コロナ時代の初体験


先日、毎年担当している浜松医大病理学の講義をしました。COVID-19感染蔓延の最中ですので、ZOOMを使用した遠隔講義、新しい時代の新しい取り組みという感じで、学ぶ事も多かったです。昨年まで、大学の講堂に行って講義をしたときは、学生諸君は、講義を始めてもざわざわ、がたがた、途中で入ってきたり、出て行ったり、はじめから終わりまで机に突っ伏して居眠りしていたり、最後列で、数人でおしゃべりしたり・・・、このブログでも何回か、愚痴ったことがありましたっけ。先輩にその話をしたところ、「そんなもんだ、埼○医大の学生講義に行ったときなんて、まるで駅の待合室で話すようで誰一人、こっちの話なんて聞いてないんだから、やんなっちゃうよ」という話も聞きました。一方、講義終了後、2-3名の学生が演壇のところに質問に来ることがあり、鋭い質問だったり、細かくメモをとってあって、「ここのところ聞き逃したのですが・・」と尋ねる学生もいて、「おっ、すごいね」と手応えを感じることもありました。

遠隔講義だと、そのいずれも経験することがありません。今回のZOOMでは100名近くの参加者があることは、画面の「参加者数のカウント」でわかりました。参加者は10×10個ぐらいの区画に、囚人番号のように番号で表示されておりましたが、設定すれば、各自の顔写真も表示できるはずです。せめて顔写真でも表示されていれば、学生の存在を意識した講義ができるのですが、がら空きの講義室で中空に向かって話しをしているような空虚さを感じました。もうすこし、工夫ができるのではないか、と思います。また、教務担当者から、「時間が来たら始めて下さい」「終了したら終わって下さい」との指示が予めあり、開始、終了を案内(宣言)したり、演者を軽く紹介したり、質問の有無を学生に尋ねたりするような進行役(教室の若い先生など)も無くて、夜行列車が駅に静かに到着し静かに発車するような感じでおごそかといえばおごそか・・でした。教室の秘書さんに、上記の感想をお伝えしたところ、学務課にも伝えてくれて、学務課からは、学務課らしいお返事がきました。

以下、許可なく転載致します。

・学生のカメラのONについて 時々同様のご意見をいただきますが、全体に向けてカメラの常時ONを強制しますと、 精神的負担に感じる学生もいるようです。 (Zoomの導入当時、カメラは常時ONでなくてはならないのかという学生からの問合せが学務課に多く寄せられました。) 現時点では、学生の様子を見ながら講義されたい場合には、先生からカメラのONを呼び掛けていただいて、 学生には、先生からの指示があれば従ってくださいと伝えております。 ただし、学生が使用しているPC等の端末によっては、カメラ機能を持たないものもあり、 呼びかけに対応できない場合もございます。

(はい、よくわかりました、学生様のご希望通りに致しますデス、はい しかし、それだとネットでつなげておいて遊びに行ってもわかりませんね 大人として扱う、という方針ですかね)

・開始・終了の案内について 講義開始までのミーティングのセット(資料共有、音声等の確認)は学務課職員が行っておりますが、 同時進行で複数の科目が動いておりますので、 セットができたものから「時間になりましたら始めてください」とお願いしています。 開始時刻ちょうどに学務課からご案内をする等は、他の講義のセット状況の兼ね合いもあり、申し訳ありませんが難しいです。

(はい、よくわかりました。ご多忙のところ、恐縮デス、はい)

 非常勤講師をお招きいただいている場合は、リモートで構いませんので講座から冒頭に講師紹介をいただくなど、 始め・終わりのエスコートをいただけますと幸いです。

(そうだったらいいですね、でも、教室の先生方もお忙しいので・・・・・。私も忙しい中、時間をとっているので、よくわかりますデス、はい)


学務課としましても、医学教育推進センターとも協力しながら、よりよいWeb授業の展開に努めてまいります。引き続きのご協力を賜れますと大変幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。

(こちらこそ、よろしくお願い致します。学生諸君が、私たちのこのような尽力をどれぐらい、認識しているか、わかりませんが、「子を持って知る親の恩」といったところでしょうか。学務課の皆さん、教室の皆さんの懐の深さに感銘をうけております。