なぜ遅い? なぜできぬ? HER2 FISH


針生検を行って術前化学療法を検討している患者、検査会社BMLを通じて免疫染色を提出したところ2+、HER2状況によって治療を選択するプロトコールなのでFISHの結果を待って決めなくてはいけない。BMLではFISHを自前でやっていないので外注するそうで結果がでるのが生検をしてから1か月半先という信じられない対応だ。
FISHを自前でやらないのはFISHの点数が低く設定(2500点)されているので逆ざやとなってしまい、多くの検査センターでは検査をやればやるほど、赤字になるというのがその理由らしい。HER2の適正評価のためにはFISH法は不可欠であるのにどうして厚生労働省保険局経済課は適切な保険点数を設定しないのだろうか? 小泉政権以降の「三方一両損」にたとえられる総医療費抑制の悪影響がここにも現れているように感じる。検査してから結果がでるまで1ヶ月半、起きるべき微小転移はもう起きているので、今から治療時期が多少遅くなっても大勢に影響はないですよ、という理屈は間違っていないし、そのように説明するのだが、理由もなく検査結果判明が遅くなるというのは、一両ばかりの損では済まされない。
 

病診連携のこころ


そもそも医療は社会保障の一部であるので医師は社会貢献を通じて自己実現を図るのが当然である。大学にいられなくなった、勤務医生活にいやけがさした、金が必要になったなどの個人の都合で診療所を開業した、しようとしている医師をたくさん知っているが彼らの動機を批判はしないが評価もしない。そんな都合で診療所を開設したのでは三流病院の下に位置づけられて20世紀型いや、ひょっとすると19世紀型のピラミッド型の組織に組み込まれてもしかたなかろう。組み込まれるだけありがたいと思わなくてはいけないだろう。社会保障の一翼をになうべき診療所が継続可能な形態を模索せず一代年寄りパタンが許容される現在の仕組みにも問題がある。死にゆく個人にかわり継続可能な法人形態をもっと真剣に追求するべきだ。東京でTKD社が後押しをして病診連携懇談会が開かれたそうだ。そこに参加した人から伝え聞いた話では、それはまるでやくざのあつまりのようで、おまえはだまっていろ!みたいな怒号が飛び交う恥ずかしい集会だったそうだ。誰が言ったのか、だいたいのところは想像がつく。正しい思いは正しい行動を生み、正しい行動は正しい習慣をつくる。正しい習慣は正しい人格を築き、正しい人格は正しい環境をかもし出す。正しい環境は正しい思いを育み、そして継続可能なしくみの維持につながるのだ。思い、志し、こころが大切であるというのは、ジェームスアレンも松井秀喜も言っている。正しいこころを失った病診連携は何の役にも立たないことをあらためて考えてもみてはどうだろうか?
 
 

サンアントニオ その他の演題


Late Breaking Abstract(最新演題)は通常の締め切りの後に受け付けられた演題で、締め切りの時点ではまだ、データが固まっていないけど、学会前までに予定されている解析結果がえられるということで、特別に口頭発表が認められる。ASCOでもサンアントニオでも5-6年前から増えてきた。たしかに、まだかまだかと注目されている試験の解析がぎりぎりに間に合ってインパクトのある結果が発表された、ということはしばしばあった。今回、NSABP B30(抄録番号75)も抄録にはOS,DFSに関する結果は、「当日発表します」とかいてあるだけだ。これが、LBA扱いなのか、予告演題としてアクセプトされたのかはわからないが、NSABP B30も確かに注目されていた試験だし、米国国内では、専門家の間ではどんなような結果か、ということは何となく知れ渡っていたようだ。もし、NSABPが無名の新興グループならば、あんな抄録なら当然rejectだろうけど、そこは歴史と伝統と実績のある試験グループなので許されるのだろうか。しかし、NSABPだって数年前、データ捏造事件があり、カナダの病院が永久追放になった。ASCOの抄録投稿規定にも、LBAの扱いにはわりときちんとした規定が設けられている。いうまでもなく、LBAは、一般臨床を変容させる可能性のある程のインパクトのある結果を遅滞なく公表することを目的としている。抄録番号46の、EGTF30008もLBAとして、金曜日の午後に発表された。
 
EGF30008試験
は、レトロゾール単独 vs.レトロゾール+ラパチニブのランダム化比較試験である。症例選択条件は、ホルモン受容体陽性(ER陽性またはPgR陽性)、閉経後、進行乳癌(stage IIIb, IIIc, IV)あるいは再発乳癌、HER2は陽性でも陰性でもOK,術後、術前治療はよいが再発後には治療が行われていない症例。標準治療群としては、レトロゾール(+ラパチニブのプラセボ6錠)を内服、試験治療群ではレトロゾール+ラパチニブ6錠を一日量として内服、PDになるか、副作用で続けられなくなるまで治療を継続して、PFS(progression free survival)を主なエンドポイントとして検討した。対象は1286症例、このうち、HER2タンパク剰発現あるいはHER2遺伝子増幅のある症例は219例(17%)。この試験の目的は、HER2陽性、ホルモン受容体陽性乳癌では、HER2を介する刺激伝達系と女性ホルモン刺激に続く刺激伝達系との間に、相互刺激(クロストーク)がある、というトランスレーショナル研究結果があるので、それを検証する、というようなことらしいが、それだったら、ラパチニブ単独群を設置しておかないと答えはでない。また、HER2陰性症例も対象としている理由がよくわからない。
結果は、HER2陽性症例では、PFSは併用群で有意に良好(MPFST;3か月対8.6か月:P=0.019)であった。COX比例ハザードモデルを用いた多変量解析では HER2陽性症例(219症例)におけるのPFSの調整ハザード比は0.65(95%信頼区間:0.47-0.89, P=0.008)であった。一方、 HER2陰性症例(952症例)では、PFSの調整ハザード比0.77(95%信頼区間:0.64-0.94, P=0.010)で、HER2陰性症例でも、ラパチニブの追加効果が認められている。これはいったどういうことだ!?
考えられる理由、可能性の高い順に、
① HER2の判定が偽陰性、つまり陰性という判定だけど本当は陽性という可能性。
② ハーセプチンの効果予測因子として開発されデータが積み重ねられてきた現在の検査がラパチニブの効果予測因子としては、不十分、不適切である、という可能性。
③ ラパチニブは、HER2のほか、HER1(EGFR)にも効果があり、その抑制とホルモン作用との間に相互刺激が起きているという可能性。
など。
 
アメリカやヨーロッパではすでにラパチニブが使用されているので、ホルモン受容体陽性かつHER2陽性乳癌では、レトロゾールとラパチニブの併用が一気に普及するだろう。現在、NCCNのガイドラインでは、このような症例では、まず、ホルモン、効かなくなったらハーセプチン、それからラパチニブ、ということになっているが、これも改訂されるだろう。日本はどうか、というと、相変わらず医薬品機構での承認作業が大幅に遅れており、苦しい思いをしている国民が多い。このギャップはとても大きく、行政後進国で暮らすことはとてもつらいものだ、とつくづく感じる帰国の夜なり。
 

サンアントニオ四日目(最終日)の話題


日曜日の午前中にgeneral session 9があって閉会となる。米国内の参加者は午後の飛行機で帰宅し東海岸でも夕方には自宅にたどり着ける。日本に帰るにはいずれにしても明日の便ということになるので、最終日曜日の午後から夜にかけてはパッキング以外やることがないと言えばない。時間の無駄と言えばそうかもしれないが、緩やか時間の流れのなかで日頃できないことをいろいろとできるという利点もある。今日の早朝に帰国した日本人も多い。おそらく今日の最終セッションに出ないで帰った海外からの参加者も結構いるようで、会場のHall Dは昨日よりは閑古鳥がたくさん飛んでいた。最終日に聞き逃せない演題がまとめられてしまったので日曜日まで居残ることになったという冗談交じりの愚痴も聞かれたが、それでも最後まで参加しただけのことはあった最終日であった。
 
それでは、演題をざっとみてみよう。分子標的薬剤、ホルモン剤の比重が増しているとはいえ、細胞毒性抗がん剤の使い方というのもまだまだ重要な問題である。とくに術後に最適な治療レジメンを投入することによりQOLを尊重しつつ治癒を目指す、という難題が我々には課せられているのだ。
 
NSABP B30
は、約5000例を対象にAC(アドリア60サイクロ600)4サイクル→T(ドセタキセル100)4サイクルと、AT(アドリア60or50ドセ60or75:orの後の場合はGCSF)、TAC(ドセ60or50sアドリア60ot75サイクロ600or500:orの後の場合はGCSF)の3群を比較した。結果はAC→TがほかのアームよりもOSで有意にすぐれていた、というもの。付随のQOL研究で卵巣機能抑制効果についての検討も発表された。
 
BCIRG05
は、約3300症例を対象にAC 4サイクル→ドセタキセル 4サイクルとTAC(ドセアドリアサイクロ)6サイクルを比較した試験である。結果はOSでもDFSでも両群間に差はない、というもの。NSABP B30との結果が多少ことなっているが、この試験で用いたTACは6サイクル、NSABPでは4サイクルという差が影響しているのだろうと推測できる。 
 
German Intergroup Triap
では約2000例を対象に、EC(エピルビサイクロまたはファルモルサイクロ)4サイクル→T(ドセタキセル) 4サイクルと、FEC100 6サイクルを比較した試験。最初はもう一アーム、CMFがあったがほか試験の結果をうけて途中でこのアームは廃止された。結果はDFSとOSともにEC→Tが勝っていたというもの。
 
この3試験で、長年ふつふつとしていた上記のレジメンの中では、AC→Tを基本として考えてよい、ということがはっきりしたのですっきりした。終了後、岩田先生曰く「あれだけの試験なのになぜか質問も出ないし、何かあっさりと終わってしまったけど、この状況をどう考えればいいのかな」と、私も同感です。きっと聴衆の大多数もずっと持ち続けていた疑問だし提示された結果が3つともしっかりした試験である上にほとんど同じ方向の結論であったことから、これで決まりだね、納得という安堵感なのではないでしょうか。
 
AC→Tは我々のNSASBC02試験でも検討の対象としているので、いずれのTがよいのか、スケジュールはどうかなどの問題について、INT1199の結果と併せて考えれば:
 
推奨グレードB
(1)3週に1回のスケジュールということならばAC(60/600)あるいはEC(90/600)を3週間間隔に4回行い引き続きドセタキセル(75)を3週間間隔で4回行う。ドセタキセルが75では不足だと思うのならば100にすればよい。好中球減少時の発熱には十分に注意すること。また、むくみ、爪の変化などにも要注意。
 
(2)毎週点滴でもよいということならばAC(60/600)あるいはEC(90/600)を3週間間隔で4回行い引き続きパクリタキセル(80)を毎週1回12週間行う。パクリタキセルは、12回連続でも3投1休でも6投2休でも、どれでもいい。手足のしびれ、爪の変化には注意すること。
 
ということでいかが?
 
最後のFINXXトライアルでは、術後に、T3回→CEF3回と、Tにゼローダを加えたTX3回実施後、CEFのFをXに変えて、CEXとして、発音もセックスではなくケックスに変えたものを3回行う、TX3回→CEX3回を比較したところ、TX→CEXが勝っていたという結果であった。FINLANDは、FINHER試験にしても、この試験にしても臨床試験が活発である。CSPORでも、TX→CEXとEC→Tとを術前化学療法で比較する、というの、どこかでやっていなければ検討してみてもよいかな、と思いました。
 
そのほかの演題は、IGF-1受容体に対する抗体を使用して転移抑制効果を検討したネズミの実験や、PTEN発現喪失とホルモン療法に対する感受性の変化に関するる検討なども興味深いものがありました。IGF-1が乳癌の増殖と関わっているかもしれないとか、シグナル伝達経路のIP3キナーゼからmTORUにいたるあたり、RAD001など新しい標的分子を狙った大変重要なパスウェイに絡んだ話だし、名前もTORUくんなのでとても人ごととは思えない話でした。
 
長いようで短い4日間が終わりました。帰りに村上先生と「サンアントニオはものすごく勉強になるけどものすごく疲れますね。最後まで帰らせてくれないし。でも帰らなくてよかった。4日間を乗り切るにはペース配分が大切ですね。」「そうだよね。じゃあね。」と語り、晴れ晴れとした気分でHall Dをあとにしたのでした。これからパッキングをして4時にはホテルを出なくてはいけません。日本に帰ると忘年会シーズンです。でも今年は喪中なので、年末も新年も地味に行こうかなと思いました。すると遠くで親父の声が聞こえます、「そんなことは関係ないよ、よく学び、よく遊べだな」と。はい! ではそうします。
 
 

アメリカにもこんな医者が・・・


以前、EBMの講演をしたときに婦人科若手(中堅?)の先生に「日本ならEBMの意義を認識させることが大切だということはよくわかりますが、アメリカではみんなエビデンス通りの診療をしているはずなのに、どうしてEBM,EBMと言わなくてはいけないのですか?」という質問をうけた。目から鱗が落ちた、というか目に鱗がささったような思いをしたのを覚えている。つまり、彼は「アメリカの医師は何から何まで完璧にやっている」と思っていたのだ。そういう人って結構いるみたいだということを最近、強く感じるようになった。例えばMDアンダーソン崇拝者たちは、「アメリカでは臨床試験もきちんと行われている、日常診療も、医師、看護師、薬剤師などがエビデンスをしっかりと心得ていて、そこは理想の医療が行われているすばらしい国」と思っているように感じる。サンアントニオ乳癌シンポジウムの昼ケースディスカッションをよく分析してみると、実際は、そんなことありっこない、っていうことがよくわかると思うので、ちょっと視点を変えて紹介しよう。
一昨日と同様、壇上に専門家がならんでフロアのマイクの前にはずらりと列ができている。12時半、音響効果の悪いBallroom Aは今日も満員だが、日本人の姿は昨日よりずっと少ない。フロアからは地域で患者を診ている医師がスライドも画像も使わず、とうとうと経過をのべ、どのような治療をすべきでしょうか、と壇上のパネリストに質問する。二日目も司会はじぇにーちゃん、パネリストはアジア系の画像診断医師(名前不明)、MDアンダーソンの陽気な放射線治療医名前不明)、意地悪そうな腫瘍内科医(女医)(名前不明)、司会者を挟み、けんどーこばやしみたいなアドボカシー関係のおじさん(名前不明)、ジョージ・スレッジ(インディアナ大学腫瘍内科医)、エリック・ワイナー(ダナ・ファーバーがんセンター腫瘍内科医)、テリー・マモウナス(ピッツバーグ大学腫瘍外科医、NSABPの次世代を担う外科医らしい外科医)が並ぶ。「私はアラバマからきた腫瘍内科医です。私の55才の患者は、3年前に1cmの乳癌があり温存手術をしました。ER陰性、PgR陽性で、そのときはHER2ははかっておりません。術後レトロゾールを使用していました。今年のはじめに肝臓左葉に2cm大の転移が見つかり、針生検をしたらER陰性、PgR陽性、HER2(3+)でした。」そこでジェニーちゃんがまとめ、ではジョージとふると、ジョージ・スレッジが、「最近、Breast Cancer Resear and Treatment誌に日本のグループが肝臓切除を報告しているが、全身疾患なので、私は全身治療を考えたい。トラスツズマブはどうだろうか」と。すると質問に立った医師が「実際、エピルビシンとタキソテールを4サイクル実施し、引き続きハーセプチンを使用したが、腫瘍は大きくなるばかりで、4cm、そして5cmになったんです。そこで、左葉を肝切除しました。その後、どうすればいいでしょうか。」するとジェニーチャン、「切除した肝臓のHER2はどうでしたか」、医師は「同様に強陽性でした」と答える。エリック・ワイナーが「私なら、すぐには治療はしないが、いずれリグロウスするだろうから、そのときには、ケイプサイタビンとラパチニブを選ぶだろうね」と。医師は「どうもありがとうございました」といって、席に戻って行った。lこれはまあ、まともだと思う。そして次、「36才の女性、左乳房に違和感を訴えたので、そこを針生検したら、トリプルネガティブの乳癌が出たんだ。その後、いろいろな画像検査をしても病変は見つからない、what would you recommend?(あんたたちゃ、何を勧めるかい?)」、じぇにーちゃんが矢継ぎ早に、「MRIは、PETは?」と訪ねると医師は、negative, negativeと繰り返す。意地悪そうな腫瘍内科医(女医)が、「お宅はちゃんとした乳癌診療施設なの? 病理は専門家がみたの?献体の取り違えじゃあないの?」といじめた。けんどーこばやしみたいなアドボカシー関係のおじさんが、「セカンドオピニオンを聞いたらどうでしょうか」ということで、医師はまだ、言いたげな様子だったが席に戻った。普通は、きちんと画像検査をしてから生検などを進めるのだがいったい、どこを刺したんだろう、といぶかってしまう。そして、もっとひどい医師が次ぎのケース。ケースディスカッションといっているが実は、ひどい医師のケースを取り上げているように、我ながら思えてならない。大介花子のような雰囲気の女医、みかけもそうだが、人の話を聞かないところも花子的。「57才、1998年にER陽性、PgR陰性、HER2陰性、腋窩リンパ節転移4個陽性で、AC→Taxotereをやり、自家骨髄移植を行いました。2006年に胸水がでて、アリミデックス、ファスロデックスを使用しました。その後、骨転移がでて、肝転移もでてきたのでゼローダ+タキソテール使って、腫瘍マーカーがどんどん増えるので次にタキソール+アバスチン使って、それからナベルビン使ったんだけど、肝臓、肺転移は増悪、血中がん細胞は8個陽性だったので、タキソールを使ったら血中がん細胞は消失しました。しかし、脳転移が出てきたので次の治療として、大量ファスロデックスとタキソテールを併用すると血中がん細胞が消えるという情報を聞いたので、どなたか経験があれは教えてください。」 これに対して壇上騒然、場内もざわついた。じぇにーちゃんも声も荒げ、「ホルモン療法と化学療法の同時併用は勧められません。また、大量ファスロデックスの意義も確立していません」と答えると、医師は「ラパチニブはどうでしょうか」と、するとジェニーチャン、やけに冷静に「HER2は陰性ですよね」と確認。しかし医師は「脳転移に対してラパチニブが効くという情報があります。」って。アメリカだってこんなにもひどい、何も考えていない大介花子的あほ女医がいるわけねってことです。いずこも同じ、秋の夕暮れ~、いず~こもおな~じ、秋の夕~暮れエ~、ということでこのセッション終了にしたいと思います。最後までおつきあい頂き、ありがととうございました。

サンアントニオ3日目の話題


今日は、朝のポスターセッションでNSASBC02の中間解析の結果を発表した。中間解析といっても1060症例の登録はすでに終了し、ある程度の結果が得られている。ポスターの前を往来する人々にこちらからアイコンタクトを送り、無理矢理質問を促したり、説明したりするのも楽しいものだ。この試験は、今あちこちで問題になっているアンソラサイクリンの必要性について前向きに検討した試験であり、またドセタキセルとパクリタキセル3週投与をヘッドトゥーヘッドで比較した点で、デザイン的にも自信満々の試験だ。結果は(1)全症例ではアンソラサイクリン(AC)を追加する、しない、では差はない。(2)しかし、HER2過剰発現のある症例ではACを加えた方が再発が少ない、HER2過剰発現のない症例ではACを加えてもタキサンだけでもかわりない。(3)3週ごと投与では、パクリタキセルよりもドセタキセルが優れている、といったところです。米国インターグループ試験1199とコントロールアーム(AC→パクリタキセル)をそろえてあるので、今後もいろいろな比較ができるとおもう。また、5分の1ぐらいの症例で、HER2が未確認なので、今後、参加施設に再度お願いしてHER2未検査の症例では、検査してもらうようにしたい。この件は、来年2月のCSPOR年会で討論したい。
往来する人々からの反響はnice study!!というもの。やはり、HER2の発現とアンソラサイクリンの追加効果については納得がいくようだ。また、ドセタキセル75mg/m2でもよい結果が得られたということで、100mg/m2は使用しなくてもいいのか、100は、使わないですむのなら使いたくはないから、という指摘もあった。また、アンディー・サイドマンや、そのお弟子さんのチャウ・ダン(いずれもスローンケタリングは、計画や実行の段階からちょくちょく話していたので、ついにデータが出たね、しかもエキサイティングなデータだと、関心しきりであった。アンディー・サイドマンは、このポスターは、ジャパニーズシルクなの?と、ポスターを端をつまんで、関心していた。
午前中のgeneral session 5はおもしろい演題と、あきれた演題が混在していた。おもしろい演題は、がん細胞の転移形成に機能するマイクロテンタクルの話。マイクロテンタクルとはがん細胞の表面にたこの足、あるいはムラサキウニのとげのようにうごめく突起で、動画を交えて、がん細胞が移動する様子や、マイクロテンタクルが薬剤により機能しなくなり、こうなれば転移は抑制されるはず、という話は、エビデンスを超えて説得力があった。一方、ATACの参加症例のうち1300例ぐらいでオンコタイプDXを行ったというミッチー・ダウセットの発表や、NSABPB28登録症例でTAUをしらべたプズダイの発表、また、N9831試験登録症例を対象にMYC増幅を検討したイーデス・ペレースの発表は、手間と、暇と金をかけて検討した結果が、たったそれだけ? だから何なの?というような、大山鳴動してネズミ3匹というようなあきれた演題であった。
以上、3日目のウルトラハイパー速報をお送り致しました。今日の昼からのケースディスカッションは、これがまた、ひっくり返るような症例呈示があってスタジオ騒然、という感じでした。詳細は、次号でお伝えする予定ですが、体力と知力があればということで、だいぶ空席の目立つHALL Dからごきげんよう。

がん臨床力に関する考察


サンアントニオ乳がんシンポジウムの二日間が終了し明日(土曜日)、明後日(日曜日)も、まだまだ盛りだくさんの内容である。今日の夜はステファン・ジョーンズを迎えてファイザーオンコロジースポンサードミートザスペシャリストフォージャパニーズデリゲートがあった。TEAMトライアルをみんなで徹底的に討議しよう、みたいな活発な会になり、ホズミン(栃木)も存分に活躍された。また、一見、バリトンで押し出しの強そうなステファン・ジョーンズもとても好意的に対応してくれ、若手も古手も結構、満足できたんではないだろうか。今日の昼には、サンアントニオ恒例の「ケースディスカッション」があった。以前にもブログしたような記憶があるけれど、サンアントニオと言えばケースディスカッションと言うぐらい、こんなに充実したセッションはないんじゃあないかと思う。今年が31回だが、いつの頃からやっているのかわかならいけれど私が参加し始めた10数年前からは二日目と三日目の昼に開催されている。今年の状況をまず、ご説明しましょう。
壇上には、右からジム・イングル(メイヨークリニック腫瘍内科)、モニカ・モロウ(メモリアルスローンケタリングがんセンター外科、旦那はタモキシフェンの生みの親、クレイグ・ジョルダン)、ガブリエル・ホルトバジイ(MDアンダーソンがんセンター腫瘍内科)、ジェイ・ハリス(ハーバード大学放射線科)、司会のじぇにーちゃん(ベイラー大学腫瘍内科)、アジア系の放射線診断医(氏名、所属不明)、患者団体のおばさん、そして、イアン・スミス(英国ロイヤルマーズデン病院腫瘍内科)がパネリストとして並ぶ。司会は数年前まで、ケント・オズボーンがつとめていたが、数年間から、お弟子のじぇにーちゃんになった。フロアから、ぶっつけ本番で症例が呈示される。実症例なので、確かに難しいね、という症例ばかりが呈示される。おそらく、この日のために質問しよう、と全国から参加してくるのだろう。私も、3-4年前に、九州大学の徳永えり子先生から相談された症例をここで提示してみた。提示された症例について、壇上のパネリストが、どのような治療が適していると考えるかを理路整然と語る。ここに、真剣勝負に立ち向かう臨床力が発揮されるのである。今年の症例を一挙公開。
(1)症例1 55才 閉経後女性 3mmと2mmの浸潤癌あり乳切行いグレード2,センチネルリンパ節生検では、サイトケラチン染色陽性、全身治療をどうするか、腋窩についてはどうするか?
(2)35才閉経前女性 8cm大の乳癌で、MRIで腋窩リンパ節にも転移あり。ER陰性、PgR陰性、HER2過剰発現あり。AC→ドセタキセル+ハーセプチンを行い、完全に触知できないぐらいに消失、MRIでも残存腫瘍の痕跡なし。局所治療をどうするか?
(3)46才閉経前 乳房温存、放射線照射実施、ER陰性、PgR陰性、HER2箇条発現あり。術後TCH(タキソテール、カルボプラチン、ハーセプチン実施した。ハーセプチン9花月のところで、心拍出率低下(63%→46%)、ハーセプチンを休止したところ心拍出率は55%に改善した。ハーセプチンを再会するべきか?
(4)25才閉経前 妊娠26週間で5cmの乳癌が診断された。ER陰性、PgR陰性、HER2陰性(トリプルネガティブ)。ケモをどうするか。術前でやるか、術後でやるか。若年発祥なのでBRCA1/2などの乳癌遺伝子を調べる必要はあるか?
(5)45才、T2N0M0 stageIIA乳癌に対して乳房温存術→CEF6サイクル→タモキシフェンを実施。タモキシフェン開始後3年で、心嚢水出現し細胞診でがん細胞陽性。骨転移もあり。どうするか。ホルモン剤でよいか、抗がん剤を勧めるほうがいいか?
(6)42才、ER弱陽性、PgR陰性、HER2陰性、術前化学療法としてAC4サイクル後、乳切。腋窩廓清は実勢せず。術後に12週間タキソール週1回投与終了。その後、3ヶ月で腋窩再発リンパ節転移出現。ケモをどうするか、ER・PgRは、どのように評価すればよいのか?
(7)44才 左T1N1bM0 ER陽性、PgR陽性、HER2陰性。3か月タモキシフェン内服したが、既往のうつ病臥悪化した。どのような治療を選択するか?
(8)55才 マンモグラフィーで石灰化、マンモトームでDCIS(非浸潤癌)が大部分だが、2-3カ所に1-2mmの微小浸潤部位あり、そこを調べたらER陰性、PgR陰性、HER2強陽性であった。センチネルリンパ節生検はしていない。これから先の治療をどうするか?
(9)23才のナース(茄子)、乳頭直下に2.5cmの腫瘤があり、吸引細胞診で「がんなし」、生検をしたところ繊維腺腫。28才の姉が乳癌に罹患し、乳切→術後ケモセラをしていることもあり、家族性乳癌を極度に心配している。どうしたらよいか?
(10)76才 2年前T1cN0M0G3、ER陰性、PgR陰性、HER2強陽性で、腫瘤摘出術、放射線、TC4サイクル後、ハーセプチン1年実施。右肺上葉の1cmの腫瘤出現したので、切除したところ、乳癌の転移で、性格は原発巣とおなじでER陰性、PgR陰性、HER2強陽性であった。その後の対応をどうするか?
 
どのような答えがでたか、どんな討議がなされたか、については、来年のCSPORの年会でご紹介する。壇上のパネリストは、自分の考えを理路整然と説明した。エビデンスがある場合には、的確に引用する。エビデンスが乏しい問題には、現状で最善の方策はこれだと思う、その理由はこれこれそれそれだから、と。日本で同じようなことをすると、たぶん、「とても難しい問題ですね、患者とよく相談して決めなくてはいけないと思います。」というようなその場しのぎのご意見が出るでしょうし、そんなことを言いそうなのは誰だか、だいたいわかりますね。わからないようにイニシャルで語ってもなぜか見抜かれてしまうので書きません。
著名な研究者は著名な臨床家であり質の高い臨床を実践するためには科学的な理論構築ができないといけないということです。そこで、来年のCSPORの年会では、2名の論客による、ディベート大会を計画しました。出演は、あるが先生とむかい先生ということで調整が進んでいます。また、来年の年会では、NSASBC02、03試験について「計画→実行→解析→発表」のプロセスを振り返って検証します。多数の皆さんのご参加をお待ちしています。
 

サンアントニオ二日目の話題


午前中のgeneral session 3は、昨日の焼き直しシリーズに比べなかなか興味深い演題が並んだ。また、昼過ぎのCase Conferenceも昨年よりは充実していた。
まず、general sessionから、いくつか話題を拾ってみよう。
(1)NOAHトライアルは、HER2陽性症例に対してハーセプチンを含む術前化学療法と、同じ化学療法だけを比較した第三相試験で発表したのはミラノのルカ・ジアーニ。327症例が登録され、ハーセプチンを加えた方が奏効率、病理学的完全寛解率、無病生存率すべて優れており心毒性も問題にならないというもの。日本でも術前化学療法は、進行乳癌に対する治療として標準治療になっているので、HER2陽性ならば、HER2過剰発現を伴う進行乳癌ということで保険診療も問題ない。
 
(2)VeraTag assayという方法で、HER2タンパク総量あるいは、二量体(タダイマー)を直接測定すると、FISHよりもハーセプチンの効果を推測するのに役立つという発表、これはおもしろい。日本では、この測定検査キットを作っている会社の支店もないので、まだ測定キットが入手できない。保険がとおるとかとおらないとかのずっと、前の段階であるので、この方法が使えるようになるには、またまた、時間がかかる。またまた、フラストレーションが決まる。
 
(3)次はベイラー大学の売り出し中、去年も紹介したじぇにーちゃんの発表。術前治療で、ハーセプチンまたは、ラパチニブを使用中患者を対象として、PI3キナーゼ活性化の有無、Ki67による増殖活性評価、PTEN発現状況などを1週間ごとにコアバイオプシーを行って検討してみると、ハーセプチンの効果とラパチニブの効果の出方がかなり違うらしい。いずれもHER2タンパクを標的にしているのに、細胞内で起こっていることはこんなにも違うのか、と驚いたし、今後、臨床検査もだいぶ変わって行くのかもしれない。
 
(4)バンダービルト大学のカルロス・アーティアガの発表は、TGFベータに関連した話だが、秋葉原のオタク的な性格で話がわかりにくいので、はじめから聞いていなかった。かれは1987年にバンダービルトにやってきた。1年は重なっていたのだが、あまり波長があわない。個人的な話ですいません。
 
(5)最後はNERATINIB。最後にnibがついていることから、小分子の標的薬剤であることがわかる。これは、HER1,HER2,HER3,HER4までに作用するもので、いずれはラパチニブと生き残りをかけた戦いを繰り広げることになるだろう。この試験は、米国と、中国・インドで行われたそうで、ちょっと変わった結果が、ハロルド・バーンスタイン坊やにより発表された。第2相試験で、136症例が対象。約60例はハーセプチンやラパチニブなどが使用済みの症例で、奏効率は26%、約70例は、ハーセプチン、ラパチニブが高くて使えないインドと中国の症例で奏効率は51%。この差は先行治療のありなしによると考えてよいだろうけど、人種差ということはないだろうか。イレッサの肺がんで同じようなことをやったら、きっとややこしくなるに違いない。
 
今日はこんなところです。後で昼のケースカンファレンスのことをご報告いたしましょう。無線LAN完備のHALL Dよりお伝えいたしました。
 

サンアントニオ初日の話


12月11日(木曜日)、今日は午前中、general session 1、ホルモン剤の演題がいくつか発表されたが、どれもつまらないものばかりであった。
(1)LASOFOXIFENEによる乳癌予防効果の発表:LASOFOXIFENEとは、ファイザーが開発をすすめているRALOXIFENEのゾロのようなものだ。RALOXIFENEと同じように骨粗鬆症の治療効果、予防効果がある、乳癌発症を幾分かは予防できるというものでRALOXIFENEがあるから別にいらないんじゃないの、という話だ。
 
(2)アロマターゼ阻害剤とタモキシフェンの比較試験のメタアナリシス:すでにポジティブデータが発表されている試験をまとめてメタアナリシスして何かいいことあるわけ、という感じの発表だ。ATACとBIG1-98は、最初からAIを使う群とタモキシフェン、いずれも5年の比較で、どちらもAIがいい、といっているのだが、メタアナリシスでも結果は同じ。メタアナリシスでも生存期間ではAIとTAMは変わらない。ABCSG8,ARNO95,IES,ITAの途中スイッチ試験でもTAM→AIの方がTAMよりもよろしいと言う結果。こちらのメタアナ利シスでは、OSでもスイッチの方がよいという結果だが、これは眉唾スタディであるITAにひっぱられているのだろう。
 
(3)BIG1-98の、レトロゾール5年とタモキシフェン5年の比較についてのNEW DATAと、レトロゾール5年と、レトロゾール2年→タモキシフェン3年と、タモキシフェン2年→レトロゾール5年の比較では、レトロゾール5年が、タモキシフェン→レトロゾールよりもわずかにすぐれている、しかしレトロゾールからタモキシフェンへの切り替えは、レトロz-ル5年よりはわずかに劣っている。結論は、レトロゾールではじめてそのまま5年か、2年レトロゾール行ってからならタモキシフェンに代えてもよい、というような玉虫色の結論である。これに対して、フロアから、スティーブン・ヴォーゲルfrom New Yorkがかみついた。MA5では、タモキシフェンあとではレトロゾールと言っているのに、ここにきてまたタモキシフェンでもいいよ、とはいったいどうすりゃいいんだ、というもの。エビデンス原理主義にもとづけば、発表のような結論だが、要は、再発抑制効果は、レトロゾールの方がタモキシフェンよりもすぐれている。そのすぐれた薬剤をできるかぎり長く使うのがいい。再発リスクは2年目までがやや高く、その先はリスクが少し低下するというでーたは、ATACトライアルの解析でも示されているが、この試験(BIG1-98)では、この後半の部分で、やや効力の劣るタモキシフェンを使っているので、もともとイベントが少なく差があまり表に出ないのだろう。再発抑制効果の差は、本当にごくごくわずかではあるがレトロゾールがすぐれているけど、骨粗鬆症とか関節痛とかで、レトロゾールがと代えないような場合には、タモキシフェンに代えるのでも、まあ、しかたないんじゃあないの、というよう解釈でよいのだろう。ただ、タモキシフェンによる子宮内膜癌とか血栓症とかも考慮して総合的に決めなくてはならない。一般臨床では、レトロゾールから開始というアプローチでよろしいと思う。
 
(4)TEAMトライアルでは、エキセメスタンがタモキシフェンよりもよい傾向があったけど、厳密に言えば有意差はない。この試験は日本からも参加しているのだが、第三のAIなので試験の進行がおくれた。当初は、タモキシフェン5年とエキセメスタン5年の比較の計画で開始され、途中まで進んだところで、ATACやBIG1-98の結果が発表されたんで、タモキシフェン群を、途中からエキセメスタン群に切り替える群に変更となったのだ。そのため、エキセメスタン5年とタモキシフェン→エキセメスタンへの切り替えのような形態となった。いわゆる、ふたなり、である。そのため、結果も切れ味がない。発表者の、スティーブン・ジョーンズのバリトンの張りのある声は、相変わらず切れ味はよかった。
 
(5)オーストリアのヤケッツの親父がABCSG8の延長解析を発表した。タモキシフェンからアナストロゾールに切り替え試験だが、生存率に差が出た、でないで、解釈が少しややこしいが、基本的には新しいデータはなかった。
 
以上、焼き直しのデータばかりの一日目でした。以上、HALL Dより超速報をお送りしました。ごきげんよう。

病診連携の幻想


20世紀の組織は「ピラミッド型」、21世紀の組織は「ネットワーク型」である。お役所のような古くさい組織は「ピラミッド型」だから、縦割り行政という弊害が生まれている。お役所と垣添が考えた癌診療拠点病院はまさにピラミッド型であり、国立がんセンターを頂点として、都道府県の拠点病院があって、その下に地域の拠点病院があって・・・。しかし頂点の国立がんセンターは崩壊の憂き目にあっている。実は消一くんががん化学療法をやっているような三流「きょとん病院」でも、地域のエゴと政治力と早い者勝ちで拠点病院に指定されている病院もある。浜松地域の営利追求型えすれい病院の勘違いした医師は「ここは拠点病院なのだからインフルエンザワクチンのようなくだらないことは近くの開業医にでもいってやってもらいなさい。」と暴言をはいてしおれた患者がうちに来た。一方、はやりの「チーム医療」はネットワーク型組織を想定したイメージであり、構成メンバーである医師、看護師、薬剤師などは、ネットワークのなかのノードとして位置づけられる。分からず屋のがんこ医師を頂点としたピラミッド型の組織に対するアンチテーゼとしてとても魅力的なコンセプトである。考えようによっては、医師の独断力をそぐための当局の陰謀であるという見方もある。
それで、あちこちで話題になっている癌医療の病診連携も、本来ならネットワーク型組織論で検討しなくてはいけないものなのに、旧態依然としたピラミッド型に当てはめようとしているところに無理がある。これでは、病院、患者、診療所の3者はWIN/WIN/WINにはならない。ある会で匙医師が言ったように、診療所へ患者を回せば病院医師は診療の負担が軽減され好きな実験ができるようになりHappy。診療所医師は非専門家という烙印を押され、化学療法をやってもリスクを背負わされるが外来化学療法加算も算定できず、やりがいもなく割もあわずUnhappy。患者も専門家の病院医師は忙しくて3か月に一度しかあえず、まわされた診療所の医師は、難しいことは病院で聞いてくれ、ここでは点滴と薬だけ、といわれ心配で不安で超Unhappy。WIN/LOSE/LOSEの関係になる。病診連携を検討する場合にはネットワーク型組織論に基づいて考えなくてはならない。しかし、最近どうやら千葉は癌診療の病診連携がうまくいっているらしいという情報を入手した。それはほんとうだろうか、宮内先生、教えてください。