なぜ公表? 施設名


インフルエンザA型が大流行です。先週の日曜日、休日当番診療日、朝8時から夜8時まで86人の受診、そのうち44人がインフルエンザA型、一人がB型。ワクチンを打っていない人が4割でした。院内の動線をわけて入り口、待合室、出口を変えててんやわんやの対応でしたよ。今日のNHKニュース、老健施設でインフルエンザが流行、二人の高齢者が死亡したと、施設名を公表していました。この季節、どんなに注意したって、ワクチンを打ったってインフルエンザには罹ります。高齢者はそれが原因で死亡することもよくあります。それがまるで、施設の落ち度であるかのようにNHK7時のニュースで施設名まで公表するのはいったいなぜなんでしょうか? 国民に何を伝えたいのでしょうか? 昨年末の11月〜12月ごろ、そろそろインフルエンザワクチン接種をしないといけない時期、ニュースもワイドショーもワクチンを打ちましょう、の話は全く出ませんでした。日曜日にインフルエンザA型に感染した小学生を連れてきたおかあさんに問診したところ、聖○病院の看護師をしているお母さんはワクチンを打ちました、息子は打っていません、と言う話。どうしてですか、と聞くと、お母さんは病院でただで打ってくれた、子どもは自費になるし、テレビでも言っていなかったからという、理由がおかしい。看護師は予防が必須だから打つ、お金がでるから、が理由ではないですよ、○隷の看護師さん、息子のワクチン接種は「任意」であって「義務」ではありませんが、自費でも打つのが「親の義務」ではないでしょうか? 数年前、年末12月にA型が流行したことがあり、その年はニュースやワイドショーで少し騒いだことがあってその年はワクチン接種率が高かったと報告されていました。マスコミの報道姿勢は、おもしろければいい、騒ぎはさらに大騒ぎになればいいというもの、NHKのニュースも同じです。これから2月〜3月にかけて、B型が流行します。B型はA型と比べて症状がわかりにくく、熱もあまり高くない、お腹の症状がでるといった感じです。ワクチン打っていない人は今からでも4価のワクチンをうったらいいと思いますがマスゴミはそんな警告は一切だしていません。がんにしても、生活習慣病にしても、インフルエンザなどの感染症にしても予防が一番、予防に勝る治療なしです。感染症が流行してから大騒ぎして、しっかり対応している施設名を公表してまるで魔女狩りのようなもり立て方、全くおかしいと思います。

越後屋、お前も悪よのうと言ったかどうだか・


大学の先生がもともと国からもらった研究費で開発した新薬を製薬企業が安く買い取って「新規加算」をがっぽりとつけてもらって、そのあたりの決定に役人から大学の先生に「先生、新規加算を大盤振る舞いしておきましたから」と、大学の先生が「越後屋、おまえも悪よのう」と言ったかどうだか、made in Japanをアッピールすることが正義であるかのごとき流れで破格の薬価が設定されたのであった。確かに画期的な薬剤であることは確かである。しかし、日本での薬価が米国での標準的薬価の2倍以上に設定され、それは高過ぎる、非常識だ、といった世間の大合唱で薬価が結局半分に下げられたのであった。薬価算定委員をつとめていたので薬価設定のルールはよく知っているのであるが、きちんとしたルールに則って決めた薬価が高い高いの大合唱で半分に下げられたと言うこと自体、これは大変な問題である。不況知らずの製薬企業であることは、リーマンショック以降の世相の変化も何のその、社員はみんなハッピーハッピーという現実をみればよく分かります。薬価算定の仕組みを根本的に考え直す、というムーブメントはそれなりに評価できると思う。4月20日に、私もこの独り言で、この薬剤の薬価逆転現象を指摘したことがあったが、とにかく、地に足をつけた行政が展開されることを望むのである。