたのは!!と日々の診療の度に天に向かってつばを吐いておりました。それが、平成30年3月26日付けの通達で「処方の都度、記載する必要はなく「検査を実施した月と、初回投与の月だけ、検査実施日を診療報酬明細書の適応欄に記載するだけでよい」という通達があったというニュースを、かなり時間が経って気付いたと、MRくんが運んできました。それはそれで、日々の診療で分子標的薬剤を処方する際、いちいち「検査年月日」を確認し、ときにだいぶさかのぼって調べなくてはならないという煩雑さは解消されました。しかし、今やがん治療では、分子標的薬剤が主流のご時世で、遺伝子変異とか、蛋白過剰発現とか、を調べないで薬を使うアホはいないのだから、今回、改訂後の「検査を実施した月と初回投与の月」というのも時代遅れの香がぷんぷんと、霞ヶ関から流れてきますね。