完成!! 患者さんのための乳がんガイドライン


九州がんセンター乳腺科の大野真司先生が中心となって1年がかりで作成した「患者さんのための乳がん診療ガイドライン」が完成しました。これは、日本乳癌学会で作成したもので、2006年に作成したものを全面的、徹底的に改訂したものです。Q and A形式で60のクエスチョンを用意しました。患者さん、ご家族の皆さん、そして、医師、看護師、薬剤師や、ケアマネージャー、また、医療関係の学生さんにも、きっとわかりやすい、良くできていると、お感じになることでしょう。患者さんにはガイドラインをぜひ役立てていただき、安心して乳がん診療を受けていただきたいとおもいます。患者さんのための乳がん診療ガイドライン 日本乳癌学会編 金原出版株式会社 2300円、ISBN 978-4-307-20262-6
 
ガイドライン目次は大野真司作「MindMapで描くガイドラインの内容」をご参照ください。
 
 
広告

海外学会の動向と我が国の現状 - いつまでたっても周回遅れ –


第10回オンコロジーメディアセミナー

 6月30日(火曜日) 17時50分

経団連会館 6階 パールルーム

 

海外学会の動向と我が国の現状

– ああ、これではいつまでたっても周回遅れ-

 

♡ ♡ ♡

罹患率、死亡率ともに「欧米型」の疾患と言われる乳癌は、日本での臨床試験はいつも海外の後追いである。米国ではASCO(米国臨床腫瘍学会)とSABCS(サンアントニオ乳がんシンポジウム)の二つの学会で世界の最新情報が報告される。最新情報とは多施設共同ランダム化比較試験の結果である。最近の特徴は、「日本以外の諸国が参加するグローバル試験」結果が続々と報告されることである。なぜ、日本以外なのか? その理由の一端はがんじがらめの規制にある。たとえば、今年のASCOのプレナリーセッションで発表された「PARP1阻害剤」の試験は、抗がん剤治療群 vs. 抗がん剤+PARP1阻害剤」のランダム化比較試験である。この試験では、抗がん剤治療群が、対照群であり、「PARP1阻害剤」を上乗せすることで、効果持続期間や生存期間がどれぐらい延長するのかというのが、この試験での検討課題であった。結果は会場からどよめきが起きるほど見事なものであった。次の段階では、さらに症例数を増やし、観察期間を延長し、「PARP1阻害剤」の真の実力を評価する第III相試験に進む。当然、global trialとなるだろう。日本からも参加すれば得られた結果は、速やかに日本の乳癌患者の治療に利用できることになる。しかしそうはいかない。試験に使用された抗がん剤は、カルボプラチンとゲムシタビンであり、いずれも、我が国では乳がん治療薬として承認されていない。承認されていない薬剤は対照薬として使えないことになっているので、この2剤が承認されないかぎり参加できないのだ。今回も日本からの参加不可能ということになれば日本は3周遅れ、ということになる。以前、このような積み残しをまとめて承認しよう、ということで、「抗がん剤併用療法検討委員会」(黒川清委員長)というのが開かれ、何品目かを手続きを簡略化して承認したことがあった。しかし、あれから3-4年が経過し状況は、全く改善しておらず、周回遅れ、積み残しの山だ。

では、日本からの情報発信はどうなっているのか? NSASBC01試験では日本発のエビデンスを構築することはできた。これは、世界の標準薬CMF vs. 日本の汎用薬UFTのランダム化比較試験である。患者団体の激しい妨害により、試験の進捗は大幅におくれ、結果が得られた時には、既にCMFは世界の標準薬の座を失っていた。ホンダがF1から撤退したように、日本の腫瘍医療は、臨床試験から撤退せざるを得ないかも知れない。臨床試験ただ乗り論でglobalからのバッシングを受けることにもなりかねない。

土曜日外来


週休二日が定着して病院は土曜日休診があたりまえのようになっている。一方、診療所は土曜日午前中、外来診療をするのが常となっている。浜松オンコロジーセンターも開院以来、原則として土曜日午前中は外来を開いている。外来化学療法も土曜日に実施しているし、セカンドオピニオンもある。また、がん診療以外の患者さんで、平日は仕事で来られない、土曜日の朝一で、という人も結構いる。最近の不況で、平日でも休みという工場勤務者もあり、好景気の頃よりは土曜日にぜひ、という人は減ったようだ。東京都内の大病院は、相変わらず週休二日を貫いているところもあるが、最近、大病院も良好なサービスを提供するという観点から、土曜日終日外来を開いているところが増えてきている。土日も外来診療をしている病院もある。今まで土曜日完全休診であった杏雲堂病院も土曜日に外来を開くという院長の方針で、そのようになるが、これには、スタッフの反発がいろいろとあるようだ。看護師はもともと交代勤務なので土曜日外来をすんなり受け入れているが、問題は、自分が一番偉いと思っているような使いものにならない医者からの自己中心的、唯我独尊的反発である。これはいつの時代もあるようで、医療がそもそも社会的活動である、社会保障の一翼をになっているという意識が希薄な、わがままぼんぼん医師によくある行動パターンだ。
浜松で問題なのは、医療センターが土曜日休みで、病診連携室も休みという点。町中の診療所は土曜日、夕方まで診療しているところも多く、検査とか、専門外来受診を予約したくても月曜日まで待たなくてはならないのだ。これは困る。てても困る。浜松医療センターも労働組合のわがままが日本一の病院らしく、医療が市民のためのサービスであるという意識をどこかに置き忘れてきているようだ。いつも、いつも、病診連携室を土曜日に開くように、要望は出しているが、全く対応してくれないのだ。これでは、独立民営化したらカラスと閑古鳥の集まる病院になってしまうのではないだろうか。

がん診療拠点病院見直しの恐怖


箱もの行政の最たるものとして批判を浴びてきた癌診療拠点病院が来年4月をめどに見直されることになり、帳尻を合わせて癌診療拠点病院のふりをしている全国のキョトン!病院は、指定取り消しにおびえ、さらなる帳尻合わせにやっきになっている。病診連携で癌診療を地域に普及しています、という張りぼて看板を掲げているところは、その実態があまりに偽善的、手前勝手的であるがゆえに、指定取り消しは避けられない。また、緩和医療をやっています、緩和医療の専門家がいます、と急遽、別の部署の内科医を緩和ケアチーム医師にしててたけれど、診療科間での協調が全くとれておらず、逆に患者、家族は不安、心配、失望の中で涙を流しているという現状もいたいたしい。こんな、名ばかりの、羊頭狗肉的ながん診療拠点病院は、当然、指定取り消しである。そもそも旧態依然とした20世紀型組織論に基づく、がん診療拠点病院構想自体、無理があり、非才浅薄小役人の浅知恵では、もうどうにもならないところに来ている。安心、安全のがん医療を提供できる体制を整えるには、「街角癌診療の考え方」に基づく「高機能がん診療所」の発展の方が、ずーっと素晴らしいと思うのだ。

準備着々、中部乳癌学会


2009年9月12日、13日に開催される日本乳癌学会中部地方会の準備が着々と進んでいる。中部地方会は北陸、東海、甲信と広い範囲にまたがるため、参加者の行き帰りの時間に配慮して土曜日の昼から日曜日の午後まで二日間にわたって開催される。今回は、「裾野を広げよう、中部乳癌診療」をテーマに、乳がん診療に従事する医療者の数を増やそう、深く勉強してもらおう、という企画だ。
ポスターディスカッションでは、応募演題の中から、討議にふさわしい演題を選び、口頭発表してもらう。演題募集締め切りは6月23日でござる。検診関連では、若手医師、診療放射線技師を対象に検診マンモグラフィの撮影の仕方からはじまり良い写真、いまいち写真をみきわめるノウハウを伝授する。病理診断では、ターゲットのみかた、診断のポイント、目合わせなど、病理診断医、外科医師、検査技師を対象に実践セミナーを開催する。また、看護領域では、比較的初心者から中級上級者まで、がん看護の基本から実践が学べる看護セミナーを開催する。その他、乳房再建、画像診断をテーマとしたいーぶにんぐセミナーとモーニングセミナー、タキサンとAIをどういう風に使ったらよいかを学ぶパネルディスカッション、乳癌楽器教育セミナー、外科手術、抗がん剤副作用対策、緩和医療に関する実践セミナーなど、中身の濃い企画を準備して多数の皆さんの参加をお待ちしています。詳しくは学会ホームページを御覧ください(→http://www.med-gakkai.com/jbcs-chubu/ )

しがらみなければお願いします


癌治療学会内科系会員各位
医局の方針などのしがらみがなければ癌治療学会内科代議員の投票は「06957 渡辺 亨」にお願いいたします。癌治療学会は外科主体の学会で内科は劣勢です。正しい癌診療を推進するには各診療科のバランスが必要であり腫瘍内科の発言力を増強しなくてはいけません。よろしくお願いします。

不作法な取材に激怒


大橋靖雄先生はインフルエンザ問題で渡航がかなわずASCO不参加である。CUBCとNSASBC01のコンバインドアナリシスで「UFTは閉経後ER陽性女性ではCMFに比べて再発抑制効果が高い」という結果が得られたのでそれをポスターで発表することになっていた。しかし、大橋先生は参加されないし、大鵬からも誰もきていていない。誰もポスターの前に立っていないというのはまずいし、聴衆からの質問には様々なヒントが含まれているので、代りに1時から4時まで立っていた。Catheline Prichardや、Gabriel Hortobagyiとも話をすることができ、それなりに収穫もあった。
すると、小柄な女性が来て「大橋先生ですか?」と尋ねた。大橋靖雄も渡辺亨も知らないのか、と、まずそこでむっときたが、「大橋先生はいらっしゃっていないんですよ」と冷静に答えた。すると「大橋先生に連絡とれまんせんか」というので「私が代理で説明しましょうか」と聞くと「だめなんです。大橋先生に掲載のご許可をいただかなくてはいけないんで」と。
私「発表の内容なら、私、説明しましょうか。掲載って何ですか。」
女性「日経CRなんですがASCOの取材をしていていい演題を記事にするのに大橋先生のご許可をいただかなくてはならないんで」
私「ですから、大橋先生はいらっしゃっていないんですよ。」
女性「では連絡取れないんでしょうか。」
私「わかりました、あんたみたいな無礼な人、初めて見ましたよ、じゃあ、夜中の2時だけど大橋先生に電話してみますよ」
ここで普通なら、すいませんとか、結構ですとか、言うだろうに、なんと不作法なやつだ。電話がつながらないので、
私「許可なら大鵬がスポンサーなんだから、大鵬の許可をえればいいでしょう。」
女「大鵬の許可はとったんですよ、でも大橋先生のご了解をいただくようにって、言われているものですから」
私「大橋先生は来ていないんだからしょうがないでしょう。しつこい人だ、なんと不愉快なことだ。あっちいけ、しっしっ」
不作法にもほどがある。この話を夜、仲間に話したところ、あそこの者は何かいい記事はないですかね、みたいに事前の調査もしないで、ごろつきのように聞いてくるので不愉快な思いをしたことがあったそうだ。たまたま、インターネットで、そこの社のサンアントニオの記事を見たが、オショーネッシーの発表の記事に別人の若い女性が載っており、下に「発表したオショーネッシー医師」と書いてある。やっぱり、こんないい加減な取材しかしていないんだな、不作法なわけだと激しく納得した。
以下追加ですがね、いい演題を記事にするというのなら、なんで私の「NSASBC02」の発表を取材しないのか、BEST OF ASCOにだって選ばれたんだぞ、ばかやろう、ってか。
取材の人たちも結構いたが実に無駄な取材が多い。バーチャルミーティングがこれほどまでに充実し当日か翌日には、すべての演題を動画、音声つきで見ることができるのだから、いちいち速報なんかしなくったってもいいのではないか。中身の濃い解説ならばウェルカムだよ。また、ASCOデイリーニュースというのが、毎日会場で配られるが、それをわざわざ日本語訳して朝一で配布している業者がいる。会場には日本語訳のニュースが山のように余っていた。いいですか、英語が読めるから、聞いてわかるからアメリカの学会に来ているんですよ、参加者は。いいですか。学会に来ないで日本にいる人に日本語で情報を提供するっていうのなら、話はわかりますが、農協の団体旅行じゃないんだから、アメリカの学会にきている日本人になぜ日本語訳をしてあげなくちゃあいけないの、ばかじゃん!!