やらせ・ガス抜き・形だけ


タウンミーティングでのやらせ質問が問題となっていますが「えっ、なんで? そんなの、前からじゃん」という、逆に、何で今さら問題にするの、という感じです。というのは私も元は公務員、その時代から、今もすこし続いていますが、いろいろな委員会の委員をやってきました。行政が企画する会議、委員会など、これ、ほとんど、やらせといえばやらせが含まれます。委員長にしても、委員にしても、事務局が用意したせりふを読まされるような部分が必ずありますし、事務局案にだまってうなづくというような局面があります。ただ、難しいのは、どこまでが、事前準備のアジェンダ(予定議事)に含まれ、どこからが、やってはいけないやらせなのか、この区分です。しかし、細かい区分を定義するよりも、会議の存在そのものが、ただ、「会議を開きましたよ」というアリバイであったり、「わいわいうるさいことを言っているやつらがいるから、一度、委員会をやって、討議して、いくつか主立った事だけを決定しておけば、やりましたよ、ということで、責任ははたせるだろう」というガス抜きだったり、手続きは踏みましたよ、という形だけだったりと、本質を見失った対応を皆が求めるようになったような気がします。事の本質はなにか? ということを考えないといけないと思うのですが、なかなか、そのような意識を持った人に巡り会えなくなったような気がします。外形基準だけで判断することが習慣となって、中身、本質を見抜くようにしないと、夕張の「剥製動物園」みたいに、バカまるだしの判断をしてしまうでしょう。我々の(多額の)税金がはこものがんセンターなどに無駄遣いされている現状など、納税者としては、行政の「やらせ・はこもの・アリバイ体質」をきちんと監視しなくてはなりません。
 
 
 
 

小笠原選手の失敗


日本ハムがとくに好きというわけではありませんが、多少なりとも北海道に縁があった身としては、小笠原選手の動向に注目していました。彼が巨人軍に移籍してひげをそった脱皮直後の蝉のような情けない姿を見たとき、彼の判断は失敗だったと感じました。巨人軍は過去の名声と財力と地の利にものを言わせて優秀選手を集めまくっても魅力、戦力はがた落ちの現状です。それでも小笠原選手らが移籍するのは、(1)彼らがすごした少年時代の憧れの中に刷り込まれた巨人軍ブランド、(2)高額年俸やマスコミ露出度、(3)引退後の球界での安定した立場などがあるようです。確かに北海道は雄大な大地とは言え、所詮、辺境の地です。あれもない、これもみすぼらしい、景気は悪い、一年の大半は寒い、いつも中央に目を向けている、など、東京から出向いて、しかも、今回の優勝で全国区に名が売れてしまって付加価値が高くなった小笠原選手からみれば、渡りに船なのだと思います。その挙句に、ひげをそってお公家さんのようになった彼の姿をみると、ただでさえ嫌いだった巨人軍がますます嫌いになってしまいますし、小笠原選手の人生におけるFA権行使の結末は決して幸せなものではないように思います。広島カープなども、流出していく選手が多い中、FA権を行使して残留した選手がいます、広島の選手なので、赤いばっかりで名前はぜんぜん知りませんけど、すばらしい決断だと思います。また、駒大苫小牧の田中投手も楽天でもごねないで生き生き入団、いずれはMLBに行くのでしょうが、江川みたいに巨人軍の名門ブランドにこだわるのではなく、自分の力で無印球団を一流ブランドに仕立て上げよう、という気概が感じられて、共感するところがあります。ちなみに私は中学1年の頃からのスワローズファンです。当時は、産経アトムズといっていました。新幹線に乗って浜松から神宮球場まで応援に行きましたが、阪神タイガースに毎回得点を許したり、16連敗で別所監督が解任されたり、毎年最下位の弱い、弱い球団でした。しかし、いろいろありましたが、スワローズから若松監督、大矢監督などが育ち、古田監督が活躍したり、味とゆとりのある球団に発展してきたと思います。小笠原選手も北海道にいれば、道民に愛されたでしょうに。寄らば大樹の陰ではなく、自らが大きないちいの木にそだち、新機軸を打ち出すことが大切です。