浜松オンコロジーフォーラムのご案内


講演1

「 アドバンスケアプランニングの実際 」 ~がん緩和ケアの観点から

はしづめクリニック 院長 橋爪 隆弘 先生

今まで緩和医療では、いきあたらいばったり、出たとこ勝負で、あまり事前の計画なしに診療が進められてきた、という印象があります。advance (=あらかじめ)の Care Planning (診療計画)を立てて緩和医療を進めて行く、ということの困難さと、やっぱり無計画じゃだめだよね、っていうことで、第一戦で活躍する橋爪先生のご講演をお願いしました。

 講演2

「 SPARCS(スパークス)」 ~がんの沈痛効果を調査した「ビッグデータ」から見えてきたこと

日本赤十字社医療センター 緩和ケア科 部長 的場 元弘先生

今まで緩和医療では、一例、一例の患者の主観(つまり、痛みがとれた、とれない、楽になった、ならない)を医療者が共有し、寄り添って個別的に対応することが普通のこととして進められて来たという印象があります。大規模な調査を通じて、どんなことが見えて来たのでしょうか。普遍的、客観的な緩和医療の実践にSPARCS調査が何をもたらすのか、的場先生のお話を伺います。

日 時:平成 28 年 10 月 1 日 (土) 15 時 ~ 18 時

場 所:浜松駅前 プレスタワー17 階静岡新聞ホール

 

厚労省よ、仕事しろ


混合診療になるからだめだ、と医事課から言われました。先生の所はどうやっているのでしょうか? という質問をよく受ける。オンコタイプDX検査のことである。混合診療とは、同一日に、保険診療と保険外診療を併せて行って、保険診療部分(窓口負担分(3割負担とか一部の高齢者では1割負担))と保険外診療部分(10割)を合計して患者に請求すること。もしこれをやったら、保険診療部分も併せて全部保険外診療(=自由診療)として全て整理されてしまいます。つまり、支払い基金から医療機関への支払いが全く為されなくなってしまい、医療機関が自腹で補填するか、患者に支払いを請求するか、どちらかになってしまします。ああ、なんでこんな乱暴なルールになっているか、というと、厚労省の言い分はこうです。

①「保険診療により一定の自己負担額において必要な医療が提供されるにもかかわらず、患者に対して保険外の負担を求めることが一般化されると、患者の負担が不当に拡大するおそれがあること」

②安全性、有効性等が確認されていない医療が保険診療と併せ実施されてしまうと科学的根拠のない特殊な医療の実施を助長するおそれがある」

この2点です。

では、オンコタイプDXはこの2点に該当するのでしょうか? ①の「必要な医療が提供されているにもかかわらず・・・」は該当しませんね。オンコタイプDXをつかえば、不要な抗がん剤治療を回避出来るのですから必要な医療といえます。しかし、これが使えない、というのは明らかに①には該当しないのです。

②の科学的根拠ですが、これは、日本も含めて世界から充分な、充分過ぎるほどの科学的根拠がすでに得られています。ですから、オンコタイプ DXを禁止する根拠はなにもありません。保険でも認めない、先進医療にも認めない、評価療養でもない、選定療養にもなっていない・・・、という状況で、必要な検査であるオンコタイプDX検査を実施することができない、これは明らかに、厚生労働省の不作為、つまり、するべき仕事もしないで怠けている、整理すべき課題に取り組んでいないことが原因で、日本の多くの乳がん患者が正しい必要な医療を受けられない、ということになっていると言えます。さあ、仕事をして下さい。