大凶の一日


温泉セミナーの話題が突然消えたことに着目して「どこかから圧力がかかったのですか?」という質問も来ましたが、それはそれとして今日は試練の一日でした。通常の金曜日は朝から東京の杏雲堂病院勤務なのですが今日は朝一からC社との打ち合わせののちPMDAの対面助言に参加、女性担当者の「お宅の薬は別に世の中にでなくたっていいんですよ。すでにHがあるんですからお宅の薬はなくったって患者はこまらない」という乱暴な助言にこいつはあほかとあきれつつ怒りつつ。終了後時間もあったので、かつて歩きなれた虎ノ門から霞が関まで官庁街を歩きました。省庁から湧いて出てくる大役人、小役人はうだつの上がらないネクタイ姿。自民党時代なら国民を見下していたのかな、というような40代的課長補佐的お兄さんも民主党になって干されているのだろうか、どことなく活気がない。そんな暗黒の街で唯一の感動は盲導犬に導かれた小柄なおじいさんとのつかの間の出会いでした。厚労省前の歩道、盲導犬のラブラドールレトリーバーくん、なんか歯切れの悪い顔で私のほうを見ていました。おじいさんももてあましているようでしたので、「何か、お手伝いしましょうか?」と尋ねるとおじいさんが「ここらへんに植え込みはありますかな」と。愛犬家の私にはすぐに状況がわかりました。おじいさんの手を引いて、こっちですよ、と教えてあげると犬も来て、植え込みにたっぷりとおしっこをしました。すっきりとしたラブラドールくん、おじいさんを軽快に導いて、地下鉄の駅に降りて行き、新宿方面の丸ノ内線にのって行きました。ロビンも盲導犬になれるかと考えてみましたがやはり豆柴は不適格のようです。それで杏雲堂病院で外来と病棟回診とセカンドオピニオン。終了後今日は聖隷浜松病院でSPIKESの講義を頼まれていたので大急ぎで東京駅へ。するとなにやら様子が変です、改札は黒やまの人だかり。マカロンを買ってからホームに上がると5時なのに2時3分のひかりがまだ止まっています。そうです、架線事故で新幹線運転見合わせ中。復旧のめどがたたないそうで聖隷の講義はキャンセル。満員の新幹線、8時に浜松にもどり、明日の岩手講演のスライドを準備して、今日のいやな出来事を一気に書いちゃおっということで読み返しもしないで記事の投稿をクリック。また、どこかから電話がかかってきて「あれはまずいぞ、すぐに消してくれ」といわれるかもしれないけど、それはそれとして明日の温泉を楽しみに、今日はこんなところでアンニョンヒケセヨ!

JALはなぜ倒産したのか


JALは経営効率とか経費節減とかそんな感覚が全くなくてもOKという時代に出来上がった会社であるので体質的にめちゃめちゃ無駄も多いようだ。一例をあげると航空機はB747 ,737、エアバス300など、11種類を飛ばしているので、訓練用のシュミレーターも11種類必要だし札幌―東京で747を運転したパイロットが午後の東京ー福岡便はエアバスを運転するというわけにはいかない。747だけ、エアバス300だけ、とパイロットもたくさん抱えておかなくてはならない。JALは国のお金で長らく運用されていたのでボーイング社だけから機体を購入すると癒着だ何だとさわがれるのでまんべんなくいろいろな機種を取りそろえるという感覚だったのだ。それが世の中の考え方がだんだん変わり、サーズだテロだと航空機利用者が減少し、さらに一昨年からの世界的不況でJALはついに倒産までおいこまれたのだ。JALのストーリーを見ていると国立がんセンターの古き良き時代を過ごした私としてはそっくりじゃん、という感じがする。
国立がんセンターは経営効率とか経費節減とかそんな感覚が全くなくてもOKという時代に出来上がったナショナルセンターであるので体質的にめちゃめちゃ無駄も多いようだ。一例をあげるとエコーなどの診断機器は、は東芝 ,日立、シーメンスなど複数の機種が使用されている。そのため、メンテなど複数契約が必要で、使い勝手もちょっとづつ異なり、結局使われなくなった機械が廊下の端にほったらかされている。国立がんセンターは国のお金で長らく運用されているので1社だけから機器をを購入すると癒着だ何だとさわがれるのでまんべんなくいろいろな機種を取りそろえるという感覚だったのだ。研究費も「来週までに三億円の研究費の使い道を考えてこい」みたいな話があったり、研究費でコンピューターが無限に買えたり使い道に困って無駄なソフトをたくさん購入したりとそんな時代もあった、と聞いている(おっと(-_-;)。それが世の中の考え方がだんだん変わり、ナショナルセンターといえども、経営効率を考えろという話になり医療収益をあげろ、無駄な出費は削減せよ、という話になってきた。とは言っても、所詮、おままごとで、親方日の丸なので、経費削減ごっこをしていればよかった。4月から独立法人になって「がん研究センター」と名前が変わる。しかし最近のごたごたで病院には優秀な人材があまり残っていないようだ。組織は人なり、というが、がん研究センターがJALになるかならないか、飛ばしながら再建できるものなのか、今後の展開に大いに注目したい。
 
 

新年から始めた事


昨年9月、施設内情報共有システムとしてsmall buisiness server, SharePointを導入した。年末になってようやくいろいろな不具合がどうにか解消され、自前のメールサーバー、hhttpサーバーなどが稼働しはじめた。これでNPO法人がん情報局の情報発信機能もさらに向上することだろう。さて昨年の反省「勉強がたりない! いっかーん」に基づき新年からジャーナル倶楽部とイチモク会を始めた。ジャーナル倶楽部は中身の濃い抄読会をめざす。今までありとあらゆる抄読会を経験してきた。一番印象深かったのは、米国留学中に参加した、EGFの発見者であるスタンレーコーエン博士(ヴァンダービルト大学、1987年ノーベル賞受賞)のラボで開催していたジャーナルクラブである。スタンレーコーエンが解説する論文の徹底的読みこなしで、論文ってのはこうやって読むんだ、目からうろこどころではない、深い読み方を学び、その後10年、EBMの学びにつながったのだ。形だけさらさらと読んだことにする抄読会もあれば、負担が大きすぎて長続きしないものもあった。そこで時間、進捗にとらわれず、徹底的な理解を目指した抄読会というのをやりたいとおもった。今回の論文に関連して読んだ「小さなちいさなクローディン発見物語(月田承一郎著、羊土社)」は感動のサイエンスドキュメンタリーである。今年の推薦図書一号です。それと「イチモク会」は、第一木曜日に行うマンモグラフィ読影会。この業界では誰もが一目置く吉田雅行先生をお迎えしてのマンモグラフィ徹底的勉強会だ。単なる影絵を解釈するような、そんじょそこらのありきたりの読影会とはわけが違うんでい。読影の専門家と治療の専門家のコラボなのだ、当然、画像をみて治療のリコメンデーションまで決めてしまうのだから多少の無理は承知のうえ、画像からERは陽性でしょう、ということまで言い切ってしまう。他施設からの参加もウェルカム、カムカム。社保検から参加した技師さんからのメールでは「楽しかった」とのこと。ほんとうは「勉強になった」という感想が望ましいのだが。というわけで2010年第1週も躍動の中で終了した。明日は釣竿、電動リールなどを買いにいりべといくべ。