今年も愚かなランキング


今年も「手術件数でみるいい病院ランキング」がでました。これは、大学合格者数高校別ランキングとならんで実に愚かな特集だと毎年思います。○○病院は昨年の7位から手術件数を大幅に増やし3位に躍進した、みたいなことも記事には書いてあり、ますます、まぬけな記事だと思います。手術件数の多い病院ではマスコミがこういうふうに脳タリン系に煽るので、益々診療の質は低下していきます。よく知っている病院では、医師や看護師は疲れ切って、どんどん退職し、内部での争いや諍いが絶えず起きていますが、それでもいい病院の上位にランクされています。最近ではsustainability(継続可能性)が重視されています。一時的に無理をするのではなく、良い状態が長く続く、という穏やかな雰囲気が大切なわけです。こんなバカみたいなランキングを毎年やって、数を競わせ、病院は益々疲弊して、量の向上と質の低下を招く、愚かな特集はそろそろ見直して頂きたいと思います。売れればいいってもんじゃあないとと思いますけどどうでしょう、坂田さん、よろしくお願いしますよ。
広告

県民セミナーに参加して


秋田の橋爪先生に呼ばれ秋田県主催の「がん医療県民セミナー」に参加して参りました。講師は3名で私は2番目、定番の「安心して抗がん剤治療を受けるための12か条」を、例の忘れられないエピソードを交え講演しました。私の前の演者は「がん対策基本法」と「がん診療連携拠点病院」についてお話になりました。私にはとてもわかりやすく、スライドもきれいでいい発表だと感じるものでしたが、会場の県民の皆さんの頭上には、????が飛び交っていたようでした。私の後の演者は、地元大学が拠点病院に指定されたことを期に発足した腫瘍センターの先生で、現状とビジョンンをわかりやすくお話になりました。とくに良かったのは、がん治療が生活のすべてではなく、がん治療を生活の一部とするような改革をめざしたい、というポイントで激しく共感するものがありました。
 
しかし、お役人が企画したセミナーだけあり、後半のパネルディスカッションは、だれのために、なにをやっているセミナーなのか、ということがわからないような感じになったのです。っていうか、参加者の満足度を調査する訳でもなく、お役人は、「県民のためにこういうことをやっているぞ」、という実績を作るためだけにやっているような、そんな感じがしました。お役人の習性としては、それは、ごくごく自然な発想、当たり前の行動パターンなのですが、それだから、いつまでたっても、何もかわらないのだ、ということを、再確認しました。 
会場からは、しかしながら、実に活発な質問があり、しこみや、やらせ質問は全くなかった点は、安心しました。印象的だったのは、35才の奥さんを乳癌で亡くした男性の切々とした訴えでした。、奥さんの闘病期間中に、がん医療の不備、不完全、不十分、特に緩和医療の不備を強く訴えたのですが、何もかわらず、好転せず、県庁など、あちこちに直訴したのだそうです。怒りをどこにぶつけていっていいのか、やるせない気持ちが、壇上の私のところまで伝わってきました。また、その男性の話では、秋田市内の4病院は、どれも、がん診療連携拠点病院になっていないのは、なぜかと、質問したら、医師会の偉い人は、各病院の特色が明確ではないから、との答えだったそうです。それについて、司会をしていた県のお役人は、「平成19年度には、指定をいただくように、鋭意、努力する所存で、云々かんぬん。」、全くのがっかり回答でした。おもわず、会場に皆さんに、「こんな回答じゃあ、ものたりないですよね!」と言ってしまいました。4病院は、いずれも優れた病院だと思うし、橋爪先生が緩和医療でがんばっている市立病院も拠点病院になっていない、っていうことで、要は、くだらない横並び主義というか、これも、典型的なお役人の発想と対応、よくよくわかります。もっとおかしいこともありました。がん対策基本法ができるので、がんの情報を皆様に、提供するような窓口や、インターネットや、いろいろ、もろもろ、用意しています、地域でわからないことは、国立がんセンターに答えてもらいます、などなど・・・。んで、いったい、県民は、どんなときに、何を、どこに聞けばいいの? 咳が出て肺癌かもしれないって、思ったら、相談窓口に行けばいいわけ? でも、ふつうは、そういう体の不調は、かかりつけのお医者さんにいくんじゃあないの? 相談窓口には、たとえば「抗がん剤治療をうけているんだけど、担当の先生は、全然説明してくれないけど、どうしたらいいでしょうか」とか、を聞けばいいのでしょうか。でも、そういうことは、がん情報でもなんでもないわKですし、それだからといって、セカンドオピニオンを聞くことにできる医療機関を紹介する、っていうのも筋違いでしょう。がん診療連携拠点病院、がんを専門的にやれていない病院も指定されていたり、逆に、がん診療を濃厚にやっているところがはいっていなかったり、と実にちぐはぐな現状であります。がん診療連携拠点病院構想は、まだまだ、浜松でも秋田でも藤沢でも、まったく機能していないことがよくわかりました。きっと、これからの発展に期待ということでしょうが2年経ってもきちんとできない病院は、指定を取り消すぞ、ぐらいの見直し規定を作らないといけないのでしょう。ということで、セミナー印象記、お酒のおいしかった秋田からの報告でした。おばんですた。