学生さんは社長さん


毎年この季節になると浜松医大の学生実習がやってくる。街角がん診療、腫瘍内科診療を実体験してもらうこと、SPIKESなど医師として患者ときちんとお話ができること、療養担当規則など必要最低限の常識を身につけてもらうこと、EBMを学ぶための抄読会や、病診連携を学ぶための医療センター回診・・など、提供すべき材料をたくさん用意して、いろいろな切り口で勉強してもらおうと準備しているのだが、学生さんときたら、やたらと要領がよく、最初から9時5時シフトのつもりで用事を入れてくる、まるで社長さんだ。そんなにお忙しいのならば、来てくれなくっても結構です、と言いたくなる。周りを見渡してみても、自分の都合、自分のスタイルを当然のごとく優先する風潮が強い。それは若い人にも、年配の人にも言えるようだ。今日はあまりついていない一日だった。こういうこともたまにはある。

第6回浜松オンコロジーフォーラム


第6回 浜松オンコロジーフォーラム
 
日時: 平成22年4月24日(土曜日) 15時~ 18時
 
場所: 楽器博物館6階 研修交流センター「62研修交流室」
 
参加資格: 医師、薬剤師、看護師、その他医療職の方、学生、製薬企業の優秀なMRなど、どなたでも参加できます。ただし、にせ医者は入場禁止です!
 
参加費 500円をお支払いください。
 
プログラム:
抗悪性腫瘍薬治療における薬物動態のばらつきを考えるー抗がん剤ふ副作用がないと効かないのか!? 石黒 洋先生(京都大学)
 
肝炎ウイルスキャリア患者への抗がん剤治療 ーここを気をつけよう  楠本 茂先生(名古屋市立大学)
  
がん治療と血栓症 -産婦人科からみた血栓症発症予防法ー 小林 浩先生 (奈良県立医大)

杏雲堂化学療法部本格始動!


昨年5月からお茶の水の杏雲堂病院に毎週金曜日に出向き腫瘍内科外来を続けています。看護師の宮本さん、中田さん、佐々木さんや、薬剤師森君とのチームオンコロジーで4階病棟や外来処置室で外来患者の化学療法を続けてきました。医科歯科大学の研修医中川徳子先生がいた頃は8階病棟に入院療養をお願いすることもできましたが、医科歯科大学総引き揚げで、入院担当医師が不在となり、また、私も、週1回なのでどうしてもフルスロットルでの診療活動はできませんでした。しかし、時間をかけて交渉した甲斐あって、4月から腫瘍内科医、河野勤先生が国立がんセンターから赴任し、化学療法部としての診療活動が本格始動しました。3ベッドですが外来化学療法室も整備し、外来化学療法はばっちりです。外来もほぼ、毎日実施、土曜日も外来診療を行います。河野先生は私が国立がんセンター腫瘍内科医長だったころにレジデント、チーフレジデントとして指導、その後、スタッフとして研鑽を積んできました。昔から、臨床のセンスもよく、ぶれない姿勢は高く評価していましたが、今回、活動を間近に見て5年間の成長を感じています。杏雲堂は125年の癌研究の歴史がありますが、最近ではお茶の水地区の「病院激戦区」の中で埋没しているような感じです。しかし、肝臓内科の小尾先生とか、生きのよい医師もおり、今回の化学療法部の本格始動で、がん診療のメッカとしての看板を再び掲げることができると思います。
杏雲堂病院腫瘍内科では、乳がん、泌尿器科がん、頭頚部がんの三本柱のほか、大腸がん、胃がんなどの消化器がん、卵巣がん、子宮がんなどの婦人科がんや原発不明がんなどの診療を行います。入院療養も対応できます。都会のオアシスを目指してきっと河野先生が活躍してくれると思います。私も、もちろんバックアップしていきます。診療を希望される患者さん、勉強してみたい若手の医師、薬剤師、看護師など、杏雲堂病院(http://www.kyoundo.jp/ )にお問い合わせください。

標準化には程遠い電子カルテ


NECの電子カルテ「MEGAOAK(メガオーク)」は比較的使いやすいと思う。これを使用している病院は多く、月1回の青森県中央病院でも数年前から稼働しているので医師、看護師など、みなさん、当たり前のように電子カルテを使いこなしている。隣の青森市民病院も行ったことはないけど乳がん診療などをかなり積極的に取り組んでいる良い病院のようだ。しかし、信じられないことに電子カルテ導入にあたって看護部は、手書きを継続するとして、電子カルテの導入を拒んでいるそうだ。まるでばかだべ。同じようなことが、レセプトオンライン化反対運動は訴訟になり、結局、いくつかの都道府県で原告勝訴、つまり、オンライン化は違法だ、ということになった。というのは、レセプト(毎月の診療報酬を支払基金に請求する手続き)は、毎月、紙に記載したものを医師会を通じて支払基金に持っていくと、2か月後の医療機関の口座に診療報酬が支払われる。このレセプトをオンラインで支払基金に送ることにより手間も省けるし、前月、前々月、あるいはもっと前に遡って診療内容に問題がないか、請求に不正がないかなどをチェックしやすくする、という狙いもある。オンライン化になったらわしは診療所を閉じる、とおっしゃっていたご年配の先生は結構いて、聞くところによると、約1割の診療所が閉鎖になる見通し、ということだった。ところが、あちこちの裁判で、被告(厚生労働省)が敗訴したとのことで、レセプトオンライン化は見送りとなり、命脈を保った診療所も数多い。しかし「勝った」と喜ぶのもおかしな話、オンライン化するのも時間の問題だろう。MEGAOAKは浜松医療センターでも昨年秋ごろに導入した。根本的なところの機能は青森のと同じだが、メニューの見え方や、オーダーの仕方など、かなり使い勝手が異なるのだ。バージョンが違うのか、施設ごとに作りこみが異なるのか、慣れるのに時間がかかる。どうして、同じNECなのに、こんなにもちがうのか、同じにすればいいのにと思う。標準化? どこ吹く風だ。また、浜松医療センターの外科医はカルテを書かないので院外担当医として回診をしても治療計画など、全くわからなくて困る。あれで看護師はよくチーム医療ができるものだと、関心したり、呆れたり、標準化? そんなの関係なーい、そんなの関係なーい(古ーい)。
 
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