50才台からの健康管理


がん、高血圧、糖尿病、高脂血症など、慢性疾患のガイドラインを読むと、予防には「定期的有酸素運動」が推奨されています。「ジョッギング、ウォーキング、スイミングなど、多少、ハアハアするような運動を、20-40分ぐらい、週に2-3回」。これが予防のための処方せんです。
 
自分でも、勝俣先生ほどではないにしても、毎朝のジョッギングは継続可能な日課となっています。最近では、毎朝5km以上は走っています。この話をすると、本当ですか? と言う人は多いのですが、走った分、食べているので体型はあまりかわりません。
 
10年ぐらい前から、週1回はスポーツクラブでのランニングはしていましたが、朝のジョッギング歴は、2-3年ぐらいです。きっかけは、ファイザーを去ったボブワークマンに教えてもらったガーミン社のアウトドア用GPS「フォーランナー201」を使ってみたかったからです。室内のランニングマシンと外走りでは、同じ時間、ランニングしても、外走りの方が、圧倒的にさわやかですが、GPSを使ってみると走行速度、距離が表示され、さらに楽しさ、倍増でした。
 
勝俣先生に勧めたら彼も購入したのですが、東京のビルの谷間を走る彼にとっては、衛星からの電波受信(acuireing satellite signal)が弱いので、フォーランナー201をあまり好きにはなれなかったようで、使っていないと言っていました。ところが最近、ガーミン社のホームページを見ていたら、新製品「フォーランナー305」というのがでて、衛星信号を迅速に捕捉、心拍モニター機能、インターネットとの接続機能など、魅力的な新機能がついて、アメリカでは人気の製品ということがわかりました。しかし、日本では売っていない、日本からでは、通信販売でも買えない状態です。そこで、ASCOでアトランタに行った時、玉岡さんと一緒にアウトドアストアに行って「フォーランナー305」を買ってきました。これがすばらしいのです。衛星の電波は確実にすばやく捕捉するし、その精度も高いようです。いちど、201と両方を装着して走ってみたのですが、性能は確かに305が圧倒的に優れているし、距離、スピードの計測の精度も全然ちがいます。また、心拍数をモニターできるので、50歳代からの健康管理には最適ですね。とくに感動的なのは、走った奇跡をgoogle map上に表示して、走行距離、速度、カロリー消費、心拍数の推移などを分析することができることです。
 
ところで、あのgoogle mapのサテライト写真、すごいです。アメリカの家々の庭の犬までが見えます。日本の部分は、それほどまでの拡大は見えませんが、サテライト写真上にもジョッギングの軌跡が表示されるので、楽しみは8倍増です。ちなみに、米国留学中に住んでいたナッシュビル、シャロンデールドライブ2502の家や、姪っ子の亜矢が留学していて、先日、私も向井先生といっしょに遊びにいってきた、スエーデンのアンマリーさんの家も、家の色や形が識別できるぐらいによく見えます。あれでは、テポドン2号など、丸見えのはずです。

Response by Dr. Vogl


Dear Dr Watanabe – thanks so much for your email . It was a pleasure to meet you, and I look forward to meeting you again in san antonio. Perhaps we can have dinner together. I suspect some of the speakers do not appreciate some of my questions, But I think it important that the presenters know that members of the audience who put patients first (not research programs or research funding dollars) will be listening carefully  and critically evaluating their data and analysis. Have a good summer.     steven vogl
 
(訳)
渡辺先生- 電子メールありがとう、あえて楽しかったよ。サンアントニオでの再会を楽しみにしてしているよ。たぶん、食事をご一緒できるでしょう。ぼくは、演者の中にはきっと、ぼくの質問を評価していない人もいるのではないかと思っている。でも、発表者は、研究や研究費よりも患者の事を第一に考える聴衆が注意深く、そして批判的にデータや解析結果を訊いていることを知っておくことが大切だと思っているんだ。楽しい夏を過ごしてください。 スティーブン ヴォーグル
 

Dr.Vogl from New York


ASCOやサンアントニオ乳癌シンポジウムに参加されたことのある方はご存じだと思いますが、やや巻き舌で「Steven Vogl form New York」と前置きして質問に立つおじさんがいます。一つのセッションで4-5回は質問するでしょうか。私は10年ぐらい前から、その存在が気になっていたのです。質問の内容は、臨床家の視点にたって、当を得たもので彼の質問に対しては会場からしばしば拍手が起きます。よく質問はしますが、発表者として壇上に立ったり、ポスターで発表するといった姿は見たことがなく、いつも聴衆として参加してるようです。今日の午前中のセッションで、私の座った席の4-5列前に彼が座っており、質問の度にマイクスタンドのところまでいったりきたり。そのたびに私の横を通ります。セッションが終わって「I enjoy your questions every year in ASCO」と挨拶したら名刺をくれました。Steven E.Vogl, MD Medical Oncology and Internal Medicineと書いた下には、OFFICE HOURS BY APPOINTMENT(外来予約制)と、住所、電話番号が書いてありました。ASCOの住所録を調べてみたら、

Oncology Speciality:

    

General Oncology

Board Certification:

    

Medical Oncology

 

と専門が書いてありました。おそらく、ニューヨークのブロンクスでMedical Oncology のクリニックをやっている先生のようです。結構年配に見えますし、足も少しお悪いようです。しかし、とても熱心にプレゼンを聞き、デジカメでスライドを撮り、いつもいつも質問をしている姿にはとても関心させられます。ひるがえって日本の学会では、質問はほとんどなく、時間をもてあました司会者が、どうでもいいようなお愛想質問をして、それでも時間が余ってしまい、時間調整のために10分間休憩します、みたいなことがよくあります。また、前に誰も立っていないポスターも多く、こういうのを貼り逃げ(post and run)と言います。
 
毎年、ため息まじりに思うのですが、学会の規模もさることながら、プレゼンテーションの内容、質疑応答の濃厚さ、聴講参加者の熱心さなど、ASCOと日本の学会では、質、量、規模など、どれを取っても1000:1ぐらいの比率のように感じます。ただ、日本の学会では、開催都市の夜の飲屋街のにぎわいはASCOの1000倍ぐらいですから、平均すると同じということになるかというと、そんなはずはありません。学会充実の必要性を痛感しました。