月: 2009年2月
いい勉強会の工夫
先週の土曜日は第5回浜松オンコロジーフォーラムを開催した。第1回からスポンサーとして支援してくれているのがサノフィアベンティス社、あれやこれや売らんかなという姿勢はなくオンコロジーを定着させたいという趣旨に前向きに協力してくれるので助かっております、まず感謝。しかし、今後は徐々にNPO法人がん情報局も力をつけていき、このような勉強会をきちんとマネージできるようようにしていきたいと思います。その方がより公平で中立でとらわれない勉強会ができると思うからです。
今回の参加者は120名近く、 箕面の飯島先生、栃木の藤井先生、静岡の高木先生と、加えて私が演者として発表、座長は浜松医大外科の中村先生と、浜松医大内科の生熊先生にお願いした。座長もきびきびとうまくまとめてくれたし、演者の話も実によかった。飯島先生は癌患者、癌治療と栄養管理の話で、目から鱗が何枚も落ちるような話であった。もう一度聞きたいという参加者の声が多かったので、またお願いします。藤井先生は頭頚部癌の化学療法という普通なかなか聞けない話であったが、ちょっと聴取の期待と話の内容に乖離があった。藤井先生も場数を踏めばよいプレゼンターとなるでしょう、また来てください。高木先生の話は力強い。同時に聴衆のレベルや理解度にも配慮した準備で、緻密さ、繊細さを感じた。さすが北大の同級生だ。聞くたびにグレードアップするので次回もお願いします。皆さんがとてもよい話をしてくれたのでフロアからの質問も結構あって3時から6時半まで勉強になったと思いますし、その後の懇親会も盛り上がったと感じています。このような勉強会は「事なかれ主義」でやるとマンネリ化する。やらなくてはいけないからやっていますという「アリバイ主義」でやるとだいたいがつまらない。楽しく充実していて勉強になった、いろいろな人々と語ることができてよかった、というようなよい感想を持ってもらえるようにして、継続するには様々な工夫が必要なのだ。
同じ日に北関東でブレストキャンサーエキスパートミーティングin北関東というのがあったらしく参加した全国連絡網メンバーからの情報では、この会のスポンサーはなにかとまぬけなTKD薬品だそうでエキスパートミーティングとは名ばかりのひどい会で演題も討論も内容も非常に微妙でしかもぐだぐだと進行し3時間の予定の会がなんと1時間半も押して終了、白熱した討論で時間が押すならいいけれど本当に「ぐだぐだ」という形容以外に適切な表現が見つからない二度と出席したくないような会だったとのこと、それはわからんでもないなあ・・・とにかくこの手の勉強会は何のためにやっているのか、つまり「原因と結果の法則」における原因としての「思い」がはっきりしていないことが多くて、当事者意識を持った人が誰もいないということもままあって、何となく義理とつきあいで開催して続けているというようなものが大半のように見える。そうならないように気を引き締めて、意味があるから継続するという会を継続させていきたい。
ところで、いつも腹立たしいのは情報交換会と名前を変えた懇親会の扱いだ。勉強会をホテルで開催するならそのホテル内で開催するのはよいが、ホテル以外で開催した場合は懇親会は開催してはいけない、とか、立食パーティーはよいが座して談笑してはいけない、とか、頭のわるい製薬協だかの、間抜けなコーキョーキという規約があって、そこにそのように書いてあるのだそうだ。実に知能指数の低い連中が作成した規約なのだが製薬企業がスポンサーになる場合にはこのまぬけ規約に従わなくてはならない。なんかホテル業界と癒着しているようにも感じるけどね。どこかにも書いたと思うが今までで一番間抜けだったのは、新潟に講演で呼ばれた時、あれは確かなにかと間抜けなTKDがスポンサーだっと思うがホテルでの講演会の後、別室の情報交換会場には円卓がいくつか用意され、そこには鍋料理などが並んいて箸やおとり皿とかが人数分並んでいるのだがなんと椅子がない!! 牧野先生がTKDになによ、ちょっとこれ、おかしいんじゃない、というと、立食でお願いしますとのことで、一同、ずっこけちまっただよ、まるで漫画だよね。懇親会というのも学問を深める上で重要なアクティビティーである。そりゃあ、昔のT先生らのころは銀座の倶楽部で10万円のワインを何本も空けた、なんていう時代もあったけど、今はそんなことを期待するおねだり坊やはいない。なのでこれを正々堂々とCSPORの年会のように開催するにはやはりコーキョーキなどに縛られないような公明正大な組織でもって運営していくのがよいのだろうと思う。