腋窩郭清はなし、断端は露出してなければよし、ということで


マイクロメタがあっても郭清しないというエビデンスも紹介され、ACOSOG Z0011の結果も益々支持者が増えています。また、浸潤がんの場合、断端もpositiveはダメだがcloseならよい、つまりtouch on inkでなければよい、という方向がコンセンサスになりそうです。

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St.Gallen 初日バイオロジーの話


昨日から一転、今日は雨のち雪のわびしいSt.Gallen からこんにちは。 今日のセッションで、チャックペロウの発表がありました。彼はイントリンシックサブタイプ研究をとことんリードしておりPAM50開発者です。免染は、ラボ間での評価に差があるので、究極は、遺伝子診断に移行するのが望ましいが、とりあえず、免染をサロゲートとして使用する必要があるので、現在のLuminal Aの定義に、PgR20%以上を加えることを提唱しました。新たに手間をかける必要もなくルーチンにどこでもやっていることなのでPgR20%を以上をLuminal A Bの区別に使用するのには賛成です。203.full

ザンクトガレン マイナス1日 マイナス3℃


フランクフルト空港について、チューリッヒ(ズーリック)への乗り継ぎをのんびりラウンジで待っていたところ、案内ディスプレーに黄色い字で軒並み、キャンセル、キャンセルと。 天候が天候だけに便を変更しても乗れるか、飛ぶか、行けるかどうか、わからないので、鉄道で行った方がいいよ、ルフトハンザのカウンターのお姉さんが、好意的な助言をしてくれて、鉄道 Deuch Bahnの時刻表までプリントアウトしてくれました。個人の卓越なのか、民族の卓越なのか、アメリカでは経験できない建設的な窓口対応でした。空港に直結する駅のホームでこごえそうなカモメ見つめ泣いていました、あ~あ~ああ~という感じで、かもめはいないけど、内陸だから。バーゼル経由でズーリックにはいり、ザンクトまで移動。こちらはぽかぽか陽気です。部屋にはいるとすべての学会グッズとチョコレート、クッキーなどがウェルカム。資料を見ると、次回、2015年はザンクトガレンカンファレンスと言いながら、場所はオーストリアのウィーンで開催、その次の2017年は開催場所未定となっています。ザンクトガレンもしばらく来られないかな、ということです。今日は初日で午後からのスタート、その前に、企業スポンサーのセミナーがあるけど、野口眞三郎先生が話す、と言うことなので、応援に行こうか、と思います。

朝日連載 「やっぱりふつうの食事がいちばんです」


信じ込んだら何を言っても行動パターンを変えない人、若くても高齢でも、結構いますね。若い頃から毎晩ビールは大瓶2本飲んでいる、それが習慣だからそれを変える必要はない、と私の父も年老いてから、そう言っていました。周囲も習慣だから、と許容するし、本人もそれで当然と思う。しかし、加齢によるアルコール代謝力の低下とか、脳細胞の老化でアルコール感受性が高くなるとか、そういった変化には気づかないものなのでしょうか。 晩年には、ウイスキーにビールを水割りのように加えてべろべろになっていました。息子として、医師として、心を鬼にしてやめさせましたが、明日は我が身かも知れませんね。 さて、今日は、朝日新聞の連載記事に対して大豆は絶対にダメなのに、どうしてよい、と言うのだ!! 間違ったことを書くナー!! という投書をもらいました。返事をよこせーと、返信用封筒まで入っていましたが、個別のお尋ねには答えませんよ、と書いて返信しました。豆腐、納豆、すべて害悪!! と、信じ込んでいるような人もいて、大豆食品は口にしないとう生活パターンは絶対に変えない、それで、自分は乳がんにもならず、元気でいるのだ!!という人もいるのですが、そんなにすることはないよ、というコラム記事を今週は書きました。

タイトル やっぱりふつうの食事がいちばんです としましたが、編集者が手直しすることが多い。今週は投稿してすぐにスイスに来たので変更は確認できまっしぇん。

がん患者は○○を食べてはだめ、▽▽はがんにいい、といった話がマスコミなどでまことしやかに語られています。絶食や断食などの間違った食事で低栄養状態に陥ったがん患者が餓死したという痛ましい話もありました。栄養や食事療法、温泉などの物理療法をまとめて補完代替医療と呼び、本当に効果があるかについて、科学的に証明しようという取り組みも行われています。
大豆に含まれるイソフラボンは、その化学構造が女性ホルモンに似ており、大変弱いのですが女性ホルモンのような働きを持つことが知られています。乳がんの発生や増殖は女性ホルモンによって促進されることから、大豆製品は乳がん患者によくないのではないか、と言う意見が古くからありました。一方で、日本、韓国、中国では、乳がんの発生率が欧米に比べて低いことが知られています。しかし、ハワイや米国本土に住む東洋人の二世、三世の女性の乳がん発生率は欧米人と同じであることから、食事、とくに東洋人が多く摂取する大豆食品は、乳がんには予防的に働いているのではないか、という説もあります。豆腐を多く食べる沖縄県、納豆を多く食べる茨城県では他県に比べ、乳がんが少ない、という日本の研究結果もこの説を支持しています。乳がん患者から、大豆は避けた方がいいのか、それとも積極的に食べるほうがいいのか、と尋ねられることがよくありますが、私の答えはこうです。「大豆イソフラボンを大量に濃縮したサプリメントは、女性ホルモンのような働きで、ひょっとしたら乳がんの増殖が刺激されるかもしれませんからやめておきましょう。しかし、毎日食べても納豆、味噌汁、豆腐、おから、煮豆などの大豆食品に含まれるイソフラボンの量は少ないもので、ひょっとしたら乳がんの増殖が抑制されるかもしれません。沖縄や茨城で乳がんが少ないのはこのよいほうのひょっとしたら、に該当するのではないでしょうか。ですから、おいしいねと、毎日の糧を神様に感謝しながら、普通の食事を楽しむのが一番よいと思います。

腫瘍内科医からみた手術の意義


約30年前、私が腫瘍内科医になった頃、大腸がん、卵巣がんでは抗がん剤ははなはだ非力で手術が王道でした。しかし、抗がん剤などの薬物療法の進歩は著しいものがありますゆえ、現在、手術対薬物療法のバランスオブパワーはどうなっているでしょうか。

現在でも初発の大腸がんでは依然として手術の役割は大きいです。また、肝臓に転移した場合でも切除で寿命が延びる、治癒できることが証明されています。大腸がん肺転移も世界中で得られてきた長年の経験から数個以下の転移なら切除が当たり前とされて、ガイドラインにもそう書いてあります。ところが、切除の意義、つまり寿命が延びるのか、病気を治癒させることができるのかということを、きちんとした科学的な方法で検討されたことは一度もないのです。技術的に切除できるので、大腸がん肺転移を繰り返し、何回も切除するという話はよく聞きますが、ひょっとしたら手術してもしなくても寿命は変わらないかも知れません。他臓器に広く転移した大腸がんでは、複数の抗がん剤、分子標的薬剤を組み合わせることで、寿命が2-3倍に伸びるようになったのですから、肺転移を繰り返し切除することの意義はますます薄れているのではないでしょうか。
卵巣がんに対し現在、パクリタキセル、カルボプラチンなどの抗がん剤が著明な効果を発揮するようになりました。しかし、今でもお腹の中全体に広がった卵巣がんに対して、できる限り多くがん組織を取り除く「腫瘍減量手術」が行われます。その理由は、卵巣がんは抗がん剤がよく効くので最初の手術でできるだけ多く腫瘍を切除しておいた方が化学療法の効果も良好で、患者さんの平均生存期間が長い、ということになっています。しかし、これも手術する、しないを比較したデータはないのですが、長年の経験から手術が必要と言うことになっているのです。大腸がんも卵巣がんも、薬物療法がここまで伸びてきた現在、これらの手術が本当に必要なのか、腫瘍内科医としてははなはだ疑問を感じております。