大過なき3周年


浜松オンコロジーセンターも5月6日で開設3周年を迎えます。これもひとえに皆様のご支援の結果と厚く御礼申し上げます。この3年間でわかったことは以下の通りです。
①外来化学療法は、安全に安心できるような形で提供できる。
①の(1) ハーセプチンは38度程度の発熱は25%程度の患者で認められるが初回から外来で問題なくできる。初回は入院でハーセプチン点滴を行っている病院もあるが、そんな必要ない。
①の(2) ACやECなら、術後でやる場合には、day 8あたりで、わざわざ外来に来てもらい、採血する必要は全くない。さらに、day 1、つまり点滴当日も、採血しなくても全く問題ない。よく、点滴当日に採血して、問題ないことを確認してから点滴を行う、というようなことをやっているところがあるが白血球が2300であっても、特に問題なくフルドーズの点滴は問題なく実施可能。
①の(3) weekly paclitaxel@80mg/m2ならば、術前、術後化学療法で実施する場合にはこれも白血球を調べる必要はなったくない。
術前、術後で使用する限り、全身状態がよければ、好中球数、白血球数のみならず、肝機能も特に調べる必要はない。

術後でも、CEF(100)、Docetaxel @100mg/m2などでは、30%程度の好中球減少性発熱を起こす。これらのレジメンを使用する場合にはそれなりの対応が必要となり外来ストレスレベルが上昇するので、どうしても必要な場合でない限り、これらのレジメンは選択しない。

②セカンドオピニオンは、SPIKESプロトコールを用いて行えば、だいたい30分以内には、患者あるいは家族の満足のいくような情報提供が可能である。
③セカンドオピニオンでは、治療経過がうまくいっている場合でも今のままの治療でよいだろうか、何か他の治療はないだろうか、という質問も多い。その場合には、現在の治療がなぜ、どういう根拠に基づいて選択されたのか、現在の治療の目標はなにか、などについて説明すると、あぁ、そんなんですか、と初めて聞いた、というような患者もいる。それはそれで、セカンドオピニオンの意義があるわけだと思うようにしている。
④がん診療拠点病院といえども、極めてお粗末な治療、説明しかできていないところが結構多い。当然、箱もの行政的発想から、拠点病院というのができたわけだが、早急に、内容の充実を図っていかないと、看板に偽りあり、ということになる。特に、A病院、B病院、・・・(この程度のイニシャルなら問題ないでしょうか? HDKさん)。

3年間の経験知を元に、少し、グレードアップします。今回の一番の目玉は、外来化学療法室の充実です。これがすごい!! これについては、後日、改めてご報告しましょう。それ以外に、薬剤師、看護師の質、数ともに補強して診療ボリュームの増加、標準手順の合理化を図っています。IRBも立ち上げ臨床研究も開始できる見通しとなりました。そんなこんなで、1月から4月まで、めまぐるしく過ぎた第一四半期でした。あらたに、リセットするところはリセットし、過去のしがらみを断ち切り、新しい目標に向けて、また舵をきります。そんな明かるい希望に燃えていたある日、一枚の封書がJCOGから届きました。その内容は、

コーキョーキ? わけわからん


浜松で研究会、シンポジウムをちょくちょく計画して、がん診療内容の充実を目指している。がん情報局主催でやるにはまだ体力がないし小杉さんも帰ってこないので、当面は製薬企業との共催ということでお願いしている。そこで、必ず出てくるのが、コーキョーキという業界の自主規制。懇親会と呼んではいけない、とか、どうでもいいようなことが決められていて羊のような製薬企業の皆さんはそれに従う。もっとわけがわからないのが、その懇親会・・ではなくって親睦会・・でなくって情報提供書・・・じゃあなくって情報交換会だ、その情報交換会を開催する場所が、これまたコーキョーキで決められているがこれがすこぶるおかしい。研究会なりシンポジウムなりを開催したホテルの中でならよいが、ホテルの外ではいけない、というもの。これはあきれるほどの馬鹿さ加減だ。だれだ、こんなことを決めているコーキョーキの責任者は? おそらく、そいつはホテル業界と裏で癒着しているに違いない、と思われても仕方ないだろう。そもそも岡光とか、貧しい育ちの心のいやしい事務次官がおねだりしたり、たかったりしたせいで、公務員倫理規程ができて、コーヒーは良いが、お砂糖は入れてはいけない、みたいな馬鹿な規定ができた。それに毛の生えたような子供だましみたいな規定が、情報交換会はホテルでやらなくてはいけない、というやつだ。まったく、ボヤキ漫才だよ。