新知事の人間性


静岡県知事になった川勝氏はうちのすぐ近くにある静岡文化芸術大学の学長をやめて知事選挙に立候補しました。それでだけに親しみを感じていました。無名の候補でしたが人間性の感じられる演説、中身の濃い話、学者らしいウィットと教養の雰囲気、60歳という活力ある年齢など、彼自身の人間的価値そのものが評価されたものだと思います。民主党が推したとか、反自民とか、そういうことはあまり関係なく、本人の価値がきちんと評価されたものだと思います。どこに所属しているかとか、派閥がどこかとか、医局がどことか、そういった外形基準で人を評価するのではなく、個人として、あるいは仕事人として、その実力、人間性そのものを評価する習慣をつけるべきでしょう。人を評価する際もそうですし、自分の評価も、そのように考えるべきでしょう。
今回、乳癌学会でたくさんの若い先生にお目にかかりましたが、私に話しかけてくる人は、みんな、「どういう風に勉強したらいいでしょうか?」という観点で考えているようです。医局どっぷりの人生他人任せのような人は私には近づきません。きっと先輩から、そう言われているのではないかと思います。乳癌診療の真髄は、個々の患者について治療の全体計画を青写真としていかに描けるか、患者の状況に応じて、それをいかに実現できるか、を工夫できるかどうか、ということだと思います。現実の医療提供体制はとても厳しいものですが、その中での工夫をしながら、最善の医療を提供していこう、というインテンションが大切だと思います。
乳癌学会の専門医制度も現実に即したものに変わっていきそうです。自らの付加価値を高めたい、自分を磨いていきたいという若い先生たち、相談にのりますよ、洗脳もするかも知れませんが、イッヒッヒッヒ・・・・。