ゆるい企業


よく企業体質とか、企業風土とかいいますが、企業の体質としてとてもゆるいっていうのがありますね。氷山の一角かもしれませんが、一つはKM社。マンモグラフィを導入したのが8年前、当時の営業担当者「K氏」がいろいろと連絡してもほとんど訪問してこず、依頼したオプション部品を何ヶ月経っても持ってこず、いったいどうなっているのか?と問い合わせたところ、あっ、来ていました、と、上司が持ってきて、結局、K氏は、登校拒否になったような、よくわからない状況で担当が交代した。最近でも対応は悪く、ビューワーのシステムアップをしたところ、今までのデータのバックアップに時間がかかるということで、夜間も昼間もずーっとずーっと、電源を落とさず、データ移行をしているのだが、移行が終わらないと次の作業に入れず、3ヶ月経っても、まだです、まだです、と技術部門担当者が言うので、おとなしく待っていた。連休が明けて、例のプロレスラー乳がん報道で、どっと受診者が増えて、大変な時にビューワーがフリーズの連続で、いよいよ、堪忍袋の尾が切れて、いったいいつになったら終わるのですか? 営業担当に訴えたところ、来週に作業できますと。そのような予定ならば、予めの見通しを連絡するなり、作業計画をしめすなり、どうもKニカMノルタの企業体質が緩いようだ。同じような緩さは、アウトランダーの三菱自動車にも言えることで、さんざん、連絡しても・・・ということが何度もあり、こういう体質だから、繰り返しのリコールにいたったのだろうかなーと、何となく納得できる。VW(フォルクスワーゲン)の問題は、また、別のあくどさ、狡猾さがあり、不誠実、しかも、地球を欺くような悪行なわけだから、緩さと言うよりは、二度と立ち直れない状況と言えるだろう。昔、オレンジ色のフォルクスワーゲンビートルに乗っていた私にとってはVWの問題はとても他人事とは思えない残念な事件であるが、あの会社は消滅するかも。

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海図なき船出


乳がん術後薬物療法のセカンドオピニオンを提供した患者に対して手術の前に外科医から次のような説明がなされた、と記録がありました。「癌の治療方法として、化学療法や放射線療法、ホルモン療法が挙げられますが、根治を目的とした治療方法としては手術が最も有効とされております。術後病理学的所見によっては手術以外の治療を追加する可能性があります。」これは、次のような理由により、間違った説明だと思います。

(1) 「手術が最も有効」という点:微小転移存在の推測、およびその制御が治療の成否を決定する最も重要な要素です。手術は局所制御および、がんの性格診断と言う点では有効な手技ですが、最も有効ではありません。

(2) 「術後病理学的所見によっては」という点:このようないきあたりばったりの取り組みは昭和の時代に終わりました。現在は、まず、治療着手の前に、がんの性格診断(生物学的特徴、具体的にはホルモン感受性、HER2活動度、グレード、など)を針生検などを行って、明らかにして、全身治療(薬物療法:抗がん剤治療、ホルモン剤治療、抗HER2治療)および局所治療(手術範囲、放射線照射)のうち、どれをどのような順番で適応していくかということについて、「治療の設計図をあらかじめ策定すること」がデフォルトスタンダードとなっています。「advanced care planning」という表現がもてはやされていますが、予めの治療の計画(あらかじめのちりょうけいかく)ということですから、まさに、治療の設計図を描く、ということです。

同じようないきあたりばったり的取り組みは静岡県のある県立病院でも行われていますが、古き良い昭和の時代を彷彿とさせる、というようなノスタルジックな話ではありません。こんな取り組みは、海図を持たずに船出するようなものです(当該海域:陸奥湾、駿河湾)

脳タリン学生に何を教えろというのか 秋の憂鬱の一コマ


浜松医科大学4年生の講義、毎年毎年、憂鬱な気持ちで、しかし、最新の情報を盛り込んだ自信作のスライドを用意して出向きました。パワポ資料を事前に担当講座の秘書さんに送り、秘書さんも心得たもので、きっちり学生人数分だけしかコピーしません。階段教室に入ると60-70名程度の学生が教室の後ろの方から前の方に密度勾配を持って座っています。10人ぐらいは寝ています。資料を置いて「資料を前の方にとりに来て下さい。」と言うとぞろぞろと降りてきますが、親切に出席していない友達の分も取っていく学生が多く、遠慮がちに後から取りに来た女学生約10名は資料がもうない、という状況。「複数持っていた人は返して下さい。」と叫びに叫んで渋々と何人かが返却しました。浜松医大では出席は取らないようですが、残った資料が22枚、119−22−α、が出席者数です。授業開始前に講義室の照明をめいっぱい明るくすることを覚えたのでそうして、「寝ている人は起きて下さい。」を大声で無機的に5回繰り返す。これほどにレベルの低い学生たちなのである、国立大学医学部といえどもね。「私は浜松オンコロジーセンターの渡辺亨と言います。君たちのために忙しい診療を切り上げて講義に来ました。今日は第二内科の系統講義として『ホルモン依存性腫瘍』の話をします。」と、これまた大声で宣言。講義が始まるとすぐに、出て行く学生ひとり。こういう馬鹿はほっとけばいいのだが、教育に来ている立場なので、ひるまずにすかさず「きみきみ、どこへ行くんだ?」、講義はこれで中断。「荷物を置いて着替えてきます。」とほざく。「バカヤロー、そんなことは講義前の休み時間にしておけ。」という内容を、少し上品に伝えた。その後、しばーらくして帰ってきたが、まるで自分のやっていることがわかっていないのである。後ろの方で、スマホを見ている学生、前の方で、明らかに講義とは無関係な書類をみている女学生、隣の学生としゃべっている馬鹿者もいるし、生化学の基本的な事もしらず、全く脳タリン学生がよくもこんなに集まったものだ。この集団にあと2回、講義に来なくてはならない。秋の憂鬱はこうして始まった。