弱り目にたたり目


今日は恒例の北見講演会,今回で7回目になる予定でした。ところが、ところが、北見にはたどり着けず、18時30分現在、札幌千歳空港にいます。ちとせなう。午前中の杏雲堂外来をきちんとこなして、11時には杏雲堂を出てタクシーに。羽田までところどころ渋滞はあれど、11時30分には空港エリアに入り一安心、と思いきや、何を血迷ったか東京無線の運転手、第二ターミナルビル出発の方にハンドルを切り、とたんに渋滞、渋滞・・。そこは駐車場に向かう車列で夏休みの家族連れの車で全く動かない。JALだから第一ターミナルビルと言ったのに・・。目と鼻の先の隣のターミナルに行くのに40分近くかかってしまい、結局12時30分発の女満別行きに乗れず、しかたなく、札幌千歳に飛んで、そこから女満別行きに乗り継ぎの段取りで千歳へ。ところが、女満別行きの使用機材が、岩手はなまき空港で雷に打たれたとやらで欠航! 19時発のANAになら振り替え可能ということだけど、だったら北見に行く意味ないじゃん、ということで、千歳から名古屋セントレアに帰ることにして、須永道明先生、山崎弘資先生に、連絡して、お詫び申し上げ「残念ながら今日はいけないから、次は流氷の頃に呼んでくださいね」、とお約束。エーザイもりたたかとしくんも是非冬にということで、まずまず、しかたないはしかないね、ということで納得して、名古屋セントレアに飛び、そこから浜松に戻ろうと空港搭乗口で待っていると、場内アナウンスが・・「千歳空港周辺の悪天候のため、使用機材が着陸できず、地上作業も落雷のおそれがあるので見合わせております・・・」とほほのほ。いったいどうなるのだろうと、土砂降り空港を見つめつつ、今月の運を使いつくしちゃったからかな・・、と思いつつ待っていると、雲の晴れ間から使用機材が着陸、それでややおくれで名古屋に向かい、22時14分名古屋駅発のこだま最終列車で23時帰宅。移動移動、東京無線運転手の瞬間的判断ミスが原因で結局無駄な移動の12時間でした。

おかしいよ IWT病院


患者さんが「セカンドオピニオンを聞きに行きたい」というので「行きたい病院を決めてきてください、そこ宛に紹介状を書きますから」とお伝えしました。翌週、自宅の近くのIWT市立総合病院に、ということでしたので、そちらの乳腺外科医師宛の紹介状を作成してお渡ししました。ところが、しばらくして、患者さんが「その病院に連絡をとったらセカンドオピニオンは、病院から病院への依頼でないと予約はできません、患者さんからではだめです。」と言われたと連絡してきました。これって、めちゃくちゃおかしい!! セカンドオピニオンは患者さんが主体的に求めるものであり、医療機関同士で連絡するものではないのです。何かの間違いでしょうか、ジュビロくん!!!

動画配信始まる


第21回日本乳癌学会学術総会の動画配信がはじまりました。学術総会ホームページの動画配信タブをクリックし、乳癌学会会員にお知らせしている ID( * )、Password( *) を入力してください。動画配信は、配信に快く同意してくださった演者方々のセッションで、主たる三会場(第一会場、第二会場、第四会場)のみが対象です。予算の関係上(・・・とほほ)全会場で録画することはできませんでしたのでご了解ください。また、ランチョンセミナーなどのスポンサードセッションも上記の三会場だけを配信するとスポンサー間での不公平対応となってしまうので配信いたしません。また、配信期間も(予算の関係上・・・とほほのほ)3ヶ月(10月8日まで)とします。このような動画配信が有意義!! 来年も野口先生お願い!! 来年は全会場のを見たい!! 勉強したい!!というご希望があれば、星5つを押してください。

* 乳癌学会のNews Letter表紙の右下に会員専用ID パスワードが書いてあります。それを用いて乳癌学会ホームページから、会員専用ページにはいってください。動画配信用のID、パスワードを確認できます。また、会員専用ページでは、今回改訂されたガイドラインの全文を読むことができます。その他、いろいろな特典がございます。会員になっていない方、是非入会なさってください。

乳癌学会に参加された皆さんへ


今朝の浜松は、まるで梅雨明けしたかのような、夏の陽光が照りつけています。先ほど、ロビンをつれて、少し長い距離を走ったり、歩いたりしてきました。皆様におかれましては、益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。

さて、この度浜松市で開催いたしました第 21 回日本乳癌学会学術総会は皆様方のご協力、ご支援のお かげで演題応募数 1848 演題、参加者 5669 名という盛況のもと無事終えることが出来ました。改めて 熱く、厚く御礼申し上げます。

日本乳癌学会が昨年の熊本大会で20 周年の節目を迎えたということ、および、現存する議事録にありますように仙台国分町での元祖企画委員会での決定を受け、今回は新たな出発という意味も込め、「情報 知識 理解の共有」というテーマのもと、以下のような新しい取り組みをいたしました。

1 主たる三会場でのプレナリーセッション
2 三日間を通じての看護師向けセッション
3 厳選口演セッション
4 ポスター討議(レビュー)セッション
5 コンセンサスカンファレンス
6 Meet the Expert
7 ポスターのオンライン登録および事前印刷
8 抄録集の電子化
9 患者セミナー
10 P-1グランプリ

私たち実行委員会は約2年間、懸命に準備しこれ以上のものはないと思っており、今後の学術総会に引き継がれていくことを夢見ております。しかし、冷静かつ客観的評価は、ご参加頂いた皆様方お一人お一人に委ねたいと思います。
本来であれば直接お目にかかり御礼申し上げるべきところではございますが、まずは略儀ながらブログ にて御礼申し上げます。末筆ながら、皆様のご健康と益々のご発展をお祈り申し上げます。

第 21 回日本乳癌学会学術総会 会長 渡辺 亨

2013 年 7 月2日

乳がんの遺伝


アメリカの女優、アンジェリーナ・ジョリーが、乳がんになりやすい遺伝子の検査の結果、陽性だったので、乳がん発症前に両側乳房を切除したことが報道されてから、「娘がいるのですが遺伝子検査は必要ですか。」という質問を患者から多く受けます。また、不要な乳房切除を希望する患者がいるという話も耳にします。遺伝子とは細胞の設計図のようなもの、その設計図に記載ミスがあれば、細胞の正常の働きが損なわれ、がんになる場合もあります。アンジェリーナ・ジョリーはBRCA1、2(ビーアールシーエーワンとツー)という遺伝子に変異、つまり記載ミスがある、親から子に乳がん、卵巣がんが遺伝する病気(遺伝性乳がん卵巣がん症候群)だったようです。大きく報道されたので、不安になった患者も多く、診療の現場では混乱が生じました。この遺伝子異常が原因で乳がんになる人は乳がん患者全体の5-6%、つまり、乳がん患者の20人に1人程度です。20人のうち19人の乳がんは遺伝する形ではありませんから、遺伝子検査をする必要はないのです。日本では遺伝というと、あの家はがん家系だ、というような間違った考えもあり、何となくタブー視するような風潮があります。そして、今まで、BRCA1、2遺伝子検査についても、熱心に研究してきた医師や遺伝カウンセラーの人たちもいるのですが、未だに、保険が使える検査として、どこの病院でも実施できるという体制にはなっていません。欧米では、どのような乳がん、卵巣がん患者が、この遺伝子検査をうける必要があるのかというガイドラインができています。また、子孫まで伝わる可能性のある病気ですから、検査前だけでなく、検査を受けたあとも、治療の選択などについて患者をしっかりと支援するカウンセラーが多くの病院、診療所に配置されています。日本は立ち後れています。いまこそ、厚生労働省に強く働きかけ、遺伝性がんの診断、治療、そして支援体制を早急に整備しなくてはいけません。

今日の朝日新聞 国際学会のご紹介


毎年6月初めにシカゴで開催される米国臨床腫瘍学会(ASCO、アスコと読みます)に今年も参加してきました。参加者は2万人を超え、その30%は米国以外からの参加者、医師、薬剤師、医学研究者、製薬企業、厚労省などの行政官も参加します。私は、25年前からほぼ毎年参加し、2-3年に一度は研究成果を発表しています。最近は、日本からの発表も増えており、今回は、日本で作られた薬剤、エスワンの膵臓がんに対する効果が注目されました。3日半の会期中は、乳がん、肺がん、胃がん、卵巣がん、前立腺がん、皮膚がん・・・と、様々ながんについての治療、診断に関する最新情報が報告されるため、すべてに参加することはできません。しかし毎朝8時から約1時間半、前日のハイライトとして、各がんについて15分づつ、重要な話題をその道の専門家が解説してくれるので、それは必ず聞くようにしています。どのがんにも共通している最近の傾向は、一人一人の患者のがんを最新の遺伝子検査でがんが増える原因となっている遺伝子をつきとめ、それに対応する治療薬が作られ、臨床試験で調べられた効果が発表されていることです。このような治療は個別化治療とか、オーダーメード治療と呼ばれ、薬剤の数はどんどん増えています。たとえば、乳がん患者の2割でHER2遺伝子が活発に働いていること増殖の原因であることが1987年に解明され、1998年にはその働きを抑える薬剤ハーセプチンの劇的な効果がASCOで発表されました。そして2005年ラパチニブ、2010年パージェタ、2011年カドサイラといった具合に次から次へと新薬の治療成績が発表されています。最近はが世界同時に臨床試験が行われるので、海外で使える薬が日本では使えないという状況は次第に解消されています。国際学会に参加してみると、患者に1日でも早くよい薬を届けるために、世界中の医師、製薬企業、行政が一緒になり努力しているということがよくわかります。

抄録から見えてくるもの


乳癌学会を1か月後に控え、抄録の電子版が完成、ホームページにアップロードしました。字数の制限された抄録で研究、主張のすべては語り尽くせないでしょうが、その制限区域を如何に有効活用するかというのも発表者の知恵の見せ所でしょう。制限字数は800字。800字というスペースを与えられたら、何が何でも800字にする、799字まで書いて最後の1文字で「。」を打つ、それぐらいの気迫とがめつさがなければだめだぞ!と、恩師阿部先生には、抄録締め切り直前に、何度も何度も書き直しを命じられたものでした。なので今でも字数制限ぎりぎりの挑戦を弟子たちにも求めています。その目で抄録をみると与えられた字数をめいっぱい使っているがめついひとはあまり多くありません。100字ぐらいでさらりと書き上げている子もいます。また、評価されない抄録の代表は「発表ではさらに検討症例を増やして報告する。」って書いてあるけど、増やしたからといって何が変わるの?というもの。また、発表の際に「発表は内容が一部抄録と異っていることをお断りいたします。」というので、抄録と発表内容を比べてみると、ぜーんぜん、結論がちがうじゃん、というのもあります。今回は、ポスターもオンラインでのアップロードという形をとりました。ポスター討議の対象となっている演題では、レビューワーがポスター内容を検討してレビューに使うデータを投稿ポスターからコピペしなくてはいけないので、はやめ、はやめにお願いします、とメッドおやまだから言われており、最終的に締め切りすぎても40演題のアップロードが確認できませんでしたので、メールで確認しました。そしたら、「私は仕事も子育ても忙しくなかなかポスター作成などしてられませんから演題は取り下げます、という強烈な逆ギレにあったり、なかなか思うようなデータがでないのでポスター作成が遅れていますって、おいおい、抄録を送った時点で、差があるって、書いてあるんじゃないの? というのもあったりで、抄録からからいろいろないきざまがみえてくるもんですな、と感じ入っております。

年老いたイグアナママ


今週はセカンドオピニオンでインフォームドコンセントのアリバイ体質、学会理事会で学会の隠ぺい体質をつよく認識しました。その理由はあきらかです。結果責任を不適切に追求する間違った社会通念、愛(ストルゲー、アガペー、フィリアだがエロスではない)の枯渇した日本社会が原因ではないでしょうか。しかし時代は確実に動いています。この動きをリアルタイムで受け入れていかないとガラパゴスになります。年老いたイグアナママのようにはならないよう、自分にも言い聞かせていきたい。

驚きの訪問者


このブログ、不定期連載なので、しばらく書かないと訪問者がぐっと減り500ぐらいになりますます。反対にせっせと書き込むと1500人ぐらいに増えますがとくに増やそうとも思わないので気が向くままに時間のある時に書いています。最近、更新してませんねェ、と言われることもよくあります。そんな状況の中、12月19日に訪問者が13000人を超え、なにやら大変なことになっていて、ブログ炎上か!?とあわてました。調べてみたら、他のブログに、このサイトのリンクがはってあったのが原因とわかり、基本的に善意にリンクであったのでほっと一安心。そのサイトを見て頂いたらわかりますが、例の週刊朝日のいい加減な病院ランキングの件で、他でも週刊朝日関係の広告業者が不適切なことをした、というものです。肝胆膵外科学会にも迷惑をかけているようですね。「朝日」という冠がついていれば、誰だって信じてしまうので、そこは、朝日もつべこべ言わずに非を認めるべきでしょう。あきれた週刊朝日増刊後号で名前の出ているSKTさんから広告をとりしまることはできないなど自己弁護、朝日弁護の激しく、長いメールが来ましたが、さすがにそれを転載したら、どんな仕打ちをうけるかわからないので、この辺でこの話題おしまい!!!

がん内科医の独り言


朝日新聞静岡版に「がん内科医の独り言」と題して、このコラムをすこし、まじめにしたような連載、2010年11月26日から始まって、2年を過ぎました。過去1年間の連載(2011年12月~)は、http://www.asahi.com/area/shizuoka/articles/list2300036.html  で読むことができます。このコラムに転載したものもあります。興味があればご覧ください。